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黒の伝説re:writeエピローグ3 ( No.70 )
日時: 2021年08月27日 21:08
名前: REO=カジワラ [ 返信 ]
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エピローグ3です。
ORGOGLIO最大トーナメント・準決勝、決勝敗者のその後。

今回も遅れてしまい申し訳ありません。
それではどうぞ。


1
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Re: 黒の伝説re:writeエピローグ3 ( No.71 )
日時: 2021年08月27日 21:28
名前: REO=カジワラ [ 返信 ]
[ 削除 ]
・・・・




○クロガネの賛歌 亜種 『黒の伝説re:write』



 エ ピ ロ ー グ 3 「 ORGOGLIO最大トーナメント・準決勝、決勝敗者のその後 」


 原案・手拭
 筆者・REO=カジワラ




・・・・






スキンヘッドの頭髪。鋭い瞳。
カミソリで切りそろえたような、
硬質的な肌。そのどれもが、
くぐり抜けて来た戦場を語るような、
歴戦の勇士と言った雰囲気を、
醸(かも)し出している。


その漢(おとこ)の名。


“禿鷲(はげわし)”ブラド・バラハ。


人呼んで『禿鷲のブラド』。


戦場を拳のみで戦い抜く事で磨き抜かれた、

彼(ブラド)、オリジナルの格闘技、

『コマンド・ボクシング』の使い手だ。


ORGOGLIO(オルゴーリョ)

最大トーナメント・準決勝に進出。

“真の護身を知らしめたい!!”ブラック少林と、

激戦を繰り広げ…。惜しくも敗退する。


そんなブラドがこう言う。

「あれで…。」

「少林には借りが出来た。」


続ける。

「戦場なら俺は死んでいた。」

「試合、故に生き残り…。」

「“強くなる機会”を得た。」

「そう思うのだ。」


そして、こう言う。

「そんな少林が、

 戦場へ行きたいと

 耳にした。」


「何か俺が、

 力になれるかも知れない。」


そうして、ブラドは、

少林と再会する。


戦場における機体の整備。

傭兵としての契約の仕方。

対銃の対抗方法。

等々を伝え…。


最後にこう言った。

「南半球へ行け。」

「南アフリカ大陸か…。」

「南アメリカ大陸か。」

「そこなら戦場、引く手あまただ。」


そう聞く少林は感謝の意を伝え。


南アメリカ大陸を向かおうと思うと言い、

そこで別れた。


彼とルルミー・ハイドラゴンとの因縁。

彼の意に沿う形になればよいと、

ブラドは思った。


そして…!

それはッ!!


 そ

 の

 時

 で

 あ

 っ

 た

 !


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ


「失礼(エクスキュゼ ムワ)。」

「ムッシュ・ブラド。」

「立ち合いが望みだよ。」

「それ以上の言葉は必要ないだろう。」


身長201cmのブラドよりも大きな巨人。

そう問いかけた208cmの巨人は…。
とても…。とても『青い男』であった。

先が鋭く。下に曲がった鼻を持ち。
青い外套(がいとう)を身に纏(まと)い。

静謐(せいひつ)を覚える、顔立ちをし。
年月(としつき)を感じる、皺(しわ)が刻み込まれ。

整った頭髪と。整った顎髭(あごひげ)と。

髪が青くて。顎髭(あごひげ)も青くて。

眉も青い。



その男の名…。

禿鷲のブラドはこう言い放つ!!


「待ちわびたぞ…!」

「“鷲鼻(わしばな)のバトゥロ”ッ!!」


バトゥロは確かにもこう言う。

「流石に街中で立ち合う訳には行かないね。」


ブラドが応える。

「近くに“地下駐車場”がある。」

「そこへ行くぞ。」





・・・・





○“都内”『地下駐車場』


ブラドは燃える闘志を抑えながら、こう話す。

「監視カメラはあるが、立ち合いを止める為の物ではない。」

「我が父“ツェペシュ・バラハ”の宿敵・鷲鼻のバトゥロよ…。」

「いつ始めるか?」


バトゥロは答える。

「もう始まってい…」


言葉を発し切る前であった!

先に動いたのはブラドであった!!


シュパァン!

ブラドが天井目掛けて“跳躍(ちょうやく)”する!!


シュパァアン!!

ブラドは天井から、地面に向かい跳躍する!!


シュパァアアン!!!

地面から壁に目掛け!!


シュパァン!シュパァン!!

壁から柱!また天井!!


目まぐるしく跳び回る!!


