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能登半島地震に伴う点検測量について
悩める測量士 投稿日:2024年02月15日 16:34 No.3507
調査士の先生方のご意見を伺いたく書き込みます。
昨年役所からの委託で用地測量を行いました。
そしてこれから登記申請するとのことで測量成果の再点検をしてほしいと言われています。
(地震により基準点成果の公表が停止された地域です)
法務局からの通知では「相対的位置に変動がない(公差の範囲内であれば受理する)」ようですが、
この「公差の範囲内」とは用地測量成果に対する公差なのか、元の地籍図(図解法)や
既提出地積測量図等に対する公差なのかどちらでしょう?


楽々 投稿日:2024年02月15日 19:06 No.3508 【Home】
登記簿の地積じゃないんですか?

まだまだ新人 投稿日:2024年02月15日 19:13 No.3509
参考に令和6年1月10日民二18号を読むといいかも。
概ね地震前の測量を今回の登記に使う場合、地震後に測量して公差内に入っていれば、
使っていいよ。ただし、任意座標値として取り扱う。93条にもその旨を記載する。
一度読んだらわかると思います。


風来坊 投稿日:2024年02月16日 00:11 No.3510
地震によって境界点が移動していないかの点検ですから、用地測量の成果に対する公差に決まっています。
用地測量に使用した基準点(多角点)や境界点を検測し、前回の成果との較差が公差内か点検します。
地表に局所的な変動が見られなければ全点の点検でなくサンプリングで十分です。


Lena 投稿日:2024年02月16日 10:38 No.3512
私のところは停止した電子基準点の最外側付近です。
地震で、どの方向にどれくらいの変動があったのか気にしていましたが、
昨日以下のお知らせがありました。
令和6年能登半島地震に伴う基準点成果の取扱いについて | 国土地理院
https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/R6-notopeninsula-earthquake-seika.html

"悩める測量士さん"の現場がどの辺りか分かりませんが、、、
基準点成果等閲覧サービスで閲覧できるようです。
座標補正パラメータも公表されました。(今回の公開範囲は、標高の補正は不要との事)
問合せの趣旨と違いますが、点検、確認等に利用できるかもしれませんね。

内陸部の地震と海の中で発生した地震による地殻変動は、地面の移動の方向が違います。
"風来坊さん"がおっしゃるように、困るのは、「相対」と言いにくい、"局所的な変動"の扱いです。
点検しないとそれが分かりません。
被災地域に近接した地域の調査士は、地理院成果に現れない"局所的な変動"を感じていると思います。
まだ、地震は収まっていません。昨日もうちのおんぼろ事務所と家が少しですが3回揺れました。


悩める測量士 投稿日:2024年02月16日 11:49 No.3513
皆様 ご回答ありがとうございます。
やはり今回の用地測量の成果に対する公差ですか。
東日本大震災のときも点検をやりましたが、あのときは何も考えずに用地測量成果に対しての点検を行っていました。
ですが用地測量成果に対する公差だと制限が緩すぎるので、そんなのでいいのか心配になってしまいました。

現地は平坦地で地割れなど見られませんので、局所的な変動はなさそうです。
今回は範囲が狭いので基準点、境界全点測って資料を作りたいと思います。
ありがとうございました。


風来坊 投稿日:2024年02月16日 22:34 No.3514
用地測量がなされた土地が座標補正パラメータが公表された地域であれば、過去の例では点検測量は不要となります。
「なやめる測量士」さんが調査士であれば、近々法務省から地震前の測量成果の取り扱いについての通達がなされますので連合会からの通知をお待ちください。


北海道調査士 投稿日:2024年02月19日 08:31 No.3515
経験が無いのですが、地震直後に現地で電子基準点を与点とするGNSS観測を行った場合、既に地殻変動量後の座標値が得られるものでしょうか(電子基準点は常に地殻変動を把握し補正しているから?それとも電子基準点の座標が補正されるのは年に一度の様に決められたタイミングで行われている?)

