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伊那下神社献詠
山人 投稿日:2012年02月18日 09:22 No.82 【Home】
昭和二十二年  献詠

豊穣

かりとりて初穂ささけむ秋の田の神の守りにみのりゆたけみ

豊けくも見えこそわこれ千町田のみのりにみのる秋の八束穂

今年はやゆたかにみのるおくてかり神にささけてともに祝はむ

とぼしきをうれひし糧もこの秋は神のめぐみにみのり豊けし

老の身に初の田植をかこちしが穂にあらはれてみるめうれしな

めくまれし日和に田畑みのり良く国内よろこひ唄ふみ民等

みまつりのいとゝ賑はし里人ら唄ひつ舞ひつ豊年をほく

天地の太し恵みにゆたけくも里田小山田尺穂なみうつ

大神の恵みの露のおきそひて八束足穂になびく千町田

ところせく秋のみのりを積みあげて田つらの里は見るめ豊けし

豊の秋黄金なみよる風の無たたり穂のしね重くたれたり
神苑虫


しくれふり猪名の公孫樹もみちして雲によえる鈴虫の声

廣前にぬかつく時をみつ垣のむしの音すめてなつかしきかな

かはらさるみ苑にすたく虫の音もいよゝすみつゝまく音さひしき

大前にぬかつき居ればさわやかに虫もかなてる朝ほらけかな

大前の杜の下草つゆしけみひるもなくなる虫の声する

森ふかき神の廣前清らけくなく虫の音もいとし賑つし

廣前の虫きくをれはおのつから浮の世はなるゝ心地こそすれ

秋ふかみ夕月清く風さえてみやしろちかく鈴虫の啼く

つづらをり松の山みちわけゆきて落葉かくれの木の子ひろはむ


秋興

もみち葉は色をふかめて湯の里のゆあみなからのながめゆかしき

友を誘い秋の山ふみ狩り得たる茸を下物にくみかはす酒

御祭の神饌に供ふる子松たけさはにかり得てかへる楽しさ

七草の花咲く野辺にあくかれてうつし世のうさ一日わすれぬ

笑み落し栗をひろいて家苞の重きもうれしまつに思へは

えみかはす栗の木かけや萩かもとなかめも近し雪のふしの嶺

秋の山紅葉いろこしくれなゐにうれし木の実も更にうれしな

ともし火に集ひし虫のかけひそみいざふみ入らむ敷しまの道

休み日に小等と秋の野さすらいてつとに七草さはに手おりつ

狩り得たる茸より更に歌ふくろ言葉草もさはにつみつつ

培ひし色香もたかき菊あはせみ国の秋を庭にあつめて

すみはたる月をめてつゝ友とちと雁の音つれきくもたぬしき

女郎花よそほへる野のあかなくにまねく尾花のもと茂とはまし

ふかめゆく秋の宮居の寄角力興味あふるゝとめの一番

あかすみし花野はくれて月出てぬ虫をきゝつつ家路たとらむ

千木高く月すむ庭の杜かけにこゑおもしろく鈴虫の啼く

廣前の木の間もくれる月かけにふり出でて鳴鈴虫の声
稲村真理先生評

豊穣

天   人心とみになこみぬ千町田の年ある秋の穂なみなかめて

地   いそしみしかひこそ見ゆれ千町田の八束穂垂穂に黄金波よる

人   海幸に濱はうるほひ千町田の秋は手あり神のめくみは


神苑虫

地   廣前の虫木ゝをれはおのつからこの世はなけく心地こそすれ
社頭祈世

まつろはぬ人もなきまて君か代をまもらせ給へ伊勢の大神

たちさわくあた波しつめ皇国の光かゝやく御代こそ祈れ

朝にふけ神のみむろの榊葉の栄えん御代を尚祈るかな

天てらす神のみ光外国の民の上にも恵みあれこそ

萬代も栄えむみ代をいやか上にまもらせ給へ天地の神



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