ブラド

(俺は少林との試合で学んだ!)

(戦う状況と言うモノは、

 勝敗の決定に対して、

 大きく起因をすると言う事をッ!!)


そう、ブラドは己に、

有利な状況を選んだのだ。


コマンド・ボクシング。

戦場を拳のみで渡り歩くボクシング技術。

今回のこの技術は本来、密林に置いて使用する技術。

ここは街中の為、地下駐車場で代用した。


 そ

 う

 そ

 れ

 は

 !


昭和の時代!

“ガリ勉リーゼント”と呼ばれた、

『城之内 孝一』に“勝利した男”が居た!!


その男は“炎の転校生”と呼ばれ、

卓越した身体能力と数々の必殺技によって、

ありとあらゆるライバル達に勝利してきた!!


 そ

 し

 て

 !


これは、そんな男!

“炎の転校生”滝沢 昇(たきざわ のぼる)が

編み出した、必 殺 パ ン チ ッ ! !


 名

 付

 け

 て

 !


滝 沢 国 電 パ ン チ ! !


 ッ

 ッ


それを戦場用にカスタマイズし!!

幾度となく障害物へと跳び回る!!!


 す

 な

 わ

 ち

 !


滝 沢 国 電 パ ン チ ・ 多 重 路 線 ッ ! !


 ッ

 ッ


高速で跳躍する、禿鷲のブラドに対し!

鷲鼻のバトゥロは、手が出せずに居た!!


 そ

 し

 て

 !


めくるめくは、国電パンチを放つ時!

天井からバトゥロ目掛けて、

ブラドが跳躍するッ!!


 ッ

 ッ

 !


ブラドが叫ぶ!

「当たるゥ!当たるパンチが!!

 ああ! 当 た る ゥ ~ ウ ウ ! ! 」


 ッ

 ッ


ブラド!!

「 『 滝 沢 国 電 パ ァ ァ ァ ア ア ン チ ! !  』  」


 ッ


 ッ



 ゴッッ ッ ッ ! !


   シュバァァァ ァ ァ ア アアアア ア ア ア ! ! !


 ッ

 ッ


バトゥロ!

「ムゥ…ッ!!」


間一髪のトコロで、

ブラドの国電パンチを回避するバトゥロ!!


 し

 か

 し

 !


滝沢国電パンチの恐ろしさはここからであった!!


突進しつつ放たれる拳!

そう!それは『上り電車』ッ!


それを回避されても、接地物を蹴った反動で戻ってくる拳!!

『下り電車』が再び襲う“連続攻撃”となる必殺パンチッ!!


 そ

 う

 だ

 !


これぞ、滝沢国電パンチの『下り電車』ッ!!


ブラドは体勢を入れ替え!

両の足で地面に着地しッ!!


地面から再び国電パンチを放つッ!!!


 見

 た

 か

 !


ブラドが雄叫(おたけ)ぶ!

「 『 滝 沢 国 電 パ ン チ !

    下 り 電 車 ァァァ アアアアアア ア ア ア ア ア ア ! ! 』 」


 ッ


 ッ



 ゴッッ ッ ッ ! !

 ゴッッ ッ ッ ! ! !

 ゴッッ ッ ッ ! ! ! !



   シュバァァァ ァ ァ ア アアアア ア ア ア ア ア ア ア ア ! ! !


 ッ

 ッ


禿鷲のブラドのパンチが!

完璧なタイミングで、

放 た れ る ッ ! !


ブラドには油断も気負いも無い…ッ!!


ただ…!

この国電パンチを当てるのみ!!


 し

 か

 し

 !


それは、0.1秒にも満たない『加速』の世界であった…ッ!!


 ッ

 ッ


ド ド ド ド ド ドドドド ドドド ドド ド ド ド ド ド ド ド ド


バトゥロは数瞬思考する…ッ!


 ー もし…。

   私が生物の理(ことわり)通り、

   老いていれば…。


 ー もし…。

   私が“サイボーグ”に、

   なっていなければ…。


 ー 下り電車を待たずして、

   上り電車で沈んでいたであろう。


   それ程、見事な国電パンチであった。



   だ

   が

   !


 今の私はサイボーグ…!

 故に初撃を避け。

 そして二撃もまた…!

“サイボーグ能力”で反撃する事が出来るッ!


 そ

 れ

 こ

 そ

 は

 !


「加速装ォォォ置!!」


 カチッ!

バトゥロは己に奥歯に内蔵されたッ!
『加速装置』の起動ボタン(スイッチ)を、舌で押すッ!!