仮に、地殻変動後の座標値が得られるのであれば、既知座標との座標差は地殻変動のそれと近似値になる筈でスライド量の目安となると思います。

補正パラメータが公表される前であれば、現地の与点を使用し観測したら部分的には同一方向への地殻変動ですので既知座標と概ね一致してくると思いますが、それは地殻変動前の座標値を使用しているからであって、現在(地殻変動でズレた)の座標値とは著しく相違しますよね。

結局は座標値はさておき、現在の座標でスライドするなり地殻変動前の座標値であれ、現地の石標が相対的に整合しているのであればいいですよということですよね。

私でしたら、VRSかスタティックで与点を作成し、地殻変動前の座標値との移動量を確認します。その移動量が生じているかどうかを確認したうえでその座標差が公差内であるかも確認したうえでスライドを検討し、スライドした場合はスライド後の石標と成果の座標差の公差も確認します。

結局、石標が相対的に整合しているのであれば問題はないと思います。
あとは座標をどうするかをお上が考えて公表しますのでそれに従います。


北海道調査士 投稿日:2024年02月19日 08:36 No.3516
大きな地震が発生し、地殻変動が基準点成果に影響をもたらす場合、電子基準点の座標取扱いについて、通信業者等に問い合わせて確認してみます。

現地で与点をGNSSで観測したらすぐに分かるのですが、、、

確かセミダイナミック補正では、電子基準点の成果変えは1年に一度と伺った記憶があります。なので、補正前と補正後では約1年の地殻変動量の数㎝の差異が生じると。

大きな地震の場合はどうなんでしょうか、いつ電子基準点の成果が変更されるのか


みら 投稿日:2024年02月19日 12:22 No.3517
電子基準点の成果は測地成果2011(元期座標)と日々の座標(今期座標)の2種類あると思いますが、公共測量(役所の用地測量等)では、最終的に測地成果2011を使います。

セミダイナミック補正のパラメータは年1回更新で、三次元網平均には最新のものを使用しますが、あくまで三次元網平均は、既知点元期座標から今期座標に補正してから(セミダイナミック補正で2011→現在の年度)網平均を行ない、網平均結果の新点を今期から元期に戻して成果としています。

現在のセミダイナミック補正量(パラメータ量)は、おおよそ数十センチになっていると思いますが、あくまで元期2011に戻した座標が成果です。

大地震の補正は、セミダイナミック補正は全く異なります。パッチJGDで局所のパラメータ(地震毎の)を使って補正します。セミダイナミック補正やジオイド補正と同じく最寄りのパラメータ4点から補間計算します。作業既定の準則の計算式集参照


みら 投稿日:2024年02月19日 12:34 No.3518
訂正します

日々の座標(今期座標)→日々の座標(今日の座標)

今期座標は、1年に1回の決められた日の座標(セミダイナミック補正の基準日)になるかと思います。

パッチJGD(大地震の局所補正)の補正と、セミダイナミック補正(定量的な地殻変動補正)は混同しやすいので注意したいですね。


北海道調査士 投稿日:2024年02月19日 16:40 No.3519
みらさん、有難う御座います。

当方でも以前に配信事業者に問い合わせた際に疑義があったので、これを機会に調べてみます。

詳しくご説明頂きまして有難う御座います。


悩める測量士 投稿日:2024年02月19日 23:52 No.3520
風来坊さん
レス遅くなりました
当地はパラメータが公表された地域です。
点検不要なのですか。

今回はパラメータが公表されたばかりなのでまだ通知は出ないですね。
そろそろ現地作業しようと思ってましたが、月末くらいまで待ってみることにします。
なお私 調査士ではないので、この手の情報入手がワンテンポ遅いです・・・



北海道調査士さん
成果の座標値を変えることはできませんので、基準点と筆界点の位置関係のみ点検する予定です
(基準点はGNSS観測とTS観測併用ですが点検はTSのみ)


風来坊 投稿日:2024年02月20日 22:47 No.3521
>電子基準点の成果変えは1年に一度
電子基準点成果の改定は今回の地震のような大規模な地殻変動があった場合に行われます。
1年に1回改定されるのはセミダイナミック補正のパラメータ(地殻変動補正パラメータ)です。
誤解があるのかもしれませんがセミダイナミック補正は、電子基準点の元期の座標を地殻変動補正パラメータにより今期の座標に変換し、その座標を以て得られた新点の今期座標を元期に戻すものです。
つまり現在の観測で得られた座標をあたかも元期に観測したように見せる方法です。
また、電子基準点の座標を今期の座標に変換する方法とPatchJGDによる変換方法はともにバイリニア法により行います。
大きな違いは変換パラメータの密度で地殻変動補正パラメータが5キロメッシュ(たぶん)であるのに対し、PatchJGDは1キロメッシュ(あるいはもっと狭い場合も)です。
メッシュが小さいほど細かい補正ができます。この場合のメッシュは「標準地域メッシュ」のことです。


まだまだ新人 投稿日:2024年02月20日 23:14 No.3522
現在進行形で地殻変動していると思いますが、2024年2月15に公開した令和6年能登半島地震の座標補正パラメータファイル(ver.1.0.1)を使ってやらないといけないということでしょうか?

