いつもこちらを参考にさせて頂いています。 コロナ禍でのレッスンが続き皆様お疲れが出ていないでしょうか。 どうしたものかと悩んでいることがあり、皆様ならどう対処されるかご意見を伺いたいです。 小学校低学年からピアノを初めて3年目の生徒、頭の回転が速く処理能力に長けているお子さんで入門時はどんどんテキストが進みました。ソルフェージュもワークも問題なくサクサクとこなしています。 入門が終わり初級に入ってしばらくしてから、テキストの内容が少しずつ深まってきて「ただこなすだけ」ではすまなくなった頃から、教える側としては正しい奏法、楽曲の曲想等その内容に見合った具体的なレッスンをするようになりますが、その頃から何というか、こちらが教えようとしている事柄が生徒さんを素通りする、というか悪く言えば無視されるような感覚に陥ることが増えてきました。 レッスンの中では「はい。」と返事をしてその通りに弾いたり直したりするのですが、1週間たってレッスンに来ると一番やって欲しい事を全くやってこなかったことが見え見えな状態。自己流でそれなりには弾いて来ますがピンポイントで注意したことはほぼそのままです。また同じことの繰り返しとなり、最後はそこそこで合格というレッスンが続いています。多分、その生徒さんにとってピアノは計算ドリル、あるいはゲームのような感覚なのではないかと思います。表面的にこなせたらO.K.のような。こちらの言っていることは頭では理解はしていると思います。でも重要に考えていないのか、必要と思わないのか、直して来ません。 このような生徒さんに諦めずにアプローチしていくにはどうしたら良いのか、お知恵を拝借させて下さい。 因みに、お母様はコミュニケーションが取りにくい方でお子さんの事を二人三脚で支えていく事は不可能です。以前別件である事を相談したところ少し不愉快な思いをした事があり、それ以来お母様とは距離を置く事にしました。ピアノは週1回のレッスン以外の日々の練習が大事なお稽古事なので上手くお母様とコミュニケーションが取れると良いのですがそれは諦めています。 どうぞよろしくお願い致します。 |
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さるたこ先生 ご丁寧に書いて下さりありがとうございます。 表現について、定型を覚えてもらうというやり方になるほど!と思いました。 一旦型にはめさせるー機械的でもーというアプローチをしてみようかと。 その前に指使い、基本のスケール、アルペッジオは正確に出来るまで繰り返しやらせる、 気になる所が多々あるとしてもまずはここからですね。 そしてリズムについてですが、仰る通り聴いていません。運動として弾くことで満足しています。「自分の弾いているものを客観的に聴く」は誰にとっても難しい事ですが、これが本当に苦手です。さるたこ先生のように指摘されたら「あっそうか。」と気づいて意識してくれたらいいのですが、「聴く」ということがどういうことなのか分かっていないと思います。聴音は得意ですが、そういう意味の聴くではない耳がまだ育っていないのでしょうか。 と、またもやあれこれ出てきますがお陰様で大分私の頭は整理されてきました。ここ数回のレッスンもポイントを絞って徹底的にやるやり方で以前よりも能動的なレッスンになっていると感じています。 何度も本当にありがとうございます。インプットの時期、と自分に言い聞かせながら次回以降のレッスンに臨んでみます。 |
私は高校生までは機械的だったので、指使いは楽譜に書かれたまま正確に弾いてました。基本の指使いが分かると、応用や自分なりの指使い、指番号の書いてない上級の曲にも対応できました。ので、指使いはきちんと覚えた方がいいかと思います。 スケールやアルペジョも正確に。普通に弾いても指使いが身についたかは怪しいので、リズム変奏したり3度平行奏しても弾ければ、確実に指使い覚えたと言えるでしょう。 表現は、まずは機械的にアプローチしてみればいいと思います。 上行だからクレッシェンドね、臨時記号多い所は目立たせてね、スラーの最後だから抜いてね、とか。実際に、うちの生徒さんも自発的に歌える子は3人くらいしかいないので、そうやって指導してます。 無い所からは生まれないので、定型を覚えてもらうのです。 リズムがよたっているのは、リズム感が悪いというよりは音を聴いていないのだと思います。そういう私もつい何年か前まで、音の粒が揃ってないのを指摘されてましたが、指摘されるまで意識してませんでした。指先に意識が向かないまま、ただの運動で弾いていたようです。 その指摘してくれた先生に師事するまでは、「音色」っていう言葉も聞いたことありませんでした。いろいろ知らない事だらけでした。 とりあえず、今はインプットの時期ですね。 |
