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レナードの朝
ペニー・マーシャル 投稿日:2018年10月21日 12:05 No.66


レナードの朝 (米国) 1990年 全米興行収入ランキング23位

治療不能の難病で30年間昏睡状態だった男レナードが、奇跡的に意識を回復した。セイヤー博士の治療が功を奏したのだ。博士はその治療を、他の患者にも適用してめざましい効果をあげるが…

監督 ペニー・マーシャル
脚本 スティーヴン・ザイリアン
音楽 ランディ・ニューマン
主演 ロバート・デ・ニーロ(レナード)
原作 オリバー・サックス 『レナードの朝』

登場人物

レナード・ロウ: ベインブリッジ病院の患者。11歳の時に嗜眠性脳炎という難病を発症。
ロウ夫人: レナードの母親。

マルコム・セイヤー: ベインブリッジ病院に赴任してきた医師。
エレノア・コステロ: ベインブリッジ病院に勤めている看護師。
カウフマン医師: ベインブリッジ病院の医師。

ポーラ: 父親の見舞いでベインブリッジ病院を訪問。


【起】
1969年アメリカのブロンクス。マルコム・セイヤー医師が、ベインブリッジ病院の神経科に職を求めてやってきた。研究職としてではなく医者としての採用だと知り、帰ろうとするセイヤー医師を、人手不足の病院側はなんとか採用する。ここは慢性神経症患者専門の病院で、治療の見込みのない者ばかりが入院していた。人が苦手なセイヤー医師に、看護師のエレノアはすぐに慣れると励ます。

ベインブリッジ病院に新しい患者がやってきた。何十年も動くことも反応を示すこともないままだったルーシーという女性だ。しかし、セイヤー医師がカルテを書いている間に、ルーシーが落ちた眼鏡をつかんでいた。驚いたセイヤー医師は、彼女が眼鏡やボールを受け取ることができることに気づく。セイヤー医師は、同じような症状の患者数名が、1920年代に嗜眠性脳炎という流行病にかかっていたことを知る。嗜眠性脳炎の患者たちはその後遺症で神経障害が現れ、動きも反応もない抜け殻のような状態になっていたのだ。専門家は患者の意識も死んでしまっていると言っていたが、セイヤー医師はそれに同意できなかった。事実、ルーシーと同じ症状のレナードという患者は、名前を呼ばれると脳波が跳ね上がったのだ。

【承】
セイヤー医師は嗜眠性脳炎が原因と思われる患者15名を集め、調査を始める。彼らはそれぞれ、特定の音楽や他人とのふれあいに体が反応し、一時的に動くことができるとわかった。セイヤー医師はパーキンソン病の新薬「L-ドーパ」がこの病気にも有効なのではと思い付く。彼の必死の頼み込みにより、カウフマン医師は1人だけ臨床実験を許す。セイヤー医師はレナード・ロウの母親を説得し、臨床実験を開始した。

L-ドーパを投薬した夜、セイヤー医師が目覚めると、なんとレナードがベッドから起き上がり、自分の名前を書いていた。奇跡的な目覚めに、ロウ夫人も病院のスタッフたちも心から喜ぶ。レナードも時の流れにショックを受けながらも、30年振りに取り戻した人生を誰よりも喜んでいた。レナードはセイヤー医師の付き添いで街へ出かけ、外の世界を満喫する。「女性との接し方がわからない」と言うセイヤー医師に、レナードはエレノアがセイヤー医師の事を「人への愛にあふれている」とほめていたと教える。

【転】
スタッフたちの協力や支援者たちの寄付のもと、他の患者への投薬が始まり、15名の患者全員が目覚める。それは奇跡のような光景だった。一気ににぎやかになった病棟に、1人の女性が現れレナードは一目ぼれする。彼女はポーラ。ベインブリッジ病院に入院している父親の見舞いに来ていた。目覚めた患者たちを連れて、セイヤー医師らは街に出かけることにする。しかしポーラが気になるレナードは、1人病院に残り彼女に声をかける。2人は話がはずみ、仲良くなっていった。

ポーラに恋をしたレナードは、だんだん「自由に外に出たい」という願望を持つようになっていた。しかし安全面から病院にそれを拒否され、レナードは怒りを爆発させる。レナードの変わりようにロウ夫人は動揺する。彼女にとってレナードは、女性になど興味がなく、おとなしい少年だったのだ。レナードはストライキを始めたが、同時にけいれんの症状も再発し始めていた。薬が効かなくなってきていたのだ。心配するセイヤー医師に、レナードはついに助けを求める。

【結】
レナードには薬の効果が出なくなっていた。レナードは他の患者に心がまえをさせ、薬の効果を研究させるために、自分を実験台にしてくれるよう申し出る。けいれんは日に日にひどくなっていき、突然動きが停止することもあった。日常生活や、趣味の読書も難しくなっていった。ロウ夫人はもうやめてくれと懇願する。だがセイヤー医師はレナードの意思を尊重して投薬を続行、彼の様子に心を痛めながら、逐一記録していく。病状が悪化し、ついにレナードはポーラに別れを告げる。最後に2人でダンスを踊り、ポーラは病院から去った。

ある日、レナードは自分の名前を書こうとした状態のまま、完全に動きを止めてしまう。“目覚め”の前の状態に戻ってしまったのだ。セイヤー医師は命を与えまた奪ってしまった自分の行動を責めるが、エレノアが彼を慰める。奇跡の夏が終わり、他の患者たちも同様に元の状態に戻ってしまった。レナードから人生の大切さを教えられたセイヤー医師は、一念発起、エレノアをお茶に誘う。

セイヤー医師たちは今でも新薬を試して治療を続けているが、1969年のような奇跡はいまだ起きていないという。

The End _MIHOシネマ


嗜眠性脳炎 しみんせいのうえん

流行性脳炎の一種で、近年は欧米でごくまれに報告されるが、ほとんど姿を消した脳炎である。高熱と複雑な脳神経症状がみられ、回復期には嗜眠状態を呈すること、しばしば後遺症としてパーキンソン症候群を残すこと、冬から初春にかけて流行することなどが特徴である。

 第一次世界大戦中の1916~17年にウィーンで流行したとき、オーストリアの神経学者エコノモが命名・報告したので、エコノモ型脳炎ともいわれ、またその後に日本脳炎が明らかにされたため、嗜眠性脳炎をA型脳炎、日本脳炎をB型脳炎とよんで区別した。1925年ごろまで世界各地にかなりみられ、病原体はウイルスと推定されているが、確認はされていない。しかし、現在でもウイルス性疾患と考えられている。


Re: レナードの朝 ペニー・マーシャル 投稿日:2018年10月21日 14:36 No.67
 



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