広尾山荘臨時 きのこ掲示板 > 記事閲覧


地獄沢。

1: 広尾山荘:2020/11/11 11:24 No.482
昨日は、苔生や緑藻生(地衣なんだが・・)の微小菌探しに、高麗山(平塚)の地獄沢(恐ろしい名だが、湿った沢)に行ってきた。
・苔生に見えるが、こんな湿った環境が好きなTricharina japonicaというチャワンタケ類。
・少し採集してきた。
・Tricharina japonicaだと思って持ち帰ったら、半分よく似た別菌だった(右のもの)。


2: 広尾山荘:2020/11/11 11:37 No.483
・最初の菌はチャワンタケ類では少数派の無色透明胞子。重なった向こうが透けて見える。
・次の見知らぬ菌も無色透明だがきれいな卵形。
・メルツァー試薬では子嚢下部まで青く染まり、側糸が茶色に変色。以前1、2度見た記憶が有るが珍しいチャワンタケ。


3: O前:2020/11/11 12:59 No.484
昨年もメールしましたが、海外の研究者から私宛に「Tricharina japonicaの標本くれ」との連絡があり、山荘主人様が採集されたTricharina japonicaをお渡ししました。
DNAを調べたところ、今井三子博士が採集したホロタイプとほぼ一致したと論文で報告されたので、同定は間違いないと思います。
(半世紀前に採取されたホロタイプからDNAが読めたのも驚きですが)

https://ascomycete.org/Portals/0/Archives/AscomyceteOrg 11-05 145-169.pdf

4: 広尾山荘:2020/11/11 18:49 No.485
O前さんから頂戴したのを忘れてましたね。有難うございます。
長文なので理解できてなかったかも。Tricharina属、日本にまだ何種か有りそうですね。
古い標本、燻蒸薬の種類によってはDNAの保存が良好なんですかね。

5: O前:2020/11/11 23:26 No.486
場合によっては燻蒸すらしていない可能性もありますね。保存条件が良ければ、100年近く前の標本からでも次世代シーケンサーを使わずとも読めることもありますし。
また、Tricharina属は胞子の乾燥耐性が非常に高く、乾燥条件下で休眠する特性があり、
10年以上前の乾燥標本からでも、平気で発芽しちゃったりもします。
なので、実は標本庫の中で長い間生きていたため、最近になってもDNAがあまり断片化されず、DNAが読めた可能性もあるかもしれません。

名前: E-mail:
| 特大 | | | 下線 | 取消線 | 点滅 | | 動画

Powered by Rara掲示板