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『アイロンかけ』
真木こまき
投稿日:2016年12月27日 17:39
No.1
家事は苦手。かといって誰も代わりがいないから、仕方なくやっていますが特にアイロンかけは、うまくいった試しなし。必ずシワが残るし、なんだかヨレッとした仕上がりになっちゃうのです。
とてもおしゃれな友人がいて、かなりの枚数の服を持っているみたいだから、「クリーニング代、たいへんじゃない?」と尋ねると、すべて自分で洗ってアイロンをかけるのですって。綿でも麻でもポリエステルでもウールでも、まるでクリーニングから戻ったようにシャッキリ。ヨレヨレ仕上がりの私とは大違い。これって、おしゃれへの気合いの差かなあ
アイロンをかけながらよく思うのは、顔のシワ伸ばしアイロンが発明されないかということ。肌にほんのりと心地よい、ぬるま湯並みの温度でマッサージのように顔に滑らせると、ピンとシワが伸びて 、花も恥じらう乙女の素顔、なあんてことにならないかしらん。
昔読んだ外国の小説を思い出しました。不老不死の炎に包まれることで、18歳くらいの美しさを保ち続ける女王が、彼女が支配する秘境の探検に来た青年に心を奪われてしまう。女王は彼を自分だけのものにしたくて、彼に恋する侍女を殺し、もっと若返りたい一心で燃え盛る炎のなかに身を投じるのです。息を呑んでそれを見つめる青年の前に再び姿を現した女王は、なんと実際の年齢そのままにシワくちゃの醜い老女になっていたという凄いお話。
「洞窟の女王」というこの本は、少女のころ大好きで何回読み返したかしれませんが、いまは行方不明。当時は分からなかったけれど、この年になると、絶対に加齢を受け入れたくなかった女王の気持ちも分かる気がします。でもやはり無理な若返りは結局自分を滅ぼす、と作者は言いたかったのかなあ。
あれれ、アイロンかけから脱線してしまったけれど、つくづくアイロンかけの苦手な私です。
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