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保身の為に生きる政治家に、日本は潰される!
尊王攘夷 投稿日:2023年04月01日 11:45 No.13019
From 藤井聡@京都大学大学院教授

こんにちは。表現者クライテリオン、編集長の藤井聡です。

 統一地方選挙の中でも、特に大きな注目を集めている奈良県知事選挙、その注目ポイントの一つが、維新が奈良上陸を果たすか否かというものですが、それと連動するもう一つの重大ポイントが、自民党の幹部連中の謀略通り、高市氏が首相候補として潰されるか否か、という点。

 ここでは、この高市氏の命運問題についてお話ししたいと思います。これは、高市氏や奈良県の問題を超え、自民党の命運にも、そして日本の命運にも直結する、極めて重要な問題でもありますので、是非、最後までじっくりお読み下さい。 
        
……

 まず、奈良県はこれまで一貫して自民党が推薦する候補が知事に就任しており、(自民党結党以来)「非自民」の候補が知事になったことはありませんでした。

 で、その奈良県の自民党、すなわち「奈良県連」(自由民主党 奈良県支部連合会)の最高責任者が、高市会長です。

 そういう状況の中で、今、奈良県に初めて「非自民系」の候補が知事に就任する「リスク」が生じているのです。

 なぜなら、自民党系の候補が二名立候補するという「保守分裂」選挙となってしまったからです。結果、自民支持層が二つに割れ、漁夫の利を得た非自民候補が勝利する現実味を帯び始めているのです。具体的には今、下記三名の有力議員が立候補しています。

・保守現職の荒井氏
・保守新人の平木氏(元キャリア総務官僚の若手・高市会長の奈良県連会推薦)
・維新の木下氏(元生駒市長、外国人参政権推進論者)

こうして保守の現職(荒井氏)と新人(平木氏)の二名が立候補してしまったため、維新の木下氏が今、俄然有力となっているという次第です。

なぜ、こうなったのかといえば、次の様な顛末です(以下は全て、「永田町の化石」こと、当方が最も信頼する記者のお一人である政治記者の重鎮・泉宏氏の記事(https://toyokeizai.net/articles/-/656013)を基本とした解説です)。

 まず、奈良県連(高市会長)は、(四期も務めた高齢の荒井氏を見送り)平木氏の推薦を満場一致で決定します。通常なら、自民党本部は県連の決定を尊重し、平木氏推薦を決定するのが筋となります。

 しかし、何としても知事を続けたい現職の荒井氏は、関係の深い自民党の二階氏に応援を依頼したところ「頑張れ」と言われたのだと「吹聴」し出します。そして、県連の推薦がないまま、立候補を「決断」します。

 こうした状況を受けた自民党幹部の茂木幹事長と(二階氏側近の一人である)森山選対委員長は、「どっちつかず」
(出典:泉氏記事)の態度に終始し、結局、県連の決定を無視し県連推薦の平木氏の「党本部としての推薦」を見送る事にしたのです。

 その結果、保守分裂となってしまったという次第です。

 ここで、茂木・森山氏ら党幹部が自民県連の平木氏推薦を決定すれば、保守票がまとまり、新人の平木氏の勝利はほぼ確実になる筈なのですが、彼らはそれを見送ったのです。

 こう考えると、自民が奈良県知事を失う事が今回あったとすれば、その責任は事実上、「自民党幹部」にあるという構図が見えてきます。

 しかし自民党の内部では、そうなっていません。なぜなら、自民党幹部はこの状況を「高市総裁候補を潰すチャンス」と捉え「自民党内の権力闘争が絡む闇試合」(同上)を仕掛けているからです。

 そもそも、岸田総裁は、高市氏の台頭を快く思ってはいません。総裁選で第二位に付けた高市氏を脅威に感じているのです。高市氏を推挙していた安倍氏亡き今となっては、高市氏は単なる目の上のたんこぶになっているわけです。

 一方で茂木幹事長も森山選対委員長も共に、総裁選に打って出る可能性がある(あるいはキャスティングボードを握る)「派閥リーダー」です(共に茂木派、森山派の領袖です)。そんな彼らにしてみても、保守層の一般国民にやたらと人気のある高市氏は目の上のたんこぶです。

 こうして、自民党の幹部連中は皆、それぞれの思惑の下、高市氏をどうにかして今のうちに潰したい、と考えているわけです。そんな中、二階氏が現職の荒井氏に「頑張れ」と口にしたというのを耳にし、「これは高市氏を潰す良いチャンスだ!」と色めき立ったわけです。結果、森山選対委員長はあえて、高市氏が推薦する平木氏に対して、党本部から推薦することを見送ったと見られているのです。

 そして岸田氏もまた、こうした流れを「高市潰しのチャンス」と捉え、「森山氏任せの傍観者」(同上)を装い、この状況を「あえて放置」(同上)していると観られているのです。そうすると当然、維新候補が勝利する可能性が高まるわけですが、それを見通した岸田氏は、「維新が勝ってもすべて高市氏に責任を押し付けようとしている」(同上)という次第です。

