職場近くにブックオフがあり、昼休みなどに立ち寄ることも多いのですが、店舗自体が小さいことも あって品揃えはさほどでもなく、将棋の棋書に関しては4、5冊程度あればいい方でした。 ところが今年年明けに覗いてみると、なんと80冊以上もの棋書がずらりと並んでいました。 戦型別に見ると居飛車55%、振り飛車25%、そのほか(手筋・名局集など)20%くらいの割合。 居飛車は「相掛かり」「角換わり」「横歩取り」系のものが多く矢倉系が少ない。振り飛車は 3間飛車(石田流)・中飛車が多く四間飛車が少なかったです。また変わったところでは、 島本5段の「きんとうん」とか武市7段の「筋違い角」などのイロモノ(?)系の本も並んでいました。 正直、「筋違い角」にはかなり食指が動いたのですが、躊躇しているうちに売れてしまったらしく 消えていました。ただ同時に「きんとうん」も消えていたので、同じ人間が購入したのではないかと 推測しています(笑)。 結局、自分は大橋5段の『耀流ひねり飛車』を購入しました。本書は内容もさることながら、 棋書にしてはかなりレイアウトや文字の書体などに工夫を凝らした独特な作りになっていて 著者のこだわりが感じられます。ネットで何度か試したところ、本書に掲載されている仕掛けが ほぼそのまま実現したことがあって驚きました。 そのほかに特に目を引いたのは「石田和雄名局集」と「勝浦修名局集」でした。 失礼ながら私は二人の名局集が出版されていることを知らなかったのですが、懐かしさに思わず 手にとって眺めてしまいました(「ダンプカー石田」とか「カミソリ勝浦」といってピンとくるのは 自分以上の世代でしょう)。石田9段は現役プ棋士でいうと、最近通算800を達成した阿部8段に 近い感じです。筋の良い本格居飛車党で、自分が学生時代には、アマチュアが棋譜並べをして一番 勉強になるプロ棋士としてよく名が上がるような存在でした。今では高見泰地初代叡王や 佐々木勇気7段などの師匠として有名ですね。 |