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黒の伝説re:writeショートストーリー×3 ( No.47 )
日時: 2021年06月16日 02:17
名前: テヌグイ [ 返信 ]
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0話(1)

ORGOGLIO最大トーナメントが開催される少し前

とあるイベント会場

大勢の観客が押し寄せるコスプレイベント

皆思い思いのアニメキャラクターの装いを真似ている

その会場で一際注目を浴びる女性

「「おっつ!姫!!」」

「「おっつ!姫!!!」」

「「おっつ!姫!!!!」」

「「おっつ!姫!!!!!」」


「「わぁぁぁあああああああ~~~~ああ!!!」」

戦うコスプレイヤー・ジェーン☆乙姫その人だ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一通りパフォーマンスを終えると

ファンとの一問一答のコーナーだ

ファンとの交流を欠かさないのも彼女の人気に一役買っている

どうやったら人気者になれるか上手くキャラになり切るにはどうすればいいのか等の質問が続く中

1人の男が手を挙げた

「ジェーンさんは趣味で修斗ファイトをやっておられるとのことですが」

「トレーニングはコスプレイベントの休憩時間に片手間にやっているんですか~?」

余りにも不躾な質問だがジェーンは笑顔だ

「あなた趣味はある?」

「バイクを少々」

「そう、じぁあ貴方はバイクに乗る時に仕事の合間に乗る?」

「いえ…」

「そう、そうなの!」
「バイクに乗る時は事前に時には数日懸けてコースを決めて」
「前日から睡眠時間も長めにとって」
「仕事以上に力を入れていくわよね!」

「あ、はい」
言う通りだ時には念入りに準備に費やすあまり仕事がおろそかになることもある

「あたしにとっての格闘技もそうイベントの合間に片手間にトレーニングしたりしない」
「やる時は最高のコンディション最高のモチベーション!」
「だって趣味って本気でやらないとつまらないじゃない!!!」

ジェーン☆乙姫彼女にとっての修斗ファイトは趣味

しかし本気の趣味のようだ!


ー終わりー



外伝27.2話

ORGOGLIO最大トーナメント連れだって観戦する男が二人

その片割れ李白鳳が問う

「決着は着いたアルか?」

もう一人鷲鼻のバドゥロが答える

「ああもう目を開けても問題ない」

瞑っていた目を静かに開いた白鳳にバドゥロが問う

「しかし良かったのか」
「彼は君の同門で君に使うはずだった拳を見せると言った」
「なぜ閉眼を?」

「そう孫先輩は私を屠る拳とそう言ったアル」
「先輩が幾星霜を懸け体得した拳を盗み見るなんてマネは出来ないよ」

「衆人白日の下で放つ拳に対し「盗み見る」とは…聞きしに勝るストイックさだな」

「ストイックで鳴るボクサーのあなたに言われるとは光栄アル」
「ただ・・・」

「ああ・・敗北(ま)けたよ彼は・・」

「無用だったみたいアル」

「厳しい言葉だ、敗北者に興味はないと?」

「誤解よ、もし勝てば先輩はその拳をそのまま私に使ったはずアル」

「ふむ、しかし負けた」

「負けたままの拳を使うほど先輩は甘い男じゃないアルよ」

「次に現れる時には私たちの想像を絶する拳を引っさげて戻ってくると?」

眼光鋭くしかし口角を上げ白鳳は言う

「先輩はそういう男よ」


ー終わりー



0話(2)


新世紀プロレス

トコロザワ道場

二人の男が向き合っている

「で頼みって何だい?」

竜の意匠をあしらったマスクをかぶった男ドラゴンマスクが問うた

「不意打ちをお願いしたいのです!」

三本角の生えた黒いマスクの男ブラック少林が答えた

「はぁあああああ????」
「なにを言い出すのかと思ったら…まったく」
「ジェーンに頼めば良いだろ仲良いし」

「彼女では優しすぎます!」

「じゃあ他のレスラー(ヤツ)に頼めよ」

「貴方はどこか他の方々とは違う」

「まるで・・・・」
言いかけて脳裏に浮かぶのは獰猛な青い瞳をした少女と武の権化のような巨躯の老人だ

「あたなしかいないんです!」

「この言葉って男から言われるとこんなに萎えるのか・・・・」

「おねがいします!」

「馬鹿かよ!どこの世界にお願いして不意打ちしてもらうヤツが居るんだよ!」

「今度の最大トーナメント数々の猛者が出場します未熟にも不意打ちを食らう事もあるかもしれません!」

「で食らわないようにしたいって?」

「いえ、食らった後の体験を積めば対処が見つかるのではと!」

「食らう前提かよ」

「はい!」

「いい返事すんな!ったく」

確かにこの道場にもヒールレスラーは数人いるがこの男相手に完全な不意打ちを食らわせられるものは居ない
まして優等生のジェーンじゃ無理だ

「お願いします!」

「やめやめこの話は止め!」

そういうと手のひらを広げ少林の眼前に差し出す

「そこをなんt」

言いきるより先に広げた手のひらによってできた死角からドロップキックが飛び出した!!!



