大楠先生へ質問


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でも同じことがいえますか。complexやgroupと報告するよりも菌種レベルの報告をしたほうが良いのでしょうか。

MACについては、治療に使われる薬剤は標準的なものがあると思いますが例えばM. avium とM. intracellulareの混合感染となった場合それぞれのMICを測定することには意義がありますか。

勉強不足で申し訳ございません。
何卒宜しくお願い致します。
大楠清文 投稿日: 2021年12月13日 10:08:59 No.38
ご連絡ありがとうございます。ご質問の件、ウエビナーでご紹介しましたようにM. abscessusは亜種によって治療のキーとなる薬剤であるクラリスロマイシンの感受性が異なるため、亜種までの同定を要求される医師もいますが、例外も2割ほどありますので、薬剤感受性試験を実施するか外注検査所へ依頼されるとよいです。その他の迅速発育菌やMACとの混合感染においても、主治医がその迅速発育菌が感染に関与していると判断された場合は、ブロスミックRGM(極東製薬)を用いて薬剤感受性試験を実施されるか、外注検査所、例えばミロクメディカルラボラトリーへ薬剤感受性試験を依頼されるとよいかと思います。検査をどの段階まで実施するかの決定は、主治医と緊密にコミュニケーションを取ることが大切だと思います。



大楠先生

いつもお世話になっております。
私は微生物検査室専属の臨床検査技師で現在迅速発育抗酸菌について
勉強しております。
迅速発育菌は抗結核薬に耐性を示し、使用できる薬剤が限られるため
薬剤感受性試験を実施し、感性の薬剤を使用することが重要であるとのことですが、
CRBSIのような血流感染症の場合でも感受性判明まで経験的治療は行わないのでしょうか。行う場合どのような薬剤を選択していくのでしょうか。また,M. abscessusは亜種によって感受性が大きくことなるとのことですが同じcomplexに含まれる菌種(M. fortuitum complexやM. chelonae )


4年間お疲れ様でした 山本剛 投稿日: 2021年08月31日 19:28:14 No.33 【返信】

大楠先生

4年間もの間ですが、お疲れ様でした。先生のお陰で日本の臨床微生物は大きく方向転換ができたかと思います。米国の検査室は遺伝子かけて終わりとか、質量分析して直ぐに同定結果が出るとか夢のような話と思っていましたが、現在は同じことが日本でもできるようになりました。これも大楠先生の教えがあってのことかと思います。
また貴重な資料も提供して頂きました。恐らく作られた大楠先生が一番知識を習得されたことと思います。今後は別の機会を設けますのでご紹介して頂ければ幸いです。

また、このような機会を作って頂いた日本BDにも感謝したいと思います。
大楠清文 投稿日: 2021年09月01日 09:27:12 No.34
山本 剛先生

 ご連絡ありがとうございます。4年以上にわたってBDウエビナー菌トレをご覧いただき、ありがとうございました。先生にはグラム染色像や集落の写真をいつも快くご提供いただき、心より感謝申し上げます。
 グラム染色は迅速・簡便に起炎菌の推定ができるため,初期治療における最適な抗菌薬の選択に欠かせない検査法であることや追加の染色や培養・同定検査の方向づけを行う「羅針盤」の役割も担っていることをこのシリーズでもご紹介しましたが、「グラム染色はオーダーがないとやらない!」との施設や技師さんもいらっしゃるのが現状です。臨床微生物検査の「臨床」を意識した検査体制になるには、まだまだ道のりは長いと実感することもあります。是非、今後も継続してグラム染色の重要性と魅力を全国の皆さんに紹介していただき、感染症診療に貢献できる検査体制がすべての医療施設で実施されるようにご尽力いただければと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。  大楠


ありがとうございます 山本剛 投稿日: 2021年05月02日 22:53:34 No.30 【返信】

いつも楽しく拝見させて頂いています。46回目は本当に大楠先生以外続けれない仕業です。続けれる限り続けて頂ければ若手にも刺激になると思います。また、ところどころでご紹介ありがとうござます。
C. acnesのように、肉芽腫の原因になる微生物は多いと思います。特にGPRのようにプロテアーゼ活性が強いもの、組織内感染が多い菌に多いと思います。我々が分かっていない病気を検査室の気付きで解明されていくことがあるのでもっと頑張って行きたいと思います。
大楠清文 投稿日: 2021年05月03日 11:55:30 No.31
山本 剛先生

