・二人は結ばれるって分かっているのに、ラストシーンで図らずも予想以上にグッときてしまった。 というのも、キャスリーンがジョーに言う、「ずっと(メールの相手が)あなただったらよかったと思っていた」というセリフがとっても印象的だったから。その段階まではハッキリ書かれていなかったけれど(多分あえて)、本当は2人は出会った時、キャスリーンの本屋でジョーが弟や妹のための本を買いに来た時から惹かれあっていたのだ。 それなのに結ばれるのに時間がかかったのは、お互いの所属している社会的なポジションが対立し合う関係で、どうしても相手を社会的なポジションから見てしまっていたからなのだ。今回はグローバルな資本主義VS地域のお店、という社会構造になっているけれど、社会構造が恋愛の障壁になっているという点では、ロミオとジュリエットのような、古典的なラブストーリーを引き継いでいると思う。 ただ今回、それぞれのメル友ではなく、現実のジョーとキャスリーンが(心の中で)お互いに惹かれあっていることは、ラストまではかなり控えめに描かれている、というのが、恋愛映画として新しい。控えめに書かれていたからこそ、自分は見ている時ずっと、「メール相手が分かったら、ちょっと気まずくなる瞬間があるんじゃないかな」と予想していた。だけどあのラスト。 それまで漠然と感じていたあまり良くない予想を反転させる展開が(それも一つのセリフで!)、鮮やかでお見事で、とってもよかったなぁ |