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伊那下神社献詠
山人 投稿日:2012年02月17日 13:31 No.79 【Home】
昭和十八年献詠  秋田

怠らす耕すちからおのつから秋のみのりにあらはれにけり

千町田の足穂みのりて豊の秋民の栄えを祝ふうれしさ

秋の田に黄金の稲穂うちなひきさやけき風のふき渡り行く

小車はすすみゆけとも千町田のこかねのなみをはなれさりけり

千町田に黄金の波をうちよせてゆたけき年とみのる稲かな

雨風もときにかなひて此の秋の田面ゆたけき足穂八束穂

神々のまもるめくみの秋の田の実のりゆたけし露のたりほに

みはるかす山もとまでにつゝきけり黄金の波のよする千町田

黄金いろなひく稲けのゆたけさにいくさの刀いよゝますらむ

八束穂のたりほみのりて千五百秋みつほの国は秋ゆたかなり

老の身のとりつくりたる小山田のあきゆたかにも見へ渡るかな

産土の神まつりの賑はしく田の面ゆかにみゆる秋かな

  紅葉

もろ人のみ国をおもふまごころの色にや出し山の紅葉

神垣の池にうつして伊豆の山の子ごひの杜は紅葉しにけり

見渡せば木には紅葉の称せり富士の裾野の秋の夕くれ

こえくれし天城の高嶺山をふかみ紅葉色濃く秋をみせつつ

雄々しくも紅葉の赤き心もて学ふ男の子かいくさたちすも

廣前の一葉のもみち夕はへて宮もみそのも黄金なりけり

ますら男の赤き心をそのままにそめてうるはし庭のもみち葉

秋ふかくなりゆくままに瑞籬のこずゑの紅葉色まさりよく

廣前の老松か枝の蔦もみち夕日にはえて秋の色にし


遠情

夜をふかみ銃をまくらのゆめさめて今年も忍ぶ秋のみまつり

紅葉のたよりをきけは古の秋にあひたる心地こそすれ

ふるさとを遠くはなれて軍人 紅葉のさかりしらすやあらなむ

月はすめとはるかに物のおもほえて和めかねたる我か心かな

夢さめて先つこそ思へいくさ人いすこの山にかりねすらむと




みなと出て幾日過けむ今日もまた目路に陸なし大和田の原

さゝ波は茜いろさす空はれて秋の夕の海しつかなり

夢のこと初嶋うかひ波もなし相模の海はおだやかにして

東の海あたなみ高き一時も神の綾威にやがて凪きけん

天さかる南の海もたゝかえるますら武夫のいさをゝそおもふ

夕まくれ風もなこみて駿河湾伊豆のかなたに月は昇りぬ


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