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家族のサポート方法について
紫陽花 投稿日:2021年10月01日 21:57 No.1523
矢野先生、初めまして。
外国人の夫が最近PTSDと診断され、そのサポートについて悩んでいます。

主人は15年ほど前からデジャブに悩まされており、定期的にドクターの診療を受けていましたが、全てを語る勇気が出せず、最近ようやく良いお医者さんに診てもらい、少しずつ語る事ができ、PTSDと診断されました。ただ今までほとんど話せなかった事をドクターや私などに話した為、症状が強く出ており、苦しんでいます。また、治療が始まるのがコロナで3〜4ヶ月かかると言われ、それまでの間、どのようにサポートすべきかアドバイス頂きたいです。

特徴的な症状は下記の通りで、私がしていることが正しいのか教えていただきたいです。
(これらは昔から継続しているものもあれば、最近のものもあります)
①物が捨てられない
特に洋服、書類、本で、洋服の場合は穴が空いていても捨てられません。ただ、誰かがもらってくれる場合はいいそうです。何度かチャリティーショップに持って言って欲しいと言われ、持っていこうとしましたが、些細なことがきっかけで結局持って行けませんでした。本人が持っていくのは辛いそうです。本は、本の間に銀行からの手紙など大切な資料が挟まっているのではないかという不安があり、捨てられません。書類に関しては、シュレッダーして捨てる予定ですが、精神状態のいい時出ないと難しそうです。また、これらの物を動かす事も不安に感じるようです。
また、それ以外の物で細かくできるもの(例えば紙でできたお菓子の箱等)は極力細かくして捨てます。外でコーヒーなど飲んだ時のカップは家まで持ち帰るか、私が捨てます。

②過去に使用したウェブサイトから情報が漏れるのではないかという不安
以前ハッキングされたことがあり、その事が最近特に不安に感じ、メールを頻繁にチェックしたり、昔使用していたウェブサイトを思い出すと、アカウントを削除するまで不安です。
これに関しては、一緒にアカウントにログインし、可能な限りの情報を削除し、アカウントを削除します。一連の作業を一緒に確認しながら行い、全てページをスクリーンショットで撮って残しています。一緒に確認していても、本当にデータが残っていないか何度か聞かれます。

③よく悪夢とデジャブが起こる、またそれにより眠れない
デジャブを見ることで現実との境目がよくわからなくなったり、悪夢が実際に怒るんじゃないかという不安に見舞われる。また、それにより眠りが浅く、何度も夜中に起きてしまう。
これに関しては、最近2泊3日の旅行に行った際にデジャブが頻繁に起こり、また②の不安もあったため、2日目の朝に旅行を中断して家に帰ることになりました。私は彼と3年半ほど一緒にいて今回が初めてですが、過去に何度か同じことがあったようです。
また、デジャブは不安が募って何度も考えることでデジャブのように感じるのではないかと聞いてみましたが、そうではないそうです。

また最近不安定になっていた時に、私は彼に頼まれて彼のスニーカーを捨てたのですが、それが偶然片足だけ回収されずに道端に忘れられていました。その時私は外出していて、その事について彼からメッセージが来ていたのですが、そこまで大事に捉えられず、夕方帰宅しました。家に帰ってから、少し話をしていた所、彼の腕に2回リストカットの跡がある事に気づき、大変驚きました。彼は不安や悲しみで、その事実をどう処理していいかわからなくなってしまってやったと言っていたのですが、私には衝撃的すぎて、気づけなくてごめんねと泣いてしまいました。今年の春から彼の実家で同居しているのですが、リストカットは過去にしたことがあるが、今年は初めてと言っていました。
今は精神科医に薬を処方してもらい、少し落ち着いてきましたが、一人にしてしまうと小さなサインも見逃してしまうのではないかと不安です。

先生のおっしゃる曝露を提案してみましたが、自分一人でして、悪い方向に症状が出てしまうのが怖いから治療が始まって、お医者様に診てもらいやすい環境になってからがいいと言われました。

少しでも彼の気持ちを楽にしてあげるにはどのようなサポートが良いでしょうか?
アドバイス頂けましたら、大変助かります。宜しくお願い致します。


矢野 投稿日:2021年10月02日 08:51 No.1524
困りごとの、①、②は、強迫症が疑われますが、③は、明らかに強迫症の症状ではありません。③はPTSDでも起こりますが、デジャブが頻繁に起こるのは、PTSDとしても非常に重度な状態の方です。
また、この文面をみるとPTSDの診断の根拠になったトラウマも症状も書いていないため、なんとも言えないところがあります。