グアッァッシャアアアアアア!!



受けに長ける少林といえども直撃は免れず

衝撃そのままに後方の壁面までゴロゴロと転がり

うなだれるような姿勢で意識を失った


「まったく、コイツだけはホントに・・・・」

呆れながらドロップキックの受け身の体勢から立ち上がると道場の外へ向かって歩き出す

「おーい誰かバケツで水もって、」

ズルッ

不意につまずき態勢を崩すドラゴンマスク

「?」

ふと足元を見ると靴が脱げかけている

何故か靴紐が無くなっているのだ

バッと振り向き少林を見るとその手に靴紐が握られていた

「まったく、コイツだけは・・・・」


ー終わりー


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Re: 黒の伝説re:writeショートストーリー×3 ( No.48 )
日時: 2021年06月16日 12:15
名前: REO=カジワラ [ 返信 ]
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コイツァ…!コイツァスゲェぜ!!ショートストーリー!3話分と来たモンだ!!
ジェーン、カッコ良いな!趣味だから本気に!不躾な質問に対し、真摯な対応!!
神レイヤーだな、ジェーン!!私が書くジェーンとはまた違った魅力ありました!!

李白鳳、孫の切り札を敢えて見ずとは、なんと高潔なる魂の持ち主だ…!!
そして「次に現れる時には想像を絶する拳を引っさげて戻ってくる」…!!
確かにも孫への敬意が感じ取れる、この言葉!!孫ならばその思いに応えるでしょうねぇ~!!

そして、少林とドラゴンマスク!!喋ってる!ドラゴンマスクが喋ってる!!
その時点でもう神回なのですが、不意打ちを頼む少林の雄度がスゲェ!!w
ひたむきなるは少林の武の姿勢…!!「あなたしかいないです!!」のセリフも凄いw
愛の告白じゃないんだからwwでも、真剣が故に、そう言う言葉になってしまう辺りも、
少林の良さですよねー。そして不意打ち!ドラゴンマスク!不意打ちだって出来るセンスが
パネェなあ。流石は死の世代(デスジェネレーション)の1人。並のプロレスラーでは無いぜ…!
不意打ちを入れたドラゴンマスクも凄いけど、靴紐を抜き取る少林も凄いな。
一流の闘士ならでは、機微を感じましたぜぃー!!


Re: 黒の伝説re:writeショートストーリー×3 ( No.50 )
日時: 2021年06月17日 00:53
名前: 春休戦 [ 返信 ]
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短編の密度が濃い!(^^)

各々の「視点」に、コロンブスの卵みたいな「言われてみるとそうか!」感があるなぁ。(w
いずれにも言えるのは「己の力量を磨くのに素直」というかなぁ。


Re: 黒の伝説re:writeショートストーリー×3 ( No.52 )
日時: 2021年06月20日 19:18
名前: テヌグイ [ 返信 ]
[ 削除 ]
お二方重ねて感想ありがとうございます!

カジワラさん

三者三様の戦いへのひたむきさが少しでも描写できていれば幸いです!
少林は真面目すぎて噛み合わないのですれ違い漫才になっちゃいますね笑
求道的過ぎて一周回ってチョットネジが緩んでしまったのか!?
なんだかんだ付き合ってあげるドラゴンマスクは良い奴です
カジワラさんの黒伝を読んで自分の最終話で使ったチョイだまし討ちっぽい技どこで習ったんだろと思ったので
元アウトローのドラゴンマスクの技をラーニングしたという事にしました!


春休戦さん

カジワラさんが執筆している間に思いついたのですが邪魔にならないように温めていたので熟成されたのかも知れません!
武にひたむきであるという事は美しい!


Re: 黒の伝説re:writeショートストーリー×3 ( No.54 )
日時: 2021年06月22日 23:10
名前: フィール [ 返信 ]
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連続短編お疲れ様です。
いやー、なんちゅう格闘馬鹿ども。
特にそこの何か黒い奴!
不意打ちしてって言われて不意打ちできると思ってるのか!(できる、できるのだ)


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