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1： KZ：2022/12/08 14:50 No.176

歩きスマホの怖さについては　何度でも書いておきたい。是非立ち止まって　誰にも安全な空間で使用してもらいたい。
昨日も駅ビル内の混み合った通路で　危うく中年のおばさんと衝突するところだった。身なりもきちんとした方だったから　多分レストランとかで待ち合わせの約束でもあったのだろう。ちょっと遅れる　のLINEでもしていたのかも…。
ともかく歩きスマホは　トイ面の大人にはそこそこ気付くとしても　背の低い子どもやわれわれのような車イス利用者の姿は　ほぼ完全に死角になる。私は一番安全な最右寄りを通っていたのだが　真正面から急いで来たそのスマホおばさんと　本当に衝突寸前。私が大きな声（恐怖の叫び声）を上げなければ、たぶん私も車ごと身体を取られ　おばさんはヘタをするともんどりうったかもしれない。
ごめんなさいと何回も繰り返していたけれど　こちらの動悸はしばらく収まらなかった。たぶん向こうも同じことだったろう。

視覚　聴覚そして触覚、それらほとんどの生命アンテナを　スマホのデジタル空間に奪われてしまっている。中高生や20代などの　歩きやチャリンコのスマホは　未だ足も速いから　ほとんど動く凶器になって歩道や通路を疾走している。とても危険であると同時に、五感で味わうべき（感じなければならない）多様な世界を　自ら遮断し　ほとんど放棄している。アナログ世界の層をなす豊富を　自ら投げ捨てているわけだ。
単純な二進法を根拠にした鮮やかなバーチャル世界と比べたら　そこは灰色でつまらない後衛的な空間に見えるのだろう。けれども　結局ヒトはそこで生まれ育ち　恋をし　子を産み育て　雑多な人々と終世交わり　やがて静かに灰になってゆく。そうした輪廻を　100％免れることは　生きる誰にも出来ないことだ。（例えば　先にBest 3 で取り上げた『東京の生活史』などを見てほしい。たかだか150人の人々の生き様を垣間見るだけでも　その生活史の多様さに圧倒されるほど　アナログの人生は深く多岐に渡ってまばゆい。）
大小濃淡はあるにせよ　目の前に拡がる世界の〈豊富〉を　自ら放擲すべきではない。単純な二進法（排中原理）に都合よく当て嵌めた擬制に全てを委ねる誤りと危険に　誰もがいち早く気づくべきなのだ。われわれが必要とする真理は　0でも1でもない、うねるようなn 個の構造の中に埋まっている。

バーチャル時空に立ち寄る時は　是非立ち止まって息を吐き、心身の安全を確保してからにしてもらいたい。

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