一般に、PTSDと強迫症の診断がある場合、どちらの治療から始めてもいいのですが、多くの場合はPTSDからの治療になります。その方が、治療の導入は楽だと思います。

家族のサポートとしては、確認には最小限付き合うこと、確認するほど不安が大きくなっていくことを伝えること、確認行為以外の場面で安心感を作っていくこと(PTSDであれば、ずっと不安で警戒状態にあります)が必要になると思います。


紫陽花 投稿日:2021年10月06日 18:12 No.1526
矢野先生、返信ありがとうございます。

主人はPTSDと診断された時に、お医者様から特別デジャブに関して特別に触れられなかったそうで、不安がっていましたが、PTSDにデジャブの症状があると知れて良かったです。ただ重度の場合なのですね…。
デジャブの為、以前てんかんの検査もしましたが、そうではないとの診断でした。
デジャブが最近またひどくなってきた様ですが、PTSDでデジャブが起きている場合、PTSDの症状が軽くなるにつれデジャブも減るということでしょうか?また、そこまでひどくなっていても、完全に完治することは可能なのでしょうか?

PTSDの根拠ですが、学生時代のいじめと家庭環境の様です。
10代前半暗いから大学生くらいまで、学校やアルバイト先でひどいいじめにあったそうです。あまりその事に関しては話してくれませんが、一つ聞いたのはアルバイト先の社員に突然顔を殴りたいなどと言われたそうです。(実際の暴力は無い様ですが…)
家庭環境に関しては、主人は三兄弟の真ん中なのですが、母親と母親の両親から彼だけ愛されていないのではないかと思う接し方をされていた様です。例えば、彼だけ誕生日にプレゼントをもらえなかったり、義母が一人で家にいたく無いからずっと家にいなくてはいけず遊びに行けない、兄と同じ習い事をしていて、兄だけ習い事を最後まで見守ってもらえるのに彼の時は見てもらえない、近所の人にどこの家の子かと聞かれ、母親の名前をいうと兄と妹しかいないと思ったと言われ、母親は兄弟の話はしても自分の話は周りの人にしないんだと思った経験や、義父と彼が話していると義母が不機嫌になる。などです。現在、彼の実家で両親と一緒に住んでいるのですが、私でも日々、小さな兄弟間の差を感じる事が多々あります。兄弟はもらったのに、私たちは結婚のお祝いをもらえなかったなど…。
また、義父が以前事故で頭を強く打って数日間記憶喪失になったことがあるそうで、義母はそれにより精神的な病気を患ったそうです。現在は良くなった様ですが、それが原因でか、義母は一人で外出ができません。また家族が一緒でも、家から10キロ以内くらいの場所にしか行けません。不安になってしまう様です。

彼の改善の為にも、早く実家を出て家族と少し離れた方がいいと思うのですが、金銭的な不安もあり、またPTSDの治療も引っ越して別の街に移ってしまうと予約がまた一からになってしまうそうなので、すぐにはできません。

最近、確認を一緒にする事により不安が悪化するということを伝え、ストレスが少ないものから一人で確認しようと話しました。ただすぐにはできないので、よく何も無いよね?と聞かれるのですが、その場合はどのように返答するのが良いでしょうか?例えば、家にある紙袋を使用するときに、何も無いよね?と聞かれた場合、一緒に中を見てなにか見えるか?何も見えないなら大丈夫。と答えるなどでしょうか?
できるだけ私が確認したから大丈夫。ではなく、彼が確認したから大丈夫という状況にしたほうがいいのかと思うのですが、どうでしょうか?

また、確認行為以外の場面での安心感とは例えばどの様な状況でしょうか?
彼はずっと在宅勤務なので、平日でも外でウォーキングする時間を作ったり、週末は必ず公園などに行ったりするようにしています。また、極力健康的な食事、部屋の掃除、基本的な事ですが朝起きたらカーテンを開けるなど気をつけています。他にできる事があれば、アドバイスいただけますと大変嬉しいです。

長くなってしまい、またわかりにくい文章でしたら申し訳ありません。
宜しくお願い致します。


矢野 投稿日:2021年10月07日 15:39 No.1528
PTSDというのは、疾患のイメージとしては、ある程度、成長した後で受けるトラウマです。
デジャブというのは、顕在化していない記憶があるということなので、デジャブがあるというのはそれだけ、顕在化していない記憶があると起きてきます。
一方、小さい頃からのトラウマ(親との関係)でのトラウマがあると、デジャブというのは比較的起きやすくなってきます。