 ご連絡ありがとうございます。こちらこそ、いつもグラム染色の綺麗な写真をご提供いただき、心より感謝申し上げます。4年間ウエビナーを継続してきましたが、残り2回で終了予定です。150を超える様々な菌種(類縁菌種も同時に取り上げていますので200菌種以上)をご紹介できて私自身、本当に良い機会をいただいたと感謝しております。今後ともどうぞよろしくお願いします。


無題 藤原 投稿日: 2020年09月27日 21:13:19 No.26 【返信】

大楠先生
いつもお世話になっております。臨床検査技師の藤原です。
第15回ウェブセミナーの内容に関して質問させてください。

終盤の『血液培養から分離されるらせん菌の鑑別性状』の表なんですが
D.desulfuricans
ウレアーゼ(-)
カタラーゼ(+)

A.succiniciproducens
馬尿酸加水分解(+)

と私の手持ち資料にあったので、気になりご教示お願い致します。毎回、しつこくてスミマセン。先生からお答えを言われた方が気が安心するのでよろしくお願いします。
大楠清文 投稿日: 2020年09月28日 11:11:30 No.27
 ご連絡ありがとうございます。ウエビナーで紹介の性状表を詳細にチェックしていただき、感謝申し上げます。ご指摘の表の元文献はこの回でご紹介している「Anaerobiospirillum succiniciproducens による
血流感染1 症例:本邦3 例目からみる簡易推定」 医学検査 Vol.67(1): 124-130, 2018の表から引用しております。
 D. desulfuricansのウレアーゼ陽性、カタラーゼ陰性はManual if Clinical Microbiology 12th Edition (ASM)のP. 1012のTABLE 10でも同様な記載ですので、ご確認をどうぞよろしくお願いします。
 A. succiniciproducensに関しては、本菌種が登録されたIJSEMの論文や他の症例報告の論文、ASMの上記マニュアルにも記載がありませんでした。本菌種の分離菌株が極めて少ないなか、ある特定の性状が本当に陽性であるのか、陰性であるのか、少なくとも5~10菌株以上供試していなければ確率論的にも判断が難しいのが実情です。しかしながら、1菌株あるいは、2,3菌株しか分離されていないなかで、新種記載されることがありますので、このようなケースでは個々の性状はあくまでも参考値として大まかに捉えないと行けない場合もあります。
 個々の性状はあくまでも「生き物」としての代表的な菌株での結果ですので(当然、変わり者もいる可能性があります)、現在は、質量分析法や分子生物学的な解析法も外注検査等で活用できる時代ですので、生化学的な性状だけでなく、総合的な判断が肝要だと思います。


無題 藤原 投稿日: 2020年07月18日 15:01:58 No.24 【返信】

大楠先生
いつもお世話になっております。臨床検査技師の藤原です。
第8回ウェブセミナーの内容に関して質問させてください。

Cardiobacteriumの尿素分解能についてなんですが
C.hominis  (-)
C.valvarum  (-)となっていましたが

臨床と微生物 2019年9月の本「検出はまれだが知っておくべき細菌・真菌」のCardiobacteriumでは
C.hominis  (+)
C.valvarum  (-) となっていました。

他の資料でも探したのですが尿素分解能だけ載ってなかったりと苦戦しております。
どちらで理解した方がよろしいでしょうか?お手数をおかけしますが、ご教示お願い致します。
大楠清文 投稿日: 2020年07月20日 11:12:13 No.25
藤原様