さるたこ先生 スカートきつい先生 その節はありがとうございました。 あれから数回のレッスンでお二人の先生方からヒントを頂いたことを実践しています。 ある箇所を取り出して具体的に課題を出して今やるべきことを明確にしてみました。 これが今後功を奏するかどうか分かりませんがそれまでのマンネリレッスンからは脱却出来ています。 さるたこ先生、もしまだこちらを見ていらしたら差支えのない範囲で教えて頂ければと思います。 先生はドビュッシーに出合われるまでは先生からのご指摘にピンと来られていなくて先生からご覧になるとのれんに腕押し状態だったと思います、と書かれていらっしゃいます。でもきっとピンと来なくても練習はご自分なり?に一生懸命されたのだと思いますからドビュッシーに出合われて自発的に「こんな音出したい!」と思われた時にその準備が整っていた、つまりそこから先に進める下支えの部分は身に付いていた。勿論、専門に道に進まれたのですからそういう努力をされてきたのだと思います。 そう考えると、大事な事身に付けて欲しいことは色々あるけれどもある程度生徒のやり方を受け入れながら「ここはどうしても駄目!」というポイントに絞ってのレッスンをするのがいいのかなと思ったり。 その生徒さんは前にも書きましたけれどドリルのようにどんどんテキストをこなしていくことが楽しいようで、でもそうするとこちらに欲が出て「そこまでこなせるならあれもこれも」となってしまいますが、生徒さんからするとピンと来ないことをあれこれ言われるからかえって何をしたら良いのかチンプンカンプンになってしまうのかなあと。手の形や指運びがかなり「自己流」になったり、情緒的でレガートに弾く所が棒弾きだったり、付点のリズムがよたっていたり、と多々ある中でやろうと思えばその子なら全部出来るようになるのにと思ってしまうのですが、指示を絞った方が良いと思われますか? 何だか書いているうちにさるたこ先生にお聞きしたいことが曖昧になってしまいました。先生のお子さん時代と私の生徒が重なるのでつい。もしよろしければ先生のお考えをお聞かせください。 |
スカートきつい先生 再度のご返信ありがとうございます。 とても参考になりました。ずっとこちらからの一方通行状態でしたから本人に何か自発的にやってもらう(それが嫌々でも)のはいいかもしれないと思いました! 同じ事の繰り返しで突破口が見えなかったのですが、さるたこ先生とスカートきつい先生のお陰でちょっと違う方向からアプローチしてみようと思えるようになりました。 教える側からしますと、この年齢でここまで身に付けておけば将来より自由に楽に弾けていいだろうなあと思い、その能力を持った子供ならその能力を活かせるまでのものを教えておきたい!と思いますからあの手この手でアプローチしますが、最初からこれはいらない、必要ない、というような態度ですと正直勿体ないなあと思ってしまいます。でもそういう態度も含めてその子の能力と考えれば致し方ないのかな。とにかく、こちらが妥協しない姿勢でレッスンをすることですね。めげそうになることも多々増えてきましたが頑固先生頑張ります! お二人の先生、ありがとうございました。お陰様で私の中で新しい風が吹いてきたのでこれで締めさせていただきます。 |
無視する子ども、うちの教室には多いですよ。なめられてるのかもしれませんが。聞かれたらそれに対してまずは返事をしなさいとか言っています。失礼な子供も大人も増えました。 いわゆる、昔良しと言われた気質、「従順」「素直」という生徒は少なくなったと感じます。大人もそういうものが望ましいみたいなことを言う人が減ったと思うし、言われないから子供たちもふーん、そういうのがいいのかと感じることも減っているのでしょう。逆にそんな大人に従順な子供なんて云々...と否定的な話を言う人も増えたと思います。多様性の時代なら、そんなの時代遅れと言われなくてもいいと思いますが。 私はノートを使わせる生徒は毎日一定時間練習のできない生徒に対してです。回数だったり時間だったり生徒によって変わりますが、書かせてちゃんとできた日には花丸みたいなことをすることもあります。 やり方を書くのは、私だったり生徒だったり、その生徒がどのタイプかによっていろいろ変えています。自分のやり方を書くことによって自己確認ができて伸びる場合と、自分のやり方はいい加減で、私にがっちり管理されるタイプと様々です。 ご参考になるといいのですが。 |
