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そもそも、なぜ蔓延したのか? これからどうなるのか ー 新型コロナのエビデンスより ー(2) ( No.3686 )
日時: 2022年10月31日 11:05
名前: はっちん [ 返信 ]
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『そもそも、なぜ蔓延したのか? これからどうなるのか ー 新型コロナのエビデンスより ー』⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page2324
   
   
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Re: そもそも、なぜ蔓延したのか? これからどうなるのか ー 新型コロナのエビデンスより ー(2) ( No.3688 )
日時: 2022年10月31日 11:09
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/

岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)

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(2022.10.31)
Q インフルエンザとコロナの同時流行をどう考える?

 「今年はインフルエンザの大流行が考えられ、感染する人が両方合わせて△△万人と想定される。だから、もっとワクチン接種を!」と、脅迫めいた報道が繰り返されています。本当でしょうか?

報道の根拠は、今年、南半球でインフルエンザが大流行したから、ということのようです。南半球の冬に流行したインフルエンザ・ウイルスが、旅行者によって北半球に持ち込まれる、という説明は、すでに当ホームページでも報告したとおりで(Q17-第6回)、この点は正解です。
(※:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page2324#3142 )

オーストラリア政府の公式発表によれば、まず同国での過去5年間のデータに比べると、感染した人は多かったが、重症化した人は、むしろ少なくなっていた、とのことです。しかし過去5年間のうち、2年間はコロナ禍の真っ最中でインフルエンザの流行はありませんでしたから、それと比べて「今年は多かった」とする解釈は間違っています。

ある米国の専門家は、「コロナ禍によりインフルエンザが流行せず、人々に自然免疫がつかなかった。かつコロナに対する感染予防もずさんになってきているので、この冬は、大変なことになる」と述べていました。ただし、これは1年前の話で、大変なことにならなかったのは、ご存知のとおりです。

2021~2022年のシーズン、米国でインフルエンザの小規模な流行があり、A香港型と呼ばれるタイプによるものでした。インフルエンザ・ウイルスにも、トゲトゲ蛋白のような構造物があり、その変異の組合せで呼び名が決められるため、香港型はH3N2が正式名です。米国での流行は、だらだらと続き、数千人が重症化して入院したと報じられていました。従来では、ありえない流行パターンでした。

コロナに対する予防策をまったく講じていなかった国でも、インフルエンザは流行しなかったという事実もあり、よくわからないことばかりなのです。長年、インフルエンザ・ウイルスの追跡調査を行なってきた専門家は、「ウイルスの行動は予測不能」とコメントしています。別の専門家は「インフルエンザ・ウイルスはファンキーだ」と言ったとか。ファンキーは、「かっこいい」ではなく、「汚い奴」というのが元の意味です。

さてコロナとインフルエンザが一緒に流行することがあるのか、考えてみましょう。

2022年の初め、インフルエンザが影を潜めた頃にオミクロン株が出てきたことから、両者には互いに反発する力が働くのではないか、とする説が現れ、SNS上で話題になっています。しかし、本当にそんなことがあるのか、あるとすればなぜか、など真相はまったく不明です。

2つの感染症に対する賢明な態度は、流行がどうあれ「予防する方法」と「罹ってしまったらどうずるか」をまとめておくことに尽きます。

幸い、南半球で流行したウイルスはH3N2型で、以前から日本で製造されてきたワクチンにもその抗原が含まれているため、大丈夫ということになります。ただし、その有効率は2019年の調査で39パーセントしかありませんでした。かつ高齢者ほど効き目が悪いのは、どのワクチンでも同じことです。

かりに有効であったとしても、注射の1ヵ月後から効き始めて、せいぜい2~3ヵ月の間です。10月に接種を済ませた人は、流行期には、すでに効力が切れていることになります。

インフルエンザは、コロナに対する感染予防対策でほぼ抑え込むことができました。つまり、感染対策の手を抜かないことが、インフルエンザ予防の原則なのです(私は、ずっと昔から、インフルエンザ・シーズンになるとマスクを2重に着けて外出していました)。

では、かりに両者が同時に流行したとして、発熱などの症状があったら、どうすればいいのでしょうか。それぞれに抗原検査法がありますので、医療機関を受診して両方の検査を受ければ、診断は確定します。

そこで理解しておきたいのは、当ホームページで繰り返し述べてきたように、どちらであっても、症状と治療がほぼ同じだということです。

インフルエンザには「タミフル」という特効薬(?)があります。しかし重症化を防ぐ効果はいっさいなく、ただ症状を17時間(約半日)短かくできるだけの薬であることが証明されています。副作用で肝臓を悪くする人もいます。つまり、あえて服用する必要もない薬なのです。一方、新型コロナのほうも、安心して使える薬は、今のところありません。

高熱があって辛いとき、無理して医療機関に行っても体力を消耗し、かつ混みあう待合室で別の感染症を移されてしまうだけです。このように考えてくると、医療機関に行って検査を受ける意味はなく、解熱剤(アセトアミノフェン)を使い、十分な水分と果物をとりながら自宅で静養を続けるのが、もっとも賢明な対応ということになります。

【参考文献】
1) Australian influenza surveilance report. Australian Government Department of Health and Aged Care, Oct 9, 2022.
2) Rubin R, The dreaded twindemic of influenza and Covid-19 has not yet materialized - might this be the year? JAMA, Oct 18, 2022.
3) Butler D, Tamiflu report comes under fire. Nature, Apr 24, 2021.
4) Ali ST, et al., Prediction of upcoming global infection burden of influenza seasons after relaxation of public health and social measures during the COVID-19 pandemic: a modeling study. Lancet, Nov, 2022.
   
   
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