デジャブが頻発すること、現実との境目が分からないという症状については、家族での関わりの問題もあるんじゃないかな…?と思わせる症状なので、お母さんとの関係でずっと悩んでいるという話をきくと、納得できます。

トラウマというのは、累積していくので、お母さんとの問題に、アルバイト先でのいじめの問題が重なっているのでしょうね。

PTSDは、通常は、生死に関わるトラウマになるので、実際の暴力が診断には必要です。言語的ないじめは生死に関わらないという認識なのです。一方、過去にトラウマがあるなどの脆弱な状態だと、生死に関わらないトラウマであっても、PTSDの症状は結構出てきます。

おそらく、ご主人は、小さい頃から不安感・緊張感が強く、なんでもしっかりしておかないと…という感覚があったのではないでしょうか? そのような状況は、強迫症を発症しやすい状況と言えます。


確認に関しては、巻き込まれている場面をどうするか?というより、日常生活の中で認知行動療法をしていく方が重要です。その方法とは、自分が苦手にしていることにあえて挑戦し、「○○やっても大丈夫」という記憶を作っていくのです。例えば、今までの例だと、SNSで自分の家の近くの写真をあげたり、個人情報が書いたメモを公園などのゴミ箱にしてて歩くということをします。

この認知行動療法をやっていくことが重要です。そうすると、「多少、個人情報が漏れていても、まあ大丈夫」という記憶が生まれ、その記憶が、日常生活の不安を落ち着けてくれます。

巻き込みにあった場合は、まず、悪循環になっていることを伝え、認知行動療法をしてみないかと誘ったほうがよいと思います。
また、旦那さんが確認するという方式にできるだけしていく方がよいです。
「何もないからだから、大丈夫」という説得は、効力がほぼないです。なので、「○○があっても、大丈夫」という方が、まだよいです。

以下に強迫症の基本的な部分を解説しているので、こちらも参考にしてください。
https://youtu.be/w3ALHMv_VKM
https://youtu.be/2hlfKsJU2Rw

日常の安心感についてですが、ずっと緊張感を持って生活をしているのではないでしょうか。
そこで、体の感覚が落ち着くという体験ををやっていくと良いです。
例えば、胸に手をあててホッとするとかですね。
https://youtu.be/Wx1TGyynfvg
で詳しく解説しています。

この日常生活の安心感は、PTSDの治療をしていくことも重要だろうと思います。EMDRやソマティック・エクスペリエンシングなども役に立つと思います。


紫陽花 投稿日:2021年11月01日 20:19 No.1542
矢野先生、ご返信、温かいお言葉ありがとうございます。

先生のビデオを見せていただいて、主人がよく気にしていること、言っている事がたくさん出てきて驚きました。また私の頭の中で少し強迫症がどういうものか整理が出来たと思います。

先生のおっしゃる通り、子供の頃から不安、緊張、責任感が強かったと思います。
PTSDと診断された時、先生に、「両親の生活や健康の責任は彼にはなく、本人たちにある。」と言ってもらえたことがとても気持ちが軽くなった言っていました。
実際、義母一人では一歩も外出せず、何か気に食わない事があると、全く関係ない義父にあたり、孫の前でも義父をけなすので、主人はそれを見て義父の負担をかけないように、また義父が仕事で家にいない時は自分が面倒を見ないといけないという感覚が子供の頃からあった様です。
また、自分は家族のために色々としていても、感謝されず、それが当たり前になっている。とよく言っていました。
実際一緒に暮らしてから、どんなにお兄さんが理不尽でも、お兄さんの意見が通り、主人の意見は蔑ろにされる所をよく見かけました。お兄さんは短期で怒ると手がつけられないので、主人が我慢しなくてはいけない状況が、両親として楽に感じているのだと思います。

先生のおっしゃる顕在していない記憶というのは、自分で作り上げているという事でしょうか?
原因となるような親との関係でのトラウマは、最近少しずつ話してくれていますが、その話を聞いてあげるということは、少しでもリラックスする事につながるのでしょうか?
また、現在でも子供の頃の様な経験(お兄さんが尊重される様な状況)をすると、さらにデジャブが起こりやすくなるということはあるのでしょうか?