 いつも細かな性状をご確認いただき、感謝申し上げます。臨床と微生物2019年9月号「検出はまれだが知っておくべき細菌・真菌」もご確認いただき、ありがとうございました。この雑誌のCardiobacterium hominisも私が執筆しましたが、こちらから雑誌社へ提出した表を確認したところ、以前に菌トレ8回目で紹介したように尿素分解は陰性で提出しており、その下のフルクトースが陽性であるべきところを陰性となっていますので、編集の段階でこれらのデータが入れ替わったようです。結論として、C. hominisの尿素分解は陰性です。このデータが記載されている論文を以下に示します。
https://jcm.asm.org/content/jcm/42/4/1590.full.pdf

 菌トレで何度かご紹介していますが、新菌種が記載されたときに何株でその菌種の性状が明示されているかをいつも注意しながら、実際の菌株の性状結果と比較することが重要です。例えば、今回お問い合わせのあったC. hominisの尿素分解が陰性とのデータは上記の論文に記載されているように、「1菌株のみのデータ」です。本来であれば、新種の登録では少なくとも約5菌株以上は必要なのですが、それだけの株数が集まるまで論文投稿できないことになるので、1株しか手元になくても新種論文の投稿が行われているのが実情です。したがって、仮に、ある性状が1株で陰性、5菌株すべて陰性、10菌株すべて陰性の3つの条件では、その菌種のその性状の結果「陰性」を反映している正確度が全く異なるということを理解して、論文を確認後に(何菌株のデータでその性状が陽性、陰性と記載されているのか?)、自分の目の前の菌株の性状とを比較・検討することが極めて重要です。さらに極端にいえば、C. hominisの尿素分解が陰性は本当に陰性かどうか1株しか試していないので本当のところはどうかか分かりませんね!というスタンスでいることも大切です。他の性状のデータとを総合的に判断することが肝要です。
 新たな菌種が提案・記載される論文は基本的にIJSEM誌ですが、上記のようにJCM論文で記載されて、後日にIJSEMで承認されることもあります。では、その論文をどのようにして参照するか?ですが、LPSNサイトを活用することがベストです。今回のCardiobacteriumでは以下のサイトです。
https://lpsn.dsmz.de/genus/cardiobacterium

 このサイトのなかで、C. hominisが最初に記載されて、その後、2004年にC. valvarumが新種記載されたことがわかるので、この新たな菌種の方の論文を参照すれば、様々な性状がC. hominisと比較されて掲載されているのでは?と考えて、このC. valvarumが登録された論文へたどり着く、そして自分が知りたいC. hominisの性状を入手するというプロセスです。
 以上のような考え方で今後、IJSEMサイトをご活用いただければ、自分のほしい情報を入手できます。
 今後もウエビナーの記載内容や性状をチェックしていただき、齟齬をご指摘いただけるとたいへん助かります。どうぞよろしくお願いします。


溶連菌の馬尿酸加水分解について 藤原 投稿日: 2020年06月14日 14:35:51 No.21 【返信】

大楠先生
いつもお世話になっております。臨床検査技師の藤原です。
第3回ウェブセミナーの内容に関して質問させてください。

馬尿酸加水分解についてなんですが
S.pseudoporcinus (+)
S.porcinus     (-)となっていましたが

ASM臨床微生物学プラチナレファランスの本では
S.pseudoporcinus (-)
S.porcinus     (V) V:不定 となってました。

両情報から両菌種ともVと理解した方が良いのでしょうか?お手数をおかけしますが、ご教示お願い致します。
大楠清文 投稿日: 2020年06月15日 10:12:23 No.23
 第3回目のウエビナーの内容に関してご質問いただき、ありがとうございます。S. pseudoporcinusが記載されたIJSEMの論文を再度、チェックしました。確かに馬尿酸加水分解は陰性と記載されています。ご指摘いただき、ありがとうございました。S. porcinusについては、最新版のManual of Clinical Microbiology 12th Editionでは、V; variableと記載されています。またASM学会でのワークショップ講習会(Clinical Microbiology Board Review Course)のテキストもチェックしましたが、「May be hippurate +」との記載でした。したがって、S. pseudoporcinusは馬尿酸加水分解 陰性,S. porcinusはV; variableに修正します。
 今後も何か疑問点や修正箇所等がありましたら、ご指摘いただければたいへん助かります。今後ともどうぞよろしくお願いします。


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