ジョージ・セル談話室
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64年セルコンセルトヘボウ管のシベリウス2番ライブを聴いて
ノルアドレナリン
投稿日:2023年05月24日 18:58
No.578
常連の浅野氏から64年にコンセルトヘボウ管と演奏した
シベリウス交響曲2番のライブをもらって聴くことが出来ました。
当時欧州の放送局は仏放送以外モノラルが多く、同時期のフルニエとの
ドン・キホーテはモノなので当然こちらもモノだと推測しながら
再生してみたところ、何とステレオで驚きました。
といっても65年のクリーブランド管とのコンセルトヘボウライブもステレオなので意外ではないのですが、この頃からオランダではステレオ中継も混在するようになってきたのかと考えます。
さて演奏の方、一言で言うと物凄くテンションが高く、血の気が多すぎて北欧の
シベリウスが解けてしまっているのでフィリップスに録音した同曲と随分違います。
筋肉質的で金管に強いアクセントを打ち込み前へ前へと進みます。勿論第2楽章は抒情的に推移していますが打ち込みは強いものです。
また終楽章はフィナーレに向かってじわじわと盛り上がって壮大な勝利を確信するかの如きクライマックスを築きます。
まるで今現在のロシアに対するウクライナ国民の心情を反映しているかのようす。
勿論そんな事はないのですが聴いてるこちらが勝手にイメージしてしまうような演奏とも言えます。
聴き終えた後、充実した時間を持てた事を浅野氏に感謝です。
結論としてこれはシベリウスを聴くと言うよりセルの心技共に充実期にあった
彼の眼光紙背に徹する厳しく強い表現意欲が優先された演奏で
日頃クリーブランド管で優先されるアンサンブルはコンセルトヘボウ管に任されているようです。
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