最近、精神状態に数週間周期のアップダウンがあり、大体、調子が良さそうだなと思うと、次は不安の周期が強くなるのではということに気づきました。そしてPTSDがひどくなればなるほど、OCDや鬱っぽい症状が出ているともいます。
最近言っていたのは、気持ちが比較的安定している時は、その事を説明するのが難しいけど、PTSDが酷い時は子供の時にいじめていた人が自分の横で叫んでいるように感じると言っていました。

先生に提案していただいた、○○やっても大丈夫という事に関してですが、例えば、彼が捨てれないものの中に洋服があるのですが、洋服をそのまま捨てて、大丈夫とするのは効果的でしょうか?例えばポッケがついているものは、何か大切なものが入っているのではないかと思うらしく、一度確認すれば大丈夫として捨てる。というのが、今の主人からすると一番ハードルが低いかなと思います。
SNSは、数年前にこれ以上昔の知り合いからメッセージを受け取られたくない&詮索されたくない、また自分が移っている写真が嫌いという理由で全て削除してしまいました。

一ついいニュースが、12月中旬以降だったのが今週の水曜日からに早まったので、先生のビデオにあるリラックスする方法を少しずつでも取り入れていけたらと思っています。


紫陽花 投稿日:2021年11月02日 04:37 No.1543
追記失礼致します。
デジャブに関してですが、コロナ前に一度日本に来たのですが、その時は環境が違うからか、あまりデジャブはなかったと言っていました。
国内だと行った事がない場所でもデジャブが頻繁に起きる事があるのですが、それはトラウマがある場所と街並みや環境が似ているからという事でしょうか?


矢野 投稿日:2021年11月08日 22:26 No.1547
治療が進んでいるようで良かったです。
顕在していない記憶というのは、本人が覚えているけれど、忘れているようになっている記憶のことです。
子供の頃のような経験をするとデジャブが起こりやすくなるということはあるかもしれません。

デジャブが、そこまで頻繁に起こるのであれば、その辺りの町並みが何かを想起させているのかもしれませんね。

まずは、PTSDの治療からはじめると、PTSDの症状としての罪悪感からくる責任感の強さが緩和すると思います。
日常生活の中で不安・緊張感が強ければ、強迫行為も強くなります。
この辺りも、PTSDの影響になってきます。

PTSD+強迫症の場合、PTSDを治療することで、強迫症が軽くなることが多いです。


紫陽花 投稿日:2021年11月21日 16:25 No.1574
矢野先生、いつもお世話になっております。
返信ありがとうございました。

主人はずっと自分の子供の頃の不平等だった経験や、母親の為に家にいなくてはいけなかった事を、家族に言いたくないと言っていたのですが、彼の両親と私たちで大きな言い合いになり、家にいなくてはいけなかった経験のみ、両親の前で暴露しました。
父親はその状況を知らなかったので、初めはあまり信じていませんでしたが、最終的には状況を理解してくれたのかと思います。ただ、母親はその事を覚えていないと言い、途中で席を外してしまいました。
話し合いの後、主人は母親が言っている事は受け入れられないけど、こんな形で家にいた事を暴露したくなかったと言い、母親の事を心配して家族に何度か確認していました。
また、それまでは少し家族から離れた場所に引っ越そうと話していたのですが、自分は友達も少ないし、家族と今の形で離れたら自分だけ家族との関係が無くなってしまうだろうから、とてつもなく寂しい、孤独に感じると言っていました。

主人は子供の頃の経験全てを両親に伝えてませんが、家にいなくてはいけなかった環境だけでも母親が認めてくれたら、PTSDの回復の一歩になるのかと思ったのですが、どうでしょうか?
また治療の面から見ると、両親が事実を知った事、また母親が事実を受け入れなかった事、また受け入れた場合はどのように影響するのでしょうか?

治療には家族のサポートが大切と読みました。主人の場合、家族のサポート=両親の真実の理解なのかとずっと考えており、質問させていただきました。
何卒、よろしくお願いいたします。


矢野 投稿日:2021年11月22日 20:53 No.1576
両親に自分の思いをぶつけるというのは、非常に治療的な側面を持ちます。一つは、自分が何に苦しんだかが明確になるということです。

もう一つは、両親がそれを把握し、その事実に対してどう反応するのか?が分かることです。
母親が認めてくれると回復の一歩になるでしょう。もう少し言うと、謝罪があると回復に向かうでしょう。
母親が認めてくれなかった場合もあると思います。その際は、母親の喪失、決別という流れになっていきます。
どちらも、治療の中では起こります。確率としては、喪失・決別という流れの方が多いですが…。

ご主人の視点で考えると、たとえ両親には理解してもらえなくても、パートナーには分かってもらえたという状況であれば、精神的には落ち着いていくと思います。




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