ジョージ・セル談話室


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プラハのための音楽1968
ぜん 投稿日:2022年07月23日 21:54 No.190
皆さん、こんばんは。

もうすでに既出の話かもしれませんが、プラハ生まれでアメリカで活動した作曲家に
カレル・フサ(1921-2016)という方がいました。
この方が書いた楽曲に、「プラハのための音楽1968」という作品があります。

私は高校時代に吹奏楽部に所属し、ホルンを吹いていました。
上記の作品は、その頃に知りました。

この作品は、吹奏楽曲です(難曲で、演奏するチャンスに巡り合わなかったですが)。
曲名から想像できる通り、1968年にチェコスロヴァキアで始まった「プラハの春」と
呼ばれるチェコ事件を題材にし、その感情を音楽で表現した作品です。

この作品は吹奏楽曲と書きましたが、実はオーケストラ版もあります。
フサにオーケストラ版を書かせた人、それがセル氏です。
この作品は、そうしたいきさつで、セル氏と繋がっています。

ウィキペディアによると、この作品のオリジナルの吹奏楽版は、1969年1月31日に
初演されたとあります。
そして、同年にオーケストラ版が書かれ、オーケストラ版は1970年1月に、作曲者の
指揮により、ミュンヘン・フィルの演奏で初演されたそうです。

セル氏の委嘱により書かれたオーケストラ版、セル氏がもう少し長く生きていて
くださったら、きっと演奏し、録音も残されたことでしょう。
残念でなりません...。

ちなみに、この作品の録音で有名な指揮者のものでは、エサ=ペッカ・サロネン氏と
ロス・フィルの演奏でしょうか。
終楽章のみYouTubeに上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=y6zh5GAdnqY

熱気のある素晴らしい演奏だと思います。

私の持っているディスクも、終楽章のみYouTubeに上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Hmv0bbbBpU4

トマーシュ・ブラウネル氏とプラハ交響楽団の演奏です。

サロネン氏の演奏は大変素晴らしいもので、最大の敬意を払いつつ、私個人的には、
ブラウネル氏の落ち着いていながらも、スコアが透けて見えるような精緻な演奏が
好みです。


孫弟子 投稿日:2022年07月25日 04:03 No.196
「"プラハ1968"のための音楽」はぜんさんと同じ理由でLPレコードの時代に買っで聴いたことがあります。当時は情報も少なくて、セルが指揮したことがあるのかと思っていました。そして当時は知りませんでしたがサロネンの演奏を聴いて、クライマックスに出てくる主題がスメタナの「わが祖国」の後半2曲で高らかに奏される愛国の主題であることが今判りました。

ぜん 投稿日:2022年07月25日 20:19 No.198
孫弟子様、こんばんは。

孫弟子様もレコードで購入され、聴かれたことがあるのですね。
評伝のレパートリーの欄にも、この作品はないので、セル氏は演奏されないまま、
逝かれたのではないかと思います。
でも、わざわざオーケストラ版を委嘱されたのですから、この作品に思いを感じ、きっと
ご自身で演奏するつもりだったと思います。
セル氏の演奏する「プラハのための音楽1968」、本当に聴きたかったです...。

確かに、この作品のクライマックスには、「我が祖国」のターボルとブラニークに
出てくるフス教徒の讃美歌「汝ら、神とその法の戦士たち」が引用されていますね。
「プラハの春」...当時のソ連率いるワルシャワ条約機構軍による軍事侵攻により、
全土を占領下におかれたチェコスロヴァキア。
それを描いたこの作品にフサが込めた思い。
このフス教徒の讃美歌の引用は、その思いを本当に強く表していると感じます。

サロネン氏とロス・フィルの演奏は、上手いし、熱気が凄いですね。
きっと、セル氏が演奏していたら、もっと熱い演奏が聴けたのではないかと、想像して
います。
...返す返すも、残念です、本当に聴きたかったです。




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