 ドォ ン ! !

 バトゥロは加速領域(常人超えた速度感覚)に達したッ!!



故にバトゥロの視界はッ!


(止まって見えるハズだが…。)

(加速装置を持ってしても余裕は無しか。)


 な

 ら

 ば

 !


(これは君の父“ツェペシュ・バラハ”を倒したパンチ!)


(そして私がボクシング王者時代、

 本当の強者にのみ放った『フィニッシュブロー』ッ!!)


 名

 付

 け

 て

 !


「 『 ク ロ ス ・ エ イ グ ロ ン ( 交 差 す る 荒 鷲 の 一 撃 ) ッ ! ! 』 」




     チ ” ュ ” ュ ” ド ” ォ ” ォ ” ォ ”ォ ”





                オ”オ” オ”オ” オ” オ”  オ” ォ” ォ” ォ”






         オ ” オ ” オ ” オ ” オ”ォ”ン”オ”ォ” ン ” オ ” ォ ” ン ” オ ”






                 ン ” ォ ” ォ ” ォ”オ”オ”ォ” ン ”ン  ” ゥ ” ォ ” ォ ” ッ ッ ! ! !




            ・
            ・
            ・
            ・

            ・

            ・


            ・





それはボクシングで言うトコロの『クロスカウンター』。

ブラドの『国電パンチ』が被弾するよりも迅(はや)くッ!!

バトゥロの『クロス・エイグロン』が着弾したッ!!


ドサァァァァアアアアア ア ア ア ア ア ア ! ! !

豪快に打ち倒され、地面を擦りつつ吹き飛ばされるブラド…!!


 そ

 う

 ・

 ・


ブラドは…。

もうピクリとも動かない。


バトゥロは…。

Pi…PiPi。


携帯で119に連絡し。


「ムッシュ・ブラド。」

「またの立ち合いを楽しみにしている。」


そうして、その場を後にした。


  ・
  ・
  ・
  ・

  ・

  ・


  ・



『ブラド・バラハ』。20歳。流儀「コマンド・ボクシング」。

バトゥロとの立ち合いにより、顔面の骨が砕ける重傷を負う。

しかし彼は失った意識の中で耳にしていた。


バトゥロの。

「またの立ち合いを楽しみにしている。」

と言う、その言葉に。


またもや、戦場では死んでいた状況であったが…。

自分はまだ生きている。生きているなら…!

“宿願”とすべき事を果たすのみである!!


 そ

 の

 後


アムステラ神聖帝国との戦争も終盤に差し掛かる中!


ブラドはまた舞い戻る!!


 そ

 う

 だ

 !


禿 鷲 は 戦 場 に 舞 い 戻 る の で あ っ た ! !





・・・・





孫 秀炎(スン シウヤン)。

元々は幻の中国拳法・白華鳳凰拳を学ぶ
一人の拳士であったが、後から入門してきた
『李 白鳳(リー パイフォン)』の才能に
驚愕(きょうがく)を覚え、
やがて追い抜かれる。

それから、崩拳(ほうけん)のみを修行し、
白鳳超えを目指したが、師よりそれは
白華鳳凰拳ではないと断じられる。

それでも己の意を通す事を望んだ孫は破門。
独自に修行を続け、その修行の苛烈さ故に、
孫は顔から『表情』を失い…。


 そ

 れ

 か

 ら


孫は“鉄面皮(てつめんぴ)”
と呼ばれるようになった。

そして鉄面皮となった彼は、
白鳳と闘う機は熟したと感じた。


 し

 か

 し


『白華鳳凰拳』、ひいては『中国武術省』から、
離れた身の為である、孫は鼻つまみ者扱いされ、
大会は出禁。拳法道場に入る事も許されなかった。


 そ

 ん

 な

 あ

 る

 日

 の

 事


ORGOGLIO(オルゴーリョ)の試合で
解説者をしていた白華鳳凰拳の先輩の、
張 英傑(チャン インチェ)を見かける。

旧知のよしみ、便宜(べんぎ)をはかって
もらえないかと、恥も外聞も捨てて英傑に頼った。

すると英傑づてに、中国武術省から、


「ORGOGLIO最大トーナメントで

 優勝したのなら、

 李白鳳(リー パイフォン)との

 立ち合いを考えよう。」


との言葉を頂く。


そんな彼は準決勝に進出し…。

“空手を終わらせた女”大蛇(おろち)勝美と、

意地と意地とがぶつかり合うを激戦となり…。


 そ

 し

 て


わずか及ばず敗退…。

いっとき、武から身を引く事も考えたが、

英傑の説得で思い止まる…ッ。

英傑の言葉が嬉しかったからだ…!


