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10/30 海上自衛隊掃海艇『やくしま』一般公開@唐津東港
でんすけ 投稿日:2022年10月30日 23:08 No.15882
 げんかいさん、みなさんこんばんは。
 10月30日に秋の晴天の佐賀県唐津東港において、海上自衛隊掃海隊群第2掃海隊所属の掃海艇『やくしま』の一般公開が実施されました。
 掃海艇『やくしま』(MSC-602)は、平成17年度計画「掃海艇394号艇」としてUSC京浜事業所で建造され、2009年3月6日に就役し、掃海隊群第2掃海隊に編入後は以後一貫して佐世保に配備され続けられています。


でんすけ 投稿日:2022年10月30日 23:19 No.15883
 船首甲板に「JM61-M 20mm多銃身機銃」が設置されていて、浮流機雷や係維掃海により浮揚した機雷処分用として装備されています。
 米軍の「M61バルカン」の人力操砲式の艦載版で発射速度を毎分450-500発に落とし、薬莢を回収する容器を取り付けられるように改良されています。案内の方曰く「揺れる海上で狙って当てるのは近距離でないと……」とのこと。


でんすけ 投稿日:2022年10月30日 23:31 No.15884
 掃海艇の大前提として磁気感応機雷に反応しないように「艇体が非磁性化」されている必要があります。そのため鉄製品であってもその実は特殊な非磁性鋼が用いられるか、消磁処理が施されています。
 通路には防水などに使用すると思われる角材が架装されているところは、一般商船とは違ったところです。


でんすけ 投稿日:2022年10月30日 23:40 No.15885
 自衛艦の特別装備の一つとして、信号旗箱があります。艦艇の場合は無線封鎖の場合や細かい陣形運動など、無線よりも的確な指示手段として用いられるとのことです。
 今回は『WELCOME』と掲揚されていました。


でんすけ 投稿日:2022年10月30日 23:44 No.15886
 艦橋内も見学させてもらえました。

でんすけ 投稿日:2022年10月31日 00:02 No.15887
 機関用コンソールは電源系統用と主機用の2基が並んで設置されています。
 本艇の機関構成は主機として『三菱6NMUディーゼルエンジン』2基と補助電動機2基によるCODOE(Combined Diesel or Electric:ディーゼル・電気複合)方式とされています。
 そして電源系統は統合化電源方式が採用されており、磁気掃海時の電源とその他装備の電源を統一して主発電機(S6Y-NMS2T×4基)から各部に給電できるようになっています。発電機・電動機の出力も向上されています。
 この推進方式の強化により、前型『すがしま』型では掃討時に限られた電気推進を、掃海時(掃海具曳航時)にも使用できるようになりました。


でんすけ 投稿日:2022年10月31日 00:09 No.15888
操舵スタンドも民間船のように液晶パネルを用いたコンパスレピーターが装備されていました。方位と共に舵角も表示されています。
 ECDISに類似した機器も装備されています。


でんすけ 投稿日:2022年10月31日 00:22 No.15889
 本船の主装備のひとつ『S-10水中航走式機雷掃討具(04式機雷掃討システム)』水中航走体。
 機雷を探して掃討するために開発された国産のシステムで、機雷処分具と自航式可変深度ソナーを兼用できる世界初のシステム。
 航走体中央両舷下部に機雷処分用爆雷を装備することができ、爆雷は掃海艇に保管用のラックが設置されています。

 機雷の高性能化・深深度化や、ソ連の「PMT-1」や米国の「CAPTOR」(小型の誘導魚雷を収容したカプセルを機雷として敷設する)をはじめとしたホーミング機雷が出現してきたため、その攻撃範囲の外からの探知・類別・処分を実施するために、対処が困難になりつつある機雷掃海を補完するこの機雷掃討の必要性が高まってきています。


でんすけ 投稿日:2022年10月31日 00:38 No.15890
 水中処分員(EOD)のための再圧タンク。潜水作業による減圧症の防止のために定員2名のものが設置されています。

でんすけ 投稿日:2022年10月31日 00:54 No.15891
 係維掃海具の関連設備。掃海索(ワイヤ)を曳航して海底の機雷の係維索を引っ掛け、掃海索に取り付けたカッターで係維索を切断して機雷を浮上させて処分するもの。本艇のものは切断器が超硬歯型カッターから爆破型カッターへと更新されています。
 第1次大戦から現在まで掃海作業のイメージの基本といえる方法です。


でんすけ 投稿日:2022年10月31日 01:09 No.15892
 感応掃海具の関連設備。近年進化が著しい感応機雷に対応する掃海具で、従来の磁気掃海具と音響掃海具を統合した『感応掃海具1型』が搭載されています。
 感応機雷は、標的の機関音や航走音などの「音」と船体の「磁気」を感知して起爆する機雷でこれらを処分するために疑似信号を発信して機雷に誤認させて起爆させて処理するのが感応掃海具の仕事となります。
 その信号モードとしては、従来通りのMSM(マイン・セッティング・モード: 機雷の調定感度等を推定して、それに適合させた信号を流す)に加えて、TEM(ターゲット・エミュレーション・モード: 艦船の磁気・音響シグネチャーを模倣した信号を流す)が新たに実装されています。


げんかい(管理人) 投稿日:2022年10月31日 17:40 No.15901
こんばんは。
コロナで中止されていた一般公開も再開され始めたのですね。応募者が多すぎるからか、基地をのぞくと東京湾ではあまり開催されないのが寂しいです。
掃海艇は小型なので捜索など汎用的にも使える船のようですね。


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