 以上が、泉氏が「自民党内の権力闘争が絡む闇試合」(同上)と記述したその内実です。

 そして、泉氏はその記事を次の様な言葉で結んでいます。

『「今回知事選で自民一本化に失敗し、維新に名を成さしめれば、首相候補としては一貫の終わり」(同)となるのは避けられそうもない。』(同上)

 あわせて泉氏は、この記事の中で『今回自民分裂による選挙となれば、「維新県政誕生の可能性は極めて高い」(選挙アナリスト)との見方が広がる。』という見解も紹介しています。

 ですから、この(公示前公表の)記事は、

「保守分裂となった今、維新県政が誕生し、その責任をとらされ、高市氏は首相候補として一貫の終わりとなる」

ということが「既定路線」であることを示唆しているのです。

 これが真実だとすれば、岸田総裁、森山選対委員長、茂木幹事長は、「途轍もなく腹黒い悪いヤツら」という事になります。なぜなら、彼らは「高市氏を潰して自分の地位を安泰にするために、あえて保守を分裂させ、結党以来守り続けてきた奈良県知事の座を、維新にくれてやろう」としているからです。

 つまり彼らは、国益や奈良県の利益などそっちのけで、さらには自分達の政治共同体である自民党の利益すら度外視して、浅ましく自らの保身のための「高市つぶし」を目指し、維新に知事の座をくれてやろうとしているのです!さらに言うなら、国や奈良、そして自民の利益よりも、自分達の保身を優先しているのです。

この泉氏が記事を通して示唆した物語が真実だとすれば、岸田氏、森山氏、茂木氏はなんと浅ましくおぞましい輩達なのだろう、という事になりますが……実際には必ずしも、自民最高幹部が思い描いた絵の通りに事が運ぶとは限りません。

確かに、各有権者がただ自らが支持する候補者に投票するいう素直な展開となれば、保守は両者共倒れとなり、維新候補が勝利する事になります。

ところが、既往の政治心理学研究から、実際の選挙で人々は、もっと「戦略的」に投票することが知られているのです。

今回の場合なら、維新候補の勝利を避けたいと考える層、あるいは、とにかく自民党系の候補者の知事がよいと考える層は、

『荒井が良いか平木が良いかという判断を停止し、どちらの保守候補が優勢なのかの情報を得て、より優勢な保守系候補に兎に角投票する』

という行動に出始めるのです。

事実、3月上旬時点での支持率が、下記報道で以下の様な状況だと報道されています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1775b579cb77db158642abdfb0e220e663f907c5

   33% 維新 山下候補(元生駒市長)
   28% 保守 平木候補
(自民県連推薦・新人・元若手キャリア官僚)
   18% 保守 荒井候補(現職)

(ちなみに、自民党支持層に限れば平木支持が4割、荒井支持が2割とダブルスコアと報道されています)
https://news.yahoo.co.jp/articles/fd837ed184065d04656a70041efabd417cbe3bfa

この結果は、

第一に、荒井氏に勝ち目はほぼ無い(平木氏との9%の差は埋めがたい)、
第二に、維新山下氏は、平木・荒井氏の保守票を合わせれば絶対に勝てない(33%vs合計43%)、
第三に、2位の保守平木氏と1位の維新山下氏との差は僅かで、余裕で逆転できる範囲にいる、

ということをそれぞれ意味しています。

ちなみに、この三候補の中で、もっとも知名度が低いのが、新人の平木候補です。荒井氏は現職だし、維新候補は以前知事選に出た事もあり、かつ、生駒市長として「外国人参政権」の推進論者として(善し悪しはさておき)一定の知名度があるからです。したがって、選挙戦が進み、新人の平木氏の知名度が上がることは確実で、さらに支持を伸ばす公算が高い、とも分析できます。

ついてはこの情報が有権者に広まれば、保守票が荒井氏から平木氏に流れ、事実上、有権者の判断によって保守候補が自ずと『一本化」され、平木候補が勝利する可能性がグンと高まる事になります。

もしそうなれば、高市氏は「一貫の終わり」(同上)状況から自民幹部からの”イジメ”という逆境を跳ね返し、”古い重鎮達が牛耳る自民党を終わらせる力”を持った『保守派のマドンナ」(同上)として、高い評価を受ける存在に躍り出る事も大いに期待されることにもなります。そうなれば、緊縮政治の維新に打撃を与えると同時に、「古い自民党」から脱却し、緊縮財政に終止符を打ち、凋落し続ける日本が救われる……という未来に繋がるかもしれません。

果たして、自民重鎮や維新の連中が描いた絵の通りに事は進むのか、それとも「保守派のマドンナ」(同上)高市早苗氏が一矢報い、日本再生の希望をつなぎ止めることができるのか……奈良県知事選挙は、奈良の一ローカルの次元を超え、保守政党たる自民党、さらには日本全体の命運にも繋がる一大決戦でもあるわけです。

奈良県の方は勿論の事、全国の方も是非、奈良県の選挙戦の動向を大きくご注視頂きたいと思います。


/// 事務局より ///




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