 そ

 ん

 な

 彼

 が

 !


『中国武術省』に呼び出された!

約束であった優勝は果たせなかった!

しかし、呼び出されたと言う事は…?


顔に感情は出ないが、期待を胸に!

孫は『中国武術省』に訪れる!!


  ・
  ・
  ・
  ・

  ・

  ・


  ・



○“中国”『中国武術省・会議室』


会議長はこう言う。

「準決勝で敗れたモノも。

 見事であったな、

 孫 秀炎(スン シウヤン)。」


孫は一礼をする。

「ありがとう…ございます。」


会議長は続ける。

「しかし、約束は『優勝』。」

「故に『李白鳳(リー パイフォン)』との

 立ち合いは認められない。」


孫は肯定するしかなかった。

「…。はい。」


しかし会議長は。

「しかし、貴君に機会を与えよう。」

と言う。


孫は期待を覚える。

「機会…。ですか?」


会議長は話す。

「今、地球が迎えている危機を知っていよう。」


孫が答える。

「外宇宙からの侵略者。

 アムステラ神聖帝国と戦争を行っています。」


会議長はこう断ずる。

「それは限りなく大きな“暴力”である。」


孫は応ずる。

「はい…。」


会議長は問う。

「孫よ。武とは何だ?」


孫は思うがままを話す。

「力無き者の…“盾”となる事…です。」


会議長は孫に敬意を表す。

「そうだ孫よ。そして貴君は優れた武術家である。」


孫はその言葉を受け止める。

「もったいなき、お言葉です…。」


そして会議長はこう言う!

「ならば孫よ!貴君は白鳳と共に!!

『アムステラ神聖帝国』と戦うべきである!!」


孫はハっとする!

「…ッ!!」


会議長は、こう言い放った!!

「アムステラ神聖帝国を退(しりぞ)けた、その時…!!」

「孫よ!貴君と白鳳との立ち合いを認めよう…ッ!!」


  ・
  ・
  ・
  ・

  ・

  ・


  ・



孫 秀炎(スン シウヤン)。28歳。中国人。

孫は武術省の提案を受諾(じゅだく)する。

孫は今回のトーナメントで、対人戦経験に劣る事を痛感した。

故に、アムステラ神聖帝国と戦闘する事は、

やぶさかでなかった(=努力を惜しまない)からだ。


この戦争。

いつ終わるかは解らない。


解らなくはあるが…。


心身共に“武”を根差す者として、

アムステラと戦うべきだと感じたし…。


全てを終えた時…!

悲願である『李白鳳(リー パイフォン)』との

立ち合いが待っていると言うのなら!!


自分はどんな苦難をも乗り越えて見せるッ!!


そう!思ったからだ!!


ORGOGLIO(オルゴーリョ)

最大トーナメントは終わった…!!


 し

 か

 し

 !


孫の戦いは!

これから始まるであった!!





・・・・





○大蛇 勝美(おろち かつみ)

日本防衛軍に所属する一曹。21歳。

自分専用にカスタムされた、
コクピット内のパイロットの動きをトレースして動く、
F44-リベンジャーカスタムを駆る女性パイロット。

父は実戦で知られる古流空手「大蛇流空手」の師範かつ
現役軍人の『大蛇毒砲(おろち どっぽ)』であり、
彼女は師範代の実力者で、華奢(きゃしゃ)な
身体に反して、驚異的な身体能力を持つ。


「空手界の最終兵器」

「空手を終わらせた女」


等の異名を取る天才女性空手家ではあるが、
しかしそれ故かなりの自信過剰の性格であり、
相手を見下してかかる悪癖がある為、
油断から思わぬ不覚を取ることが多い。

父と同じく軍に入った理由は「大蛇流空手を広める為」。
(自分の空手で宇宙人をばったばった倒せば
 大蛇流の良いPRになると思った。)
しかし前述の通り、戦果は芳しくない為、
非常に多くの門下生を持つ大蛇流であるが、
いまいちその門下生数は安定しない。

ツインテールがトレードマーク。


そんな彼女が、父・毒砲の勧めにより、
ORGOGLIO(オルゴーリョ)
最大トーナメントに出場した。

毒砲は勝美の悪癖に対し、
己を見つめ直して欲しいと言う
意味を込め、トーナメントに、
送り込んだのだ。

1~2戦は、特に苦労も無く
勝ち進んだ勝美であるが、準決勝たる
“鉄面皮(てつめんぴ)”孫 秀炎(スン シウヤン)戦。
決勝の“真の護身を知らしめたい!!”ブラック少林戦。

