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感染症と鉄剤について 八重樫 投稿日: 2022年12月01日 17:10:19 No.54 【返信】

大楠先生

今回のセミナーのなかでセフィデロコールについて触れられていましたが、鉄剤を感染症患者へ投与している症例をたまに見かけます。待てるようなら休薬していただくのですが、感染症患者への鉄剤投与は問題ないのでしょうか。透析領域だと避けるたほうがよさそうな文献もありましたがはっきりと記載されているものがありません。
セミナーの内容からは外れてしまいますが、先生のお考えを教えてください。
大楠清文 投稿日: 2022年12月02日 10:05:41 No.55
八重樫先生

 ウエビナーを視聴していただき、感謝申し上げます。私の専門外のご質問ですが、文献を提示いたします。非臨床のマウス感染モデルでの検討データですが,鉄を過剰投与したマウスにおいても薬効は変動しないことが報告されています。要旨を以下に示しますので、詳細は以下の論文(Efficacy of Humanized Cefiderocol Exposure Is Unaltered by Host Iron Overload in the Thigh Infection Model)をご参照いただければと思います。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31658966/

Cefiderocol は鉄欠乏下で大きな効力を発揮するシデロフォア-セファロスポリン結合体である。しかし、遺伝性ヘモクロマトーシスのような鉄過剰症がセフィデロコールの有効性を変化させるかどうかは不明である。そこで、鉄過剰症マウスと標準的なマウス大腿部感染モデルにおいて、cefiderocolの有効性を比較した。好中球減少下のメスCD-1マウスに、鉄デキストラン100 mg/kg/日を2週間腹腔内投与(鉄過剰投与モデル)または注射なし(標準モデル)で比較した。マウスには,Enterobacterales,Acinetobacter baumannii,Pseudomonas aeruginosaを107 CFU/mlで接種した(cefiderocol MIC 0.25~64 mg/Lの既定値)。ヒトをモデルとしたcefiderocolまたはmeropenem(2 gを8時間ごと(q8h),3時間点滴)レジメンを24時間(31株)または72時間(15株,cefiderocolのみ)投与し,cefiderocolとmeropenemのMICを測定した。標準モデルおよび鉄過剰モデルで同時に行った.ベースライン時の平均細菌量(log10 CFU/thigh)は,標準型と鉄過剰型それぞれで5.75±0.47 vs 5.81±0.51であった.24時間後、鉄過剰症モデルにおける平均細菌量は、meropenem投与マウスで-0.8±1.9 対-1.2± 2.0(P=0.25)、cefiderocol投与マウスで-1.5±1.4 対 -1.6±1.5(P=0.54)減少していた。72時間後では,cefiderocol投与群では,-2.5±1.5 vs- 2.5 ±1.4と減少した。meropenemおよびcefiderocolは、モデル間で有効性の全体的な違いは観察されなかった。cefiderocolは、鉄過剰症患者および健常者において、ヒトでの曝露をシミュレートした場合、同等の有効性を示した。鉄過剰症患者におけるグラム陰性感染症治療へのcefiderocolの臨床使用の可能性が支持された。


感染症と鉄剤について 八重樫 投稿日: 2022年12月01日 17:09:50 No.53 【返信】

大楠先生

今回のセミナーのなかでセフィデロコールについて触れられていましたが、鉄剤を感染症患者へ投与している症例をたまに見かけます。待てるようなら休薬していただくのですが、感染症患者への鉄剤投与は問題ないのでしょうか。透析領域だと避けるたほうがよさそうな文献もありましたがはっきりと記載されているものがありません。
セミナーの内容からは外れてしまいますが、先生のお考えを教えてください。


vanC1 , vanC2/3 について サトウ 投稿日: 2022年09月15日 12:00:01 No.50 【返信】

第4回 「Enterococcus属菌」類縁属菌も含めて のスライド20ページですが、
vanC1がE.casseliflavus、vanC2/3がE.gallinarumとなっていますが、
正しくは、vanC1がE.gallinarum、vanC2/3がE.casseliflavusではないでしょうか?
私の勘違いであったら申し訳ありませんが、確認させていただきたいと思い質問しました。
大楠清文 投稿日: 2022年09月15日 16:12:18 No.52
ウエビナーを視聴いただき、ありがとうございます。遺伝子の種類と菌名の件、確かに入れ替わっていましたので、修正をかけます。ご指摘いただき、感謝申し上げます。今後ともどうぞよろしくお願いします。


