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カタパルトグライダーのフック/持ち手-アメリカ式
松本@GPF 投稿日:2022年07月30日 13:34 No.3
始まりは決定的瞬間を捕えた1枚の写真です。
左の写真は多分2007年か2008年のアメリカの室内カタパルトグライダーのマスランチ競技で撮影された優勝者の発射の瞬間。

この写真を観察・分析して考案されたのがカタパルトグライダーの新しいフック・持ち手の方式です。
中央の写真に3例を示します。フックは機体の先端にあり、持ち手は主翼前縁の下辺りにあるのは共通です。
一番上はこの方式が最初に紹介されたNFFS(米国FF協会)の機関紙Free Flight Digestの2009年6/7月号の記事から。
このアイデア自体とこの方式のグライダーPathfinderはアメリカのNFFS SymposiumのModel of the Year(本年の模型賞) を2重受賞しています。その時の記事の図が2番目と3番目。 日本でNFFSの本年の模型賞を受賞したのは石井満さんの室内ハンドグライダーだけですが、Pathfinderの設計者Stan Budenbohmさんは確か石井さんのライバルです。

2012年のNFFS Symposiumの記事によればアメリカの2007年以降のカタパルトグライダーの全国大会優勝者全員がこのフック・持ち手の方式(hook/grip system)を採用していてます(All Open National Reords and Nationals wins for Catapult Gliders since 2009 used the Forward Grip.)。従来方式と比べて獲得高度にはっきりした差があります。

主翼、フック、持ち手の位置関係の一例がFree Flight Digestの2009年6/7月号の紹介されています。右の図の通りです。


松本@GPF 投稿日:2022年07月30日 13:43 No.4
左の写真は最初の写真に注記を入れたもの。従来方式ではゴムの張力の方向とグライダーのゴム離脱までの進路に13度の開きがあり、離脱位置で引っ張りの方向から30㎝「上昇」しています。ゴム張力の方向から機体が「上昇」しているのは揚力を発生しているからです。写真で確認するとグライダーの離脱時の迎え角は約5度です。

揚力が発生すれば必ずそれに伴って誘導抵抗が発生します。この誘導抵抗はグライダーをゴムによる加速を妨害し、最終的には獲得高度のロスになります。

離脱までの飛行経路を揚力を発生しない経路、つまり張力の方向に近い飛行経路にするのが解決策です。

右図の様に従来方式では機体を赤矢印の方向に引っ張ります。主翼には翼の裏側に空気が当たるので揚力発生します。アメリカ方式では機体を青矢印の方向に引っ張るので空気はやや翼の上面に当たります。揚力は発生しないので誘導抵抗の発生も無い訳です。


松本@GPF 投稿日:2022年07月30日 13:50 No.5
実施例として私の方法を紹介します(左写真)。
フックは5mmか6mmのピアノ線を曲げたもの、持ち手はサンドペーパー。ピアノ線の直角に曲げた部分を胴体に差し込み、全体を瞬間接着剤で固定、さらに先端部をミシン糸で縛って瞬間接着剤で固定して完成。

右の写真は完成機の一例。


松本@GPF 投稿日:2022年07月30日 13:54 No.6
ハンドルの持ち方についての注意事項:
射出されるグライダーはハンドル先端と非常に接近した位置を高速飛行するので左の持ち方では機体がハンドルの先端に激突することがあります。ハンドルの出っ張りが少ない右の持ち方が衝突を避けるのに有効です。




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