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PCRの仕組みと重大な問題点 ー 新型コロナのエビデンスより ー ( No.2239 )
日時: 2021年08月27日 15:01
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/

岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)

 テレビでは語られない世界の最新情報を独自に分析し日々更新
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(2021.8.26)
Q17 PCRの利点と欠点は何か?

A コロナ感染対策の第一歩は、なんといってもPCRです。しかし、その意味が正しく理解されていないために、さまざまトラブルや悲劇が生じています。PCRの本質について理解を深めておかないと、自分が損をしてしまいます。

まず次【左】のアニメをご覧ください。おおよそのイメージをつかめるはずです。ややこしい話は嫌いだという方はスキップしても大丈夫です。
   
   
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Re: PCRの仕組みと重大な問題点 ー 新型コロナのエビデンスより ー ( No.2240 )
日時: 2021年08月27日 15:11
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス ⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ から


(2021.8.27)
NEW!
 ややこしい話がお嫌いな方は、このあとの「PCRで困ること」だけご参照ください。さてPCRでは、サンプルの中に、たとえばウイルスが1個あったとすると、それが1→2→4→8, …と倍々に増えていくことになります。もし10個あれば、10→20→40→80,…ですから、超微量な遺伝子でも楽々と測定できるようになるのです。

次の図【左】は、PCRの途中経過を示したグラフです。横軸はコピーの回数、縦軸は光の強さ、つまりコピーで増えた遺伝子の個数です。5つのサンプルを同時に測定したもので、一番右端(緑色)のグラフは、なかなか増えていませんから、元々のサンプル中に遺伝子が少なかったことがわかります。ただしこのグラフは、コロナと関係なく昔、私が行った実験データです。

PCRでもっとも大切なポイントは、【前頁】アニメ( https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/rt-pcr.gif )の中でピンク色とオレンジ色で示した人工のDNA断片です。「プライマー(最初という意味)」と呼ばれるものです。唾液などのサンプル中には、雑菌もうようよいます。ときにはインフルエンザ・ウイルスなどもいるかもしれません。それらを区別するのがプライマーの仕事です。

これは、新型コロナにしか存在しない遺伝子情報をコンピュータで探し出し、その中から必要最小限の長さのDNAを人工合成したものです。地球上のあらゆる生命体の遺伝子情報が、共同利用可能なコンピュータに登録されているため、そのような検索が簡単にできてしまうのです。私自身もいろいろなプライマーを作ってきましたが、と言っても、種を明かせばインターネットで注文するだけで作ってくれる会社が世界中にあるのです。

繰り返しますが、プライマーの定義は「唯一無二」であることです。したがって理論上は、PCRが間違った結果を出すことはありえません。ただし分析条件の調整が非常に難しく、さまざまな民間企業が検査を請け負うようになったいま、若干の不安は残ります。


PCRで困ること
 さてPCRは、理論的には完璧と言ってよい方法なのですが、応用する上で重大な問題点が2つあります。ひとつは、唾液などのサンプルがうまく取れず、たまたまコロナウイルスが入っていなければ、感染者であっても誤って陰性と判断されてしまうことです。海外での調査によれば、その割合は4割にも昇るとされています。つまり見落としですね。

もうひとつは、ウイルスが死滅して、ばらばらになったあとでも、プライマーが結合する遺伝子断片が残っていれば、陽性になってしまうことです。昨年の春、感染者の退院を許可する基準が国際的に統一されました。たとえば無症状の人は、「サンプル採取日から10日経てば退院可」となります。PCR陰性が退院の条件ではなくなったのです。

コロナウイルスの断片がいつまでも体内に残ることがあるため、PCR陰性を条件にしてしまうといつまでも退院できず、いつまでも自宅待機が強制されることになってしまいます。いま日本では、保健所がPCRを重視するあまり、自宅待機の期間が不必要に長くなっていて、悲劇が家族をおそっています。
   
【参考文献】
1) Wang W, et al., Detection of SARS-CoV-2 in different types of clinical specimens. JAMA, Mar 11, 2020.
2) Wyllie AL, et al., Saliva or nasopharyngeal swab specimens for detection of SARS-CoV-2. N Engl J Med, Aug 28, 2020.