Enterococcus lactisについて 平敷義隆 投稿日: 2022年08月29日 12:12:27 No.47 【返信】

大楠先生

いつもウェビナーを拝聴する度に新しい情報を取り入れることができ大変勉強になります。
Enterococcus faeciumと同定されてる菌の中にEnterococcus lactisが存在している可能性があるというお話ですが、当院でも菌種はE. faeciumで同定されているのにPCGとABPCの薬剤感受性試験が感性となっているケースに何度か遭遇したことがあり、もしかしたらE. lactisだったのではないかと思っております。もし今後このようなケースに遭遇した場合、菌名はやはりE. lactisとして報告した方がよいのでしょうか。(動画を拝聴する限りでは質量分析などでの同定も厳しそうですですし、やはり薬剤感受性試験パターンから判断するしかないのでしょうか)
大楠清文 投稿日: 2022年08月29日 13:32:10 No.49
平敷 義隆先生

 いつもウエビナーを視聴していただき、ありがとうございます。E. faeciumと同定されている菌株のなかで、ペニシリン系薬のMIC値が低い菌株はE. lactisの可能性があると「想定」していますが、ウエビナーでも申し上げましたように、このような菌株が本当にそうであるかの「検証」が必要ですので、皆さんにその検討を実施してほしいとの提案も行いました。したがって、まだ確定している状況ではありません。対象となる菌株を保存しておいてもらえば、今後、検証が可能かと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  大楠


Mタンパクについて 山本剛 投稿日: 2022年08月20日 08:15:33 No.46 【返信】

大楠先生

早速のご回答ありがとうございました。
emm遺伝子解析のところですが、再視聴したところ私の勘違いであることが分かりました。
38枚目のSDSEの解説のところでM蛋白と記載されているところでした。昔M蛋白ではなくM蛋白様とM protein likeと聞いていたことがあり、emmとstG,stCは分けるんだと誤って覚えていました。
今回アップデートできて良かったです。
ありがとうございました。


Mタンパクについて 山本剛 投稿日: 2022年08月14日 07:38:15 No.44 【返信】

大楠先生

いつも多くの情報をコンパクトに、そして分かりやすくご紹介して頂きありがとうございます。
Mタンパクについてのご質問です。
コードしているEmm遺伝子のことですが、S. pyogenesではemm表記ですが、SDSEではstg表記だと思っていました。
今回のお話の中で、SDSEについてもemm表記でご紹介されていましたが、いつ頃から統合されたか教えて頂けないでしょうか。自分のup dateができてないので参考にさせてください。宜しくお願いします。
大楠清文 投稿日: 2022年08月15日 09:23:34 No.45
山本 剛先生

 ご連絡ありがとうございます。いつもグラム染色像をご提供いただき、感謝しております。
 ご質問の件、どのスライドかわかりませんが、SDSEのemm型は確かにstGxxやstCxxで表記されています。スライド40枚目にはJCM論文の紹介では「2つのemm型(stG652.0およびstC36.0)」と表記しております。


抗酸菌の質量分析について 髙橋 投稿日: 2021年12月15日 19:01:38 No.41 【返信】

大楠先生

大変お世話になっております。
ご回答ありがとうございます。大変参考になりました。

度々申し訳ございません。
抗酸菌の質量分析による同定ですが、細胞の蛋白質にアクセスするという観点では、推奨される前処理を行わずに行なったものはスコアの良悪しに関わらず報告されるべきではないですか。
当院で検証したのですが、ギ酸処理のみのものと、エタノールやシリカビーズによる前処理を行ったもので大きな違いがみられませんでした。

宜しくお願い致します。
大楠清文 投稿日: 2021年12月16日 08:57:08 No.42
抗酸菌の質量分析による同定は「抗酸菌検査ガイド2020」に記載されている前処理法すなわちブルカー社やビオメリュー社が推奨している前処理で実施することが前提となっています。データベースの構築も推奨の前処理で実施されていますので、推奨の処理法を遵守しないで同定を実施した際に、スコア値が低い場合には、信頼性がないものと判断して、再度、推奨された前処理法で同定を行う必要があります。一方、スコア値が高く菌種レベルで同定できると判断された場合は、これまでに検討された菌種やデータ等を参考にして、報告されても結構かと思います。


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