ジョージ・セル談話室


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Szellの初期のステレオ録音の会場について
浅野修 投稿日:2023年01月14日 10:28 No.521
Szellの初期のステレオ録音の会場について、例えば、[CD21]の「英雄」ですが、初期のCDからずっと”Severance Hall”と記載されていて、何の疑いもなく信じていました。ある時、[CD23]の「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」と「ドン・ファン」が”Masonic Auditrium”だと知りました。これはロマン派の曲だからここで録音したのかなと思っていました。
ところが、COLUMBIA 106CDを買ったら、[CD24]のハイドン交響曲第97番”Severance Hall”以外の初期ステレオ録音は”Masonic Auditrium”が会場と判明して、ヘッドフォン再生で注意して聴くと、残響が長いことが分りました。
Szellの伝記によれば、1958年の夏、パイプオルガンを壁に埋め込む改修工事が行われ本当にデッドなホールとなって(推測含む)、改修後の最初の録音が[CD29]ドヴォルザーク交響曲第8番とのことで、以降は”Severance Hall”の録音となったようです。
[CD24]のハイドン交響曲第97番は、改修前の”Severance Hall”の唯一のステレオ録音なのかもしれません。(モノラル録音は多数有るようです。)
改修後の”Severance Hall”での録音は、Szellの目指した音楽がサウンドとしてハッキリ聴こえてきて、Cleveland Orchestraの凄さはすごく分かるのですが、余りにも完璧すぎてどこか堅苦しさを感じる事も有ります。
人それぞれ好みもあり感じ方は異なると思いますが、サウンド的に残響が適度に有るホールでの録音の方が私には聴きやすく安心感が有ります。
Live録音には、コンセルトヘボウ・ホールやボストン・シンフォニー・ホール等有りますので、また次回にスレしようと思います。

「参考まとめ」

録音会場データ
[CD21]
ベートーヴェン交響曲第3番変ホ長調Op.55「英雄」
[録音]1957年2月22-23日 Masonic Auditrium
[CD20]
ブラームス交響曲第1番ハ短調Op.68
[録音]1957年3月1-2日 Masonic Auditrium
[CD23]
R.シュトラウス交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」Op.28
R.シュトラウス交響詩「ドン・ファン」Op.20
R.シュトラウス交響詩「死と変容」Op.24
[録音]1957年3月29日  Masonic Auditrium
[CD24]
ハイドン交響曲第97番ハ長調  Severance Hall
ハイドン交響曲第99番変ホ長調 Masonic Auditrium
[録音]1957年10月25-26日 
[CD22]
シューベルト交響曲第9番ハ長調D.944「グレート」
[録音]1957年11月1日  Masonic Auditrium
[CD27]
ブラームスピアノ協奏曲第1番ニ短調Op.15
~ レオン・フライシャー(ピアノ)、
[録音]1958年2月21-22日 記載なし(Masonic Auditrium)
[CD26]
チャイコフスキーイタリア奇想曲Op.45
ボロディンだったん人の踊り
R=コルサコフスペイン奇想曲Op.34
ムソルグスキー歌劇『ホヴァンシチナ』より前奏曲「モスクワ河の夜明け」
[録音]1958年2月28日、3月1日 記載なし(Masonic Auditrium)
[CD28]
J.シュトラウスII喜歌劇「こうもり」序曲[録音]1958年3月1日
オーベール歌劇「フラ・ディアヴォロ」序曲[録音]1957年11月2日
モーツァルト歌劇「フィガロの結婚」序曲[録音]1957年10月25日
スメタナ歌劇「売られた花嫁」序曲[録音]1958年3月15日
ロッシーニ歌劇「どろぼうかささぎ」序曲[録音]1958年3月15日
ベルリオーズ序曲「ローマの謝肉祭」[録音]1958年3月15日

記載なし(Masonic Auditrium)
モーツァルト歌劇「劇場支配人」序曲[録音]1966年1月28-29日

シーズンオフに改修工事行われる。

[CD29]
ドヴォルザーク交響曲第8番ト長調Op.88
[録音]1958年10月25,31日、11月1日 Severance Hall
[CD30]
ウォルトン管弦楽のためのパルティータ
[録音]1959年1月21日 Severance Hall
マーラー『交響曲第10番嬰ヘ短調』よりアダージョ(クルシェネク版)
マーラー『交響曲第10番嬰ヘ短調』よりプルガトリオ(クルシェネク版)
[録音]1958年11月1日 Severance Hall

失礼しました。


やっぱりセルが好き! 投稿日:2023年01月16日 03:56 No.524
セルが亡くなった後、後任となったマゼールとCOの最初の録音は72年Prokofievのバレエ音楽
「ロミオとジュリエット」(全曲)
優秀録音で有名なレコードですが、初めてClevelandにやって来たDECCAの録音チームが、
Severannce Hallを嫌いMasonic Auditriumを使用した事が知られています。

DECCAはステレオ録音初期の頃、ステレオ効果を強調する為に意図的に音が左右に広がる様な
マイクセッティングをした様です。

70年代ステレオ録音技術は当然完成の域に達していた訳ですが、DECCA録音チームにとってはマイクセッティング等でSeverannce Hallよりも
Masonic Auditriumの方が好ましかったのでしょうか。

所謂【ホールトーン】はオケの特色にも非常に強い影響を与えますので興味深いですね。

セルが得意としていた「グレイト」正規録音2種以外にも幾つかLive録音が残っていますが、
私が最も好きななのは65年欧州ツアー時のコンセルトヘボウでの録音です。

コンセルトヘボウの暖かくふくよかなホールトーンと曲の広がりが上手くマッチして、
素晴らしい名演になっています。

セルがオケと共にこのホールを愛した理由を少し解った様な気にさせてくれる録音です。


浅野修 投稿日:2023年01月16日 07:50 No.525
やっぱりセルが好き!様、こんにちは。

DECCAのステレオ録音の私の印象は、個々の楽器の音を、まるでそれそれに専用マイクを使って掬い取ったかのような音を、楽器の各々の位置に定位させ、音場を作り出したように感じていました。演奏会の客席で聴こえてくるようなサウンドでなく、ステレオで聴くと指揮者の位置で響いている様な素晴らしい音がする完璧なバランスでした。
DECCAのステレオ録音を非常に好きな自分と、コンサート会場ではこんな音はしないなと思う別の自分がいました。

Szellの「グレイト」について先を越されましたが、スタジオ録音とLIVE録音を含め、まとめたスレを書こうと思っております。
やっぱりセルが好き!様と同じくコンセルトヘボウでの録音が好きですが、57年のMasonic Auditriumでの録音も甲乙つけがたいです。

また、
[CD24]
ハイドン交響曲第97番ハ長調  Severance Hall
ハイドン交響曲第99番変ホ長調 Masonic Auditrium
[録音]1957年10月25-26日
の改修前のSeverance HallとMasonic Auditriumの印象もレスして頂けると有難いです。

失礼しました。




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