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『帝国化する日本-明治の教育スキャンダル』長山 靖生(ちくま新書20/9)
愉しい本棚 投稿日:2020年10月14日 10:49 No.842
 ☆☆☆
〇「BOOK」データベースより
日清・日露戦争に勝利した日本は帝国化に向かうべく、また青年層の贅沢化と個人主義化への懸念を払拭するために、国民教育における愛国教育を推進した。それはやがて妄想レベルにまで進み、三つの象徴的事件―哲学館事件、南北朝正閏論争、進化論問題を引き起こす。これらのスキャンダルから、明治初頭の実学優先・合理主義の教育が教養・精神主義に転換し、国家と天皇の神聖化、帝国神話強化に向かうメカニズムを解読する。教育の右傾化が危惧される今こそ必読の一冊。


<長山/靖生> 1962年生まれ。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。開業医のかたわら、幅広い著述活動を展開。「偽史冒険世界」で大衆文学研究賞、「日本SF精神史」で日本SF大賞と星雲賞を受賞。