スカートきつい先生 さるたこ先生へ返信を送った直後に先生からの書き込みに気づきました。ありがとうございます! はい、その子は子供っぽい感じの曲には拒否反応を示しますし子ども扱いも好きでないので、指導の言葉も内容も中高生向きな感じで教えています。ただ、テクニックはまだまだ、精神的にも実は中身は子供です。曲の中でここは外せない!と思う箇所を取り出してその場で弾き方を教えます。その際に例えば指使いを勝手にしていたとしますと正しい指使いはこれで、こういう弾き方をすれば自ずとこの指使いが自然になる、と教えます。そこで「ああそうか」となり何度かそこで一緒に練習、そしてそれが来週までの課題となるとします。ところが次のレッスンでその箇所が元通りになって弾いているということが多々あるのです。レッスンではかなり具体的に取り出してやっているのですが。 合格ラインについても初級に入った頃に「ここからは今までとは違ってこれこれが出来たら合格」と伝えています。言葉は大人の言葉が学年の割に通じます。言葉は通じても「はい。」と言いながら耳から耳へ抜けていくのかな。たまにがつん!ときつく言うとその時だけはやってきたりします。スカートきつい先生は練習ノートを活用していらっしゃるのですか。言葉だけよりもかなり効果を感じていらっしゃいますか?楽譜への書き込みはしますが、ノートの活用はしたことがありませんでした。 仰るように現代っ子はうるさく言われることに耐性がないのかなと思う事は多々あります。そしてすぐに疲れてしまいます。レッスンで覚えて貰いたいので何度か弾かせていてふと見ると「はあ~」と疲れて姿勢も保てなくなっています。 無視という感覚はあまり、というかかなり気持ちの良くない態度だと私は思うのですが、そのようなお子さんは多いのでしょうか。レッスンで一緒にやって出来た事を家での練習では全くやらないというところがどうしたものかなのですが、書くというのはひとつの良い手段かもしれません。そのノートですが、やり方を書くのは先生ですか?生徒でしょうか? |
さるたこ先生 ありがとうございます!まさに、まさにそのタイプのお子さんです。 そして何故その子がそうなのかも分かるのです。さるたこさんの仰るように音色、表現、情緒が全くピンとこないのです。ピンとこないからやる必要なし、となってしまうのでしょう。ノリノリなテンポの曲は好んで弾きます。スローな曲は棒弾きです。でも実はリズム感はいまいちでテクニックもまだまだです。だからノリノリな曲を少しよたりながら楽しく弾いて本人は「弾き切った!」と満足しています。 100%音楽の道には進みませんからもっとこちらが妥協してある適度好きにやらせるのがいいのかな、と思ったり、いやいや、私にも信念があるから大事だと思う事、今のうちに身に付けて欲しい事はしっかり身に着けて貰って、将来その子が自分のスタイルで自由に弾くのはいいけれどもそれまではうるさく言おう!と思ったりレッスン毎に心が揺れています。譜読みは(単に音符を正しく読むという意味では)全く問題がなく、それだけに譜読みに時間を取られてしまう生徒さん達とは違ってその時間を別の事に有効に使おうとこちらは欲が出てしまいますが、こちらは張り切ってやることは文字通りのれんに腕押し状態。 楽譜を使わずに音階だけ、トリルだけ、というのはいいかもしれないと思いました。「夏休みテクニック強化期間」ということでひたすらそれだけをやってみようかな。近現代はドビュッシーはまだ弾けませんが、邦人の曲を打診した事があります。でも、楽譜を一見して却下されました。(私自身もその場で弾きました。)何やら訳の分からない曲、と認識したようです。 確かに、興味のある作曲家とか好きな曲が全然ない子で、学校の音楽鑑賞は退屈でしかなく、あれこれ私が弾いて見せてもしら~っというい感じです。そのうちに好きな曲に出合えるのかなあ。 言った方がいいですよね、やはり。「この先生いちいちうるさいなあ」と嫌われ者になりますかね。改善が見られたらいいですが、見られなくても来ている間はうるさく言おうかと思います。時々、細かい事をいちいち言わない先生もいらっしゃるだろうし、この子にはそういう先生の方が向いているのかなあなんて思う事もあるのです。何だかピンと来なくても言われた事はある程度やるタイプのお子さんもいますけれども、特に今時は自分がそうか!と思わない事はスルーでよし、親からも叱られないし、という感じなのでしょうか。 さるたこ先生のお言葉で勇気が出ました。ありがとうございました。 |
こんにちは。大変ですね。私も毎日したたかな子供たちと騙し合いです。 最初にハードルを低くしておくと、定位置にしたときに拒否反応を示すお子さんはけっこう沢山いますよね。それを考えると、慣れるまでは片目をつむって合格というやり方(最近の私のやりかた)はどうなのかと思うことがあります。最初から難しいことも小出しにしていった方がいいと思います。1回で合格できないこともあるとか、暗譜しないと合格させないなどストレスに慣れさせておかないと、急に難しくなって進まなくなってやる気をなくしてしまうみたいな子も沢山いますね。 敏感な子などは、あまりストレスを与えないようなレッスンを心掛けていても結局そこそこのレベルになれば行き詰まり、耐性が育っていなくて、対応の仕方が適切であったかどうか悩みます。 特にできるお子さんだったら、かなり早い段階からレベルの高い、内容のある大人と変わらない内容を要求するレッスンをなされた方が、そこそこのストレスへの耐性もできるし良いような気がします。 それと現代っ子は、あまりうるさく言われ慣れていないので、先生のやり方に合わせるという感覚は少ないと思います。先生の言うことを聞かなくとも昔みたいに厳しく叱責されることもないし、基本自分のやりたいようにやりますよ。 呑み込みが早い生徒なら、なんで今まで合格になっていたものがならなくなっているのか疑問に思っているかもしれませんよ。合格ラインを変えることをお話しなさいましたか? それと子供が思い描く練習と大人が練習と言っているものには大きな開きがあるので、家での練習のしかたは紙に書いて教えた方がいいと思います。一度説明して次回確認して、覚えていなかったら練習の仕方を再度言わせ覚えるまで繰り返す。練習の仕方がわかっていても面倒くさくてやらない子供はいくらでもいますから、先生の思い描く練習が定着するまでは、練習ノートを記入させ管理するのも手だと思います。 無視するのはできないと思っている証拠だと思います。都合の悪いことには返事をしないで無視を決め込む子供は私の周りには多いです。 |
指導者になって20ウン年です。 もしかしたら、私自身が直さない生徒だったかもしれません。 計算とか理数系が好きで、表現をする文系が苦手でした。 高校生くらいまで、『音を間違えず、強弱つけて、ある程度のテンポが出せれば曲は合格になる』と思っていました。楽譜の読み間違いはほぼ無く、音色?なにそれ?状態で、まるで機械の様でした。かといってテクニックがあるわけでもなく。指先に意識が向いていなかったので、ミスタッチしまくりでした。 高2の途中からついた先生に、それこそ同じ箇所を10回もやり直しさせられたり、指の形・音色をつける…くどくど言われました。本人がそれについてピンと来ていなかったため、先生は長い間のれんに腕押し状態だったと思います。 私はドビュッシーに出会って変わりました。肌に合ったみたいで、自発的に「こんな音出したい!」と思うようになりました。その先生以前の先生たちは、近現代を宿題に出す人がいなかったので、もしも昔の先生のままだったら、上達はもっと遅れていたでしょう。 アベリアさんの生徒さんは頭の回転が速いとのことなので、恐らく音符を読むのは問題無いのでしょう。むしろ、音符の多いのを攻略して満足するかもしれません。 意表をついて、音符の少ないスローな曲、表現しないと合格しようのない曲はいかがでしょうか。またはポピュラーとかで、譜面の正確さよりもノリを大事にする曲とか。 テクニックに関してはいっそのこと、楽譜使わずに音階だけ・トリルだけとか。楽譜があると、音符を正確に追うことで頭の中が100%になってしまうので。 私みたいに「これ!」とハマるジャンルが見つかればいいのですが。 よく子どもが学校で先生に注意されたことを、大人になって「そういうことだったのか!」と気づくことがありますが、後になって響くこともあるので、言わないよりは言った方がいいと思います。 生徒さんに改善が見られるといいですね。 |