Re: PCRの仕組みと重大な問題点 ー 新型コロナのエビデンスより ー ( No.2403 )
日時: 2021年10月02日 14:54
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス ⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ から


(2021.10.2)
NEW!
唾液によるPCRは大丈夫?
 今年の5月、あるネット新聞に、「プロ野球選手のつば吐き禁止すべし」というタイトルの記事を投稿しました。唾液には新型コロナウイルスが高濃度に存在しているため、つばを吐くと球場が汚染されるという内容でした。

反響はまったくなかったのですが、当時、その根拠となる研究論文が発表されたばかりでした。つまりPCR検査をする際、綿棒を使って鼻腔からサンプルをとる方法と、唾液をサンプルにする方法を比べたところ、唾液の方が陽性になる割合が少しだけ高く、有効だという結果を報じたものでした。

しかしその後、9月21日になって、このデータを打ち消すような研究成果が発表されました。評価の方法が優れ、対象数も圧倒的に多いことから、こちらの研究に軍配を上げ、結論を訂正することにします。

対象となったのは、家庭内感染があった家族404人でした。各家庭で1人目の感染が判明した日から、毎週1回ずつ1か月以上にわたり、家族全員のPCR検査を続けました。その際、鼻腔から採取したサンプルと唾液の両方をセットにして、比較・検証が行われたのです。

最終的にわかったのは以下の3点で、唾液は「感染者が本当に陽性と判定される割合(感度)」がかなり低いという結果でした。
 ・症状がある人は、感染後1週間以内に限り、感度は鼻腔サンプルとほぼ同じ
 ・感染から1週間すぎると、感度は大幅に低下する
 ・無症状の人では、感度は鼻腔サンプルの6割以下になる

つまり、前の項で紹介した「抗原検査」のほうが優れているということです。もしかりに、政府が強引に「陰性証明」政策を推し進めるなら、簡便性の面も合わせ、抗原検査が適していることになります。

【参考文献】 1) Congrave-Wilson Z, et al., Change in saliva RT-PCR sn\ensitivity over the course of SARS-CoV-2 infaction. JAMA, Sep 21, 2021.

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【参照】
新型コロナのエビデンス/抗原検査を練習しておこう⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page2065#2335
   
   
   
Re: PCRの仕組みと重大な問題点 ー 新型コロナのエビデンスより ー ( No.2528 )
日時: 2021年11月08日 09:28
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス ⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ から


(2021.11.8)
NEW!
(2) インチキ検査法にご注意
 「中和抗体がズバリわかります」という宣伝文句で、さまざまな簡易検査法が登場しています。検査の希望者が殺到しているとのテレビ報道もありました。しかし「中和抗体」という言葉が流行語になり、それに便乗した怪しげな検査法も多いようです。

そもそも中和抗体とは何なのでしょうか? 文字どおりに解釈すれば、当ホームページQ7(6)のアニメ(画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ade.gif )で示したように、ウイルスの周囲にくっついて細胞への侵入を防いでくれるような抗体(免疫)のことです。しかしヒトの免疫システムは複雑ですから、以下のような問題を考える必要があります。
 1 抗体にもいろいろあり、すべてが感染を防いでくれるわけではない
 2 本当の中和抗体の測定には、生きた細胞や模擬ウイルスを用いる必要がある
 3 数値がいくつ以上であれば感染を予防できるのか、エビデンスがない
 4 免疫機能には、抗体だけでなく記憶細胞もかかわっている

米国では、一回分の検査費用が170ドル(約18,700円)とかなり高額なため、「富裕層の検査」とも揶揄されています。同国では、医師と患者とが1対1で年間契約を結び、待ち時間なく優先的に医療を受けられるという不思議な仕組みがあります。コンセルジュ・ドクターなどと呼ばれ、そんな医師たちがお金儲けのために行っているとも言われています。日本でもテレビのニュースで、あたかも朗報のように報じられました。

しかし、上で述べた4つの問題が解決されておらず、まったく無意味な検査なのです。このような検査を非難する論文が医学専門誌に掲載され、そのタイトルも「抗体検査はインチキ科学」でした。

誤った数値で「自分は免疫で守られている」との認識が広まり、マスクなしで出歩いたりするようになることが心配です。

【参考文献】
1) Abbasi J, The flawed science of antibody testing for SARS-CoV-2 immunity. JAMA, Oct 21, 2021.
2) Muruato AE, et al., A high-throughput neutralizing antibody assay for COVID-19 diagnosis and vaccine evaluation. Nat Commmun, 11: 4059, 2020.
3) Krueger A, Some rich people are counting their antibodies 'like calories'. New York Times, Sep 18, 2021.
   
   
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