みら 投稿日:2024年02月21日 00:19 No.3523
>地殻変動補正パラメータが5キロメッシュ(たぶん)であるのに対し、PatchJGDは1キロメッシュ(あるいはもっと狭い場合も)です。

前にPatchJGDと同様なものをエクセルで作っていましたので、今回、地理院の能登地震のパラメータをDLLしてエクセルにコピーしてから計算してみました。私の地域は長野県東信でパラメータの端(補正量0地点)ですが、ほぼ10キロ四方の対角線上に能登地方に近づくに伴い1cmづつ大きくなりました。

これによりPatchJGDを使うと大地震で動いてしまった基準点(測地成果2011)を、正しい測地成果2011に変換しているようです。

上記エクセルと別途作成したセミダイナミック補正エクセルでメッシュの大きさを確認したところ、セミダイナミック補正は経度150秒、緯度225秒で平均≒5.8kmです(3次メッシュの5倍)。PatchJGDは経度30秒、緯度45秒で平均≒1.2kmです(3次メッシュ)。

電子基準点の公開が再開されたところは、地震で間違った測地成果2011を正しい2011に変更したと思われます。(多分、電子基準点は地震後のダイナミックな座標を求めてから、セミダイナミック補正で逆補正し、正しい測地成果2011に変換したと思います)

能登地震のパラメータ影響範囲は、電子基準点以外の基準点は改測(パラメータで対応不可な地域)又はPatchJGDの補正が必要になると思います。


北海道調査士 投稿日:2024年02月21日 08:02 No.3524
現地に残っている基準点を使用する際にはパッチが公表されていればパッチをかけて使用するのは分かっているのですが、それとは別に、

地震後に、現地でネットワーク型RTK測量にて単点観測を行った場合、得られる座標値は地殻変動の補正がされている座標値なのでしょうか。

ネットワーク型RTK測量にて与点としている電子基準点の成果はどの様な頻度で更新されているのでしょうか。

パッチを掛けたときと整合した成果が得られるのか。


以前に通信業者に聞いたときは、地震が起きても常に最新の成果(電子基準点)から計算するので、スタティック観測と同様の成果が得られると言っておりました。


初歩的なことで申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。


風来坊 投稿日:2024年02月21日 08:39 No.3525
>得られる座標値は地殻変動の補正がされている座標値なのでしょうか
配信業者ジェノバに関しては以下を参照してください。
https://www.jenoba.jp/technical/gnss05/

>ネットワーク型RTK測量にて与点としている電子基準点の成果
上記サイトの記述からは公表されている成果(日々の座標でなく)を使用しているものと思われます。

>パッチを掛けたときと整合した成果が得られるのか
PatchJGDのパラメータは適用範囲内の一部の三角点等を改測または改算に基づき作成されていますので当然誤差が含まれます。
TKY2JGDと同様にその差の分だけ誤差が生じます。


北海道調査士 投稿日:2024年02月21日 16:28 No.3526
風来坊様 ご回答有難う御座います。

今日は終日現場作業しておりましたが、最高気温が-3°程で風も強く寒かったです。

境界標を探そうにも雪氷の下、越境物の確認をしようにも雪氷の下、、、

こんな罰ゲームの様な作業もあと一か月の辛抱です。

あと一か月の辛抱なのに待ちきれなくなった業者さんからわんさか測量の依頼がやってきます。ちょっと早いですがロケットスタートで今年も頑張ります。

今日、某配信業者の技術者の方から連絡頂き色々と教えて頂きましたが、私が思っていたよりも複雑で簡単な仕組みではありませんでした。

今後も継続して調べていきます、すぐには理解できそうにありませんでした。


北海道調査士 投稿日:2024年02月21日 16:37 No.3527
電子基準点の座標の取扱いについていまいちというか全く理解できていないのですが、

スタティック観測で観測データの解析や計算をする場合は電子基準点の成果を使用するのですよね?

そこで使用する電子基準点の座標値(今期座標)はどの程度の頻度で更新されているものなのでしょうか。


風来坊 投稿日:2024年02月21日 18:01 No.3528
>スタティック観測で観測データの解析や計算をする場合は電子基準点の成果を使用するのですよね?
スタティック測量に限らずネットワーク型RTK測量でも使用されます。

>そこで使用する電子基準点の座標値(今期座標)はどの程度の頻度で更新されているものなのでしょうか。
電子基準点の成果は元期の座標です。
ちなみに元期は東日本大震災に伴う成果改定地域では2011年5月24日で、それ以外の地域では1997年1月1日です。
電子基準点の成果は地震により移動した場合に改定されます。
今回の能登半島地震でも改定されています。
元期以後改定されていない電子基準点は、今後セミダイナミック補正では正しい結果が得られなくなった場合には改定されるでしょう。




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