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伊那下神社献詠
山人
投稿日:2012年02月18日 11:06
No.83
【Home】
昭和二十三年 献詠
月下越山
思ふとち語り合ひつゝ名にしおふ山もこえけり月の光りに
夜よしと尾の上をゆけは風きよみ荒もよふなる月の山路に
閑庭霜
庭の面の春まつ梅の○かれに花とみるまて霜のふかしも
わか宿の庭の千草の上にさくこころおきなく○ける霜かな
豊年
天つ日の恵みはひろく千町田に黄金のたり穂重くなひけり
雨風は糧にかなひて秋の田の色にしらるゝ○たきみのりを
熊谷直空
もののふの道をわかふみ身をすてゝ三法の道をきはめし君
くたけちる須磨の浦波はかなみて世をのかれけむあはれこの君
立志
かきりなく進みゆく世に何か一つまさはやなさむ人のつとめを
怠らすつとめはけめば後ついに立てし心のとげざやめやは
人の中の人となるべく心さし人たる道にまつしくらゆく
わけ登る麓のみちはこいしくもゆめのほりなむ富士の神山
祈平和
いさかひのなとあるへき我も人もおなし神の子神につかへて
天の下みなはらからと思ひつゝむつみあふ世を祈るなりける
千萬の国の親しみいやか上に誓ふ心を神やうくらむ
四方の国むつみ和みて永遠に足り栄ゆく神にいのらむ
天の下遠近人もなへてみなむつみあひつゝ千代を経なまし
天地も人の心もなこみつゝたひらけき世をとはにこひのむ
うつし世に喪なく事なく人みなのなこみあふ世を神にこひのむ
人みなの心さやけくむつみあふ日をこそ祈れ神のみ前に
暮村落葉
山里のくれゆく秋をさひしけに色さへあせてちる落葉かな
夕暮の山風寒く秋くれて軒の落葉お音もさひしき
入日さす片山里の木からしにつもるともなく散る落葉かな
雨はれし夕の空に風たちて落葉みたるゝ山本の里
夕月のかげすみなから落葉して音にしくるゝ山中の村
ふきおろす夕の風に山本の里の落葉はあまきらひつゝ
杣の屋の軒端の紅葉落葉する音もかそけくたそかれにけり
山の端に夕やけ雲に紅の色をふかめてちる紅葉なな
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