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『帝国化する日本』長山 靖生(ちくま新書18/9)
愉しい本棚 投稿日:2018年10月17日 12:40 No.253
 ☆☆☆☆
 サブタイトル明治の教育スキャンダル
▶日清・日露戦争に勝利した日本は帝国化に向かうべく、また青年層の贅沢化と個人主義化への懸念を払拭するために、国民教育における愛国教育を推進した。それはやがて妄想レベルにまで進み、三つの象徴的事件―哲学館事件、南北朝正閏論争、進化論問題を引き起こす。これらのスキャンダルから、明治初頭の実学優先・合理主義の教育が教養・精神主義に転換し、国家と天皇の神聖化、帝国神話強化に向かうメカニズムを解読する。教育の右傾化が危惧される今こそ必読の一冊。
この本の目次

第1章 国民皆教育と教科書疑獄事件―国定教科書への道(功利的誘導と道徳の矛盾
教科書会社による贈賄疑惑 ほか)
第2章 哲学館事件―倫理学と国民道徳の分離(井上円了の教育事業
事件の経緯 ほか)
第3章 南北朝正閏論争―五人の天皇が消された教育事件(論争の歴史的経緯
政治問題化と世論の沸騰 ほか)
第4章 進化論と国家思想―イデオロギーと科学が対立する時(進化論の移入
加藤弘之―天賦人権から進化論的帝国へ ほか)
第5章 若旦那世代の欲望―贅沢化と日本回帰(享楽的な大正青年
幻想の故郷・日本への回帰 ほか)