共に激闘の名に相応しい試合であり、
幾らかは己の悪癖を改善出来たと言えよう。

父・毒砲もニッコリである。


そんな彼女は今、渋谷に居た。

『逢(あ)って話がしたい。』

と、ブラック少林から連絡を受けたからだ。


『この前、逢った姿では解らないでしょう。』


と、素顔の画像も同封されていた。

勝美は想った。

この素顔。

正直言って『タイプ』だ。


整った顔立ちに、ウェーブのかかった
菫(すみれ)色の頭髪。そして引き締まった体躯(たいく)。

自分を倒した相手ではあるが…否。
自分を倒した相手だからこそ、少林の事を気になっていた。

ああ、素顔の時は「角中」と呼んで欲しいとの事だったな。
何があっても良いように、勝負服のチャイナドレスを、
着用していた。いや、何かって何だ?感じではあるが…。

あ、角中が来た。

全く。女の子を待たすとは…。

でも…。まぁ…。何だ。

画像より、実際逢う方が…。


その…良いな。


私は顔の体温が上がる感覚を覚える。


角中が話しかける。

「待たせましたね。」

「本来なら、2人きりで逢いたかったのですが…。」

「街中じゃないと、シたくなってしまいますからね。」


私は焦(あせ)るッ。

「お、おい、角中。シたくなるとは何だ!?」


角中は冷静ながらも、熱い語気でこう言う。

「貴方と2人でシた。それは熱くも苛烈な事柄でした。」


私は更に焦るッ。

「な・なななな、何言ってるんだ!?私はお前とシてないぞ!!?」


角中は強く言う。

「あの行為…。1人だけのモノとは思いたくありません…!!」


私は平常でいられないッ。

(そ・そんな熱い気持ちで、1人エッチをしたのかコイツは!?)

(コイツの頭の中で私はどんな乱れた姿を…いや、そうじゃない!!)


「ま…。まぁ、悪くない…かな。そう言われるの。」

「(何言っているんだ、私はッ…!?)」


角中はニッコリと。

「それは良かった。」

と言った。


私は…。

「う…うん。」

湧き上がる感情で上手く話せない。



角中は話を変える。

「話と言うのは、私は、戦場へ行く事にしたのです。」


私は相槌(あいづち)を打つ。

「うん…。」


角中は続ける。

「今度は味方として戦う事もあるかも知れません。」


私はまた相槌を打つ。

「うん。」


角中はこう言い放つ。

「戦場へ行く。何よりもそんな決断をさせたのは…。」

「勝美さん。貴方のおかげです…!!」


私は嬉しく想いつつ。

「…うん。」

と、相槌を打った。


角中は強くこう言う。

「話は以上です。勝美さん。また全力でシましょうね…!!」


私はその強引さに。

「は、はい!!」

甲高い声を挙げて、そう答えた。


そうして…。

角中は去っていった。


そして。

すっかり勘違いをした勝美が残った。


シたとはもちろん、激戦だったトーナメント決勝の事である。

角中…否(いいや)、ブラック少林。

コイツ。罪な男である。


  ・
  ・
  ・
  ・

  ・

  ・


  ・



大蛇 勝美(おろち かつみ)。
その後、より洗練された大蛇流空手によって、
八面六臂(はちめんろっぴ)の戦果を挙げる。

このトーナメント。父・毒砲の狙い通り、
彼女にとって大きな意味を持ったようだ。


「角中…。」


そして彼女の想いは…。


「また、逢いたい…。」


どうなるかは、まだ解らない。









ーーーーーー





 ・・・続く。


Re: 黒の伝説re:writeエピローグ3 ( No.72 )
日時: 2021年08月29日 07:58
名前: フィール [ 返信 ]
[ 削除 ]
エピローグお疲れ様です。いい意味で男を上げたメンバーからの角中ぁ!
お前マジいい加減にしろ、天罰落ちるぞ!
(ある意味本当に天罰が落ちました。サンキュー全裸の人)


