|
この度は…ッ。 黒の伝説re:write外伝…ッ! 4 回 目 … ッ ! ! 今回の話は…ッ! 試合の話ではなく…ッ! 30話と最終話の間の話 となります…ッ!! 最終話後のエピローグにて…。 各選手、1部関係者の、 『その後』が綴(つづ)られるも。 語り切れなかった者であるとか。 決勝戦を見送った女性に対し…。 決着後、どのようなやり取りが。 あったと言うトコロであるとか。 読者に対し不親切と感じられる 箇所があったので、その補足として、 今回を話を書き記していきましたッ。 それではご覧下さいッ!! ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・・ ○クロガネの賛歌 亜種 『黒の伝説re:write』 第 3 0 . 5 話 「 あ ま り に も 熱 気 冷 め や ら ぬ か ら 」 原案・手拭 筆者・REO=カジワラ ・・・・ ォ”ォ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”!”!”!”!”!”!”!”!” ォ”ォ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”!”!”!”!”!”!”!”!” ォ”ォ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”!”!”!”!”!”!”!”!” ォ”ォ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”!”!”!”!”!”!”!”!” ォ”ォ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”!”!”!”!”!”!”!”!” 割れんばかりの大歓声。 ブラック少林vs大蛇(おろち)勝美。 それは…。 凄まじい決着であった。 両機体行動不能となった中…ッ。 生身の身体で、武術を駆使(くし)しッ。 そして、わずかに勝(まさ)ったは、 『ブラック少林』であった。 し か し この時、少林のみが知っていた。 決着の時…ッ。 積み重なるダメージにより、 立っている事しか出来なかった自分と…。 そんな自分に、止めの一撃を繰り出さんとして。 倒れた…大蛇勝美ッ。 こ れ は ・ ・ ・ 勝 利 と 言 え る の か … ? 少林はただただ立ち尽くしていた。 ・・・・ ○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『医務室』 “キックボクシング界の超新星(スーパーノヴァ)” 1回戦で少林に敗れた男。『マーク・クーイン』は叫んだ。 「スーパー・ノヴァ・ファンタスティックな勝利だ少林ッ!!」 “ザ・ジェノサイド” 準々決勝で少林に敗れた『壊撃(かいげき)のユージン』もまた。 「フッフフ…ッ!これは…ッ。熱い…ね。少林ッ!!」 “禿鷲(はげわし)のブラド” 準決勝で少林に敗れた『ブラド・バラハ』も同調する。 「本日、この場。勝利を得たのは少林…。『アンタ』だ。」 そ ん な 中 “イタリアの隻腕剣士(せきわん けんし)” リザーブマッチで勝美に敗れた男。 『バルドヴィーノ・テッラノーヴァ』が雄叫ぶ!! 「『“紙一重”』『“紙一重”』『“紙一重”』じゃぁああああああああ!!」 “鉄面皮(てつめんぴ)” 準決勝で勝美に敗れた『孫 秀炎(スン シウヤン)』もこう言う。 「勝敗こそ絶対。しかしこの決勝、差がなかっタ。」 “大蛇流のデンジャラスライオン” 勝美の同門『カロ籐 清登(かろとう きよと)』は複雑そうに。 「決勝前、俺は少林(角中)に頑張って欲しいと言ったけどよォ。」 「だが、いざ、勝美さんが負けると悔しさが先に立ちやがるぜ…。」 「血と汗で高めあった『同門』が倒れちまっているのを見るとな。」 “殺人野球の申し子” 『犬鳴 了(いぬなき りょう)』は、そんな皆をまとめるように。 「何にせよ、各自思うトコロがあるけんのぉ。」 「俺(おりゃ)は、もうこの手の大会に参加する事は無いだっちゃが。」 「良い経験になった…そうじゃあないのけぇ?キヒヒ!!」 と言う言葉を聞き。 「だ~よ…。」「ニヒル。」「チンコッコ。」 皆、口々に。 同意をする中…。 “猪突猛進の突撃隊長” 『石風 刀剣(いしかぜ そーど)』こう締める。 「俺、もっと強くなりたいッス。」 「今度は、俺が優勝者に…ッ!!」 その言葉に…ッ。 皆ッ、感ずるモノを持ったッ!! ・・・・ ○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『観客席・最後方』 歓声轟(とどろ)く、 観客席の中で…。 その最後方に。 熟達されし格闘士2人。 “拳王”『李 白鳳(リー パイフォン)』 “エイグロン”『鷲鼻(わしばな)のバトゥロ』 共に世界トップクラスの、 強者(ファイター)である。 バトゥロは拍手をしながら。 「トレビヤン(素晴らしい)…ッ。」 「感嘆(かんたん)を覚える決勝だったよ…ッ。」 白鳳は同意をする。 「全く持って、同感アル…ッ。」 「手放しで『今日1番の試合』 だったと感じたアルね…ッ。」 バトゥロは伸びをしながら。 「さて、余韻(よいん)は残るモノも…。」 白鳳は答える。 「互い、帰路につくアルか。」 バトゥロは己の意思を固めるように。 「近い内…。決闘を望む“彼”。そう…。 『ムッシュ・ブラド』と立ち合おうと思っている。」 「それが『ムッシュ・ブラド(彼)』の望みであり…。」 白鳳は同調する。 「チャンプ・バトゥロ殿。」 「貴方の望み…と言う訳アルな。」 バトゥロはうなずく。 「エグザクトマン(その通り)。」 白鳳は天井を仰(あお)ぎながら。 「私も孫先輩の宿願をと思いたいアルが…。」 「『中国武術省』の意向もあるアルからな…。」 と は 言 え 「孫先輩の奮戦ぶりは…。何か。」 「良い方向へと事が運ぶ気がするアル。」 バトゥロは微笑む。 「お互い。良き、風向きを願いたいモノだね。」 「そして…。いつか。」 「拳王。君とも立ち合いをしてみたい。」 白鳳もまた、ニコリと微笑みながら。 「そうアルな。」 と答え…。 そうして、2人はこの場を後にした。 ・・・・ ○“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『VIPルーム』 丸刈りのこけた頬(ほお)。長身のやせ型のその男…。 “慧眼(けいがん)”『空石 雪千代(そらいし ゆきちよ)』 は興奮の最中だッ。最早仕事と言う意識は無いッ!! 「うぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」 「少林(しょぉぉおおおおおおりぃいいