マスクといったら・・・ - 【連想ゲーム】マジカル３世号！

マスクといったら・・・

ひろ投稿日：2022年05月20日 16:08 No.810

警察

「部長！　新たなマスクを開発しました！」
「新たなマスク？」
「はい！　装着感はゼロ。熱中症対策にもＯＫな画期的なマスクです。
　しかも、屋外でのマスク着用が緩和されようとしている今こそ必要なマスクなんです」
「ふ～ん、とりあえず見せてみろ」
「え？　部長には見えてないんですか？　今、私はつけているんですけどねぇ」
「いや、お前、マスクしてないだろう？」
「いやいや、いま私はそのマスクをしているんですよ」
「つけてないだろう」
「いいえ、このマスクの最大の特徴がこれです！　
　装着しているのにつけているようにはまったく見えないとってもスマートなデザイン！
　しかもですよ、世の中マスクを外したいけど外せない理由として他人の目というのがあ　　るんです。
　このマスクをすれば、マスクをしていない人を非難するマスク警察の目も苦にしなくていいマスクなんですよ」
「マスクが見えなきゃ攻撃対象になるだろう」
「そう思うでしょ。
　しかし、そこがこのマスクのすごいところなんですよ。
　いいですか、このマスクは、馬鹿には見えないんですよ」
「裸の王様かよ」
「いえいえ、馬鹿だけじゃんないんですよ。
　傲慢で、自己中心的な正義だけで他人を誹謗中傷する奴、
　自己肯定だけで他人を否定しかしない奴。
　自分のことは棚に上げて相手の批判しかしない奴。
　匿名ならいいたいことを言うくせに実名だと陰に隠れてこそこそする奴、
　人を傷つけても謝りもせず、それどころか開き直って逆キレする奴。
　自分は薄っぺらなくせに、親の威光だけで偉そうにしている奴。
　なんにでもすぐマウントをとって偉そうにする奴。
　自分は顔とスタイルだけのくせに、定収入で不細工な男を徹底的に見下す奴。
　お金に汚くて、ケチな守銭奴。
　金にものをいわせて、女の子をとっかえひっかえする奴。
　そういう奴らには見えないマスクなんですよ！」
「かなり私怨も入っている気はするが」
「とにかくそういう輩には見えないマスクなんです！」
「いやいや、たとえそうだとしてもだよ。
　見えない奴には見えないんだから効果はないだろう？」
「いえいえ、いいですか、さっき私がいったような奴らはどんな奴らですか？
　そう、人間のクズです。そうなんです！
　このマスクの商品名は「人間のクズには見えないマスク」なんです！」
「人間のクズには見えないマスク…。
　とはいえ、見えないんだからつけてないって言われたらそれまでだろう？」
「だ・か・らぁ、いいですか、
　人間のクズって連中はクズのくせに自尊心は強いんですよ！
　自分がクズだなんて死んでも肯定できないし、
　他人からそんな風に思われるのをなにより嫌悪する連中ですよ。
　クズには見えないって言われたら絶対に「見える！」っていうに決まってます！
　この『人間のクズには見えないマスク』は
　『人間のクズにしか見えないマスク』でもあるんです！　
　私はこのマスクを１枚一万円で発売します！」
「暴利だなぁ。
　しかし、この「人間のクズには見えないマスク」は、お前には見えているだよな」
「もちろん！　私はクズじゃないですから」
「でも、これは人間のクズにしか見えないマスクでもあるんだよな」
「そうですよ」
「ということは、このマスクが見えているお前は人間のクズってことでいいよな」
「え？　クズには見えないから見えているということはクズじゃないわけで、
　でも見えたと言ってしまったらそれはクズであることを証明しているってことで、
　だから、このクズには見えないマスクが見えると言ったら、
　それはそのまま自分がクズってことになってしまうわけで…、カオス！」
「大丈夫だ、お前がクズなのはみんな知ってる」

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