◆基本は加害者の責任 例えば、バルコニーから布団を落として第三者に損害を与えてしまった場合、基本は原因をつくった本人がその責任を負わなければなりません。 (居住者が加入の個人賠償責任保険) ◆民法の工作物責任 ところが、バルコニーが何のメンテナンスもされておらず、腐食していたり、ぐらついていたとしたら話は異なります。 バルコニーの設置や保存に瑕疵があって、そのことが原因で他人に損害を与えてしまった場合には、民法 717 条の 「工作物責任」 が適用されることになります。 工作物責任とは 「建物としての通常備わるべき構造が備わっていなかったことにより損害を与えてしまったとすると、その建物の占有者あるいは所有者が賠償しなければならない」 というもので、責任の所在を明確にしています。 ◆専用使用権により責任は各区分所有者へ 標準管理規約では、敷地や共用部分などの管理について 「敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。 ただし、バルコニー等の管理のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない (第 21 条 1 項)」 としています。 バルコニーは共用部分に分類されますが、一方で当該居住者が排他的に使用できる専用使用権を有しているため、専用使用権者、つまりバルコニーとつながる居室 (専有部分) の占有者または所有者が 「管理責任」 を負うことになります。 バルコニーは区分所有者全員の共有財産であることから、その管理は管理組合とするのが本来のあり方ですが、他方、上記管理規約では通常の使用に伴う管理責任者を専用使用権者としています。 要するに、 ・ バルコニー自体の欠陥が原因で損害が発生した場合は、工作物責任により管理組合が責任を負う。(施設賠償責任特約) ・ 施設に不備はなく、日常使用の中で、例えばバルコニーから布団を落としてしまい他人をケガさせたような不注意による場合には区分所有者、また、賃貸に出していればその賃借人が責任を負う。 (注意!)個人賠償責任包括特約 万一のための特約ですが、当該特約は 「居住者である加害者」と「被害者」が明確で無い場合は保障の対象外(※1)となり、“ 管理組合が負担 ” することになりますので注意が必要です。(死亡事故では数億円の賠償を請求される可能性もあります。) ---------------------------------------------------------------------------------------- 去る4月5日(金)の強風(最大瞬間風速21.6m/s 南西)で、当マンション(2号館)東隣りの店舗敷地内に、大型のクーラーボックスが(マンションバルコニー?から)飛来落下したようですが、たまたま負傷者は出なかったとのことです。これ迄にも数件(個)の飛来落下物を近隣から指摘されていたようです(苦情)。 ---------------------------------------------------------------------------------------- 第三者から損害賠償請求を受けないとも限りません。保険対象外(※1)の場合には、組合員全員が賠償義務者となります。ご注意ください! |
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