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岳人誌に伊藤愿さんの滝谷単独行紀行
越田和男 投稿日:2022年11月14日 15:57 No.88
直近の『岳人』誌の連載記事「山の文学アンソロジー」に、伊藤愿さんの昭和2年の滝谷単独行の紀行文が掲載されています。

「高校2年生(旧制)の北穂高滝谷単独初登攀
滝沢谷滝沢岳登攀(単独行)伊藤愿」『岳人』2022年12月号

甲南高校山岳部の「報告」創刊号(1927年)に発表された記事が、実に95年を経て転載されたもので、岳人編集部による的確な解説文と共に今読み返してみて、当時の高校生の大胆な行動力とその文章力に改めて脱帽する次第です。

愿さんのこの成果に始まり、当時未知の岩場だった滝谷のいくつかのルートを初登攀し、全容の概念図を作成、その主要な尾根筋に第一、第二、第三、第四と命名して発表したのが、愿さんの後輩の田口兄弟や伊藤新一さんらを中心とした甲南高校山岳部の人たちでした。昭和の一桁時代の早稲田山岳部による積雪期の滝谷登攀のメンバーだった折井健一さんがご存命にころ、甲南の記録と概念図が実に役に立ったと称賛されていたことを思い出します。

なお、今回の引用文は、愿さんの次女松方恭子さんが編集上梓された『伊藤愿の滞欧日録・妻におくった99枚の絵葉書』(清水弘文堂書房)を底本とされたとのことです。

本号は単独行特集で、服部文祥、夢枕獏、根本誠らの興味あるエッセイもあり、甲南の諸兄には、このような機会にたまには山雑誌も購読されますようお勧めします。




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