この映画に興味を持ったのは、全てが静止画で構成された映画だから(つまりパワーポイントみたいなもの)。 http://tdeiken.stars.ne.jp/Mgz/review3.html キューブリックの「2001年宇宙の旅」で感じた、あえて静止画を使うことの可能性。それを突き詰めたのがこの映画である。 押井守監督も影響を受けているそうで、ブルーレイにはインタビューが載っているみたい。 https://natalie.mu/eiga/news/259523 「静止画のみを使って映画を作る」という縛りで映画を作って、これを超えるものはないんじゃないかってくらい、内容と手法がマッチしていた。 映画は、時間の中で動く人や物体を記録したものであるといえる。映画の様式に、既に線的な時間の流れが前提されているのだ。 この物語では、主人公が過去に飛ぶ(一応話としてはSF)。飛ぶと言っても線形では無く、本当に飛び飛びなのだ。ある瞬間にはいても、次の瞬間にはいなかったり。そうした動きを表現するために、映画の様式を否定して静止画だけにしたのは、必然かつベストな方法だった。 それで表現されたものを見て気づくのが、人間が過去を思い出す/参照する時も、線形ではなく、アルバムをめくるように 飛び飛びである、という事実だ。 |
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