Re: 黒の伝説re:writeエピローグ3 ( No.73 )
日時: 2021年08月29日 09:25
名前: REO=カジワラ [ 返信 ]
[ 削除 ]
>>フィールさん
感想ありがとうございます+おつありですー!!
ブラドも孫も、男を上げた中の、角中は…!!?w
この人は、ホント、罪な人ですね。無自覚なのは罪だと思うぞ、角中ぁ!ww
前回のジェーンの時は誤解は解けたけど、今回のかつみんは
誤解したまんまですからねぇ~。角中ヤバイ。だから天罰落ちるんだよ!w
尚、エピローグは、全裸の人こと、ヘプシと会った以降の事を触れて
終わる予定です。次回は少林の話+ヘプシとの邂逅を投稿する予定ですね♪


Re: 黒の伝説re:writeエピローグ3 ( No.74 )
日時: 2021年08月31日 00:18
名前: 春休戦 [ 返信 ]
[ 削除 ]
まずはお疲れ様です。
んで、ブラド凄ぇ!!
状況等を加味しても、あのバトゥロが「加速装置を使わせられた」時点で洒落にならん強さや!(@。@;
次いで、秀炎の処遇はコレ、実に妥当と言わざるを得ない。(^^)
ORGOGLIO修斗の時は単なるパワー型だけど、実戦仕様なら体捌きも鍛えて脅威度が増しそう。(w
ラスト、ブラック少林・・・実際、残当であるな。(^ー^;
流石は『コスプレ野郎・古武術・鉄のガード・大和魂・女殺し・スター性』全乗せスキル持ちや。(www
(@フェミリアさんとニッポンポン_2より)


Re: 黒の伝説re:writeエピローグ3 ( No.75 )
日時: 2021年08月31日 02:43
名前: REO=カジワラ [ 返信 ]
[ 削除 ]
>>春休戦さん
感想ありがとうございます+おつありですー!!
ブラドの強さは、この人がショボイとトーナメントの価値が落ちてしまうし、
戦場を拳のみで戦い抜いて来た訳だから、戦場の恐ろしさを考えてみて、
バトゥロに全力を出させないと、話にならないかなあと思い、こんな形になりましたね。
立ち合いの厳しさを出す為、重傷かつカラクリオー終盤まで、戦う事が出来なくなったけど、
印象に残る強さを表現出来たみたいなので、良かったなと思いますね♪

秀炎は宿願とする相手が、私が創作したキャラではないので、落とし所を考えてみるに、
この形が妥当かなと。あと、手段を選ばない男だったら、白鳳に野試合を仕掛ければ良い話なので、
そう言った生真面目さ+誠実さを考えれば、武について実直な人だろうなと思うので、
武術省及び白鳳が、世界の危機をどうにかする為に戦っている以上、まずは世界の為に戦うだろう
と思ったので、こんな形に。言うように実戦仕様になれば体捌きも鍛えられるだろうから、
更に練度を増した漢になるだろうなと思いますね。

ブラック少林こと、かつみんパートは、かつみんの創作者・蟹セカンさんへの
サービスパートでもありますね。以前TRPGで一緒に遊んだ事があるのですが、
非常に魅力的なヒロインを制作するので、トーナメントでは見せられなかった、
かつみんの可愛らしさを表現出来たらなと思い、このパートを書いてみました。
ブラック少林のスキル的にもハマるトコあったし、このパート書いてて楽しかったです♪


Re: 黒の伝説re:writeエピローグ3 ( No.84 )
日時: 2021年09月14日 18:41
名前: テヌグイ [ 返信 ]
[ 削除 ]
僕の頭の中では秀炎は戦場に行くだろうなと思っていましたが
実際その通りになるとは!

そして少林またやりやがった!
まったくお前という奴は・・・・!そんな事してるから反動で全裸の男にであっちまうんだぞ!


Re: 黒の伝説re:writeエピローグ3 ( No.86 )
日時: 2021年09月14日 23:49
名前: REO=カジワラ [ 返信 ]
[ 削除 ]
>>手拭さん
感想ありがとうございますー!
秀炎の構想、手拭さんと同じでしたか!色々考えてこの落とし所に落ち着いた訳ですが、
まさか同じとは…!シンクロニシティってヤツですね。秀炎は色々設定頂いたので、
そこから考えたトコもあるので、考えが似たのかも知れませんね♪

少林は、またやりましたwコイツは…!お前と言うヤツは…!!
でも、この後、全裸の男と出会い、その男のおちんちんレーダーが反応していると言う、
身の危険を覚える辺り、手拭さんの「EXTRA ROUND」がボディーブローのように
効いていますねwwこの辺、シンやシグとは違いがありますよね。いや、こんな形での違いは、
少林にとっては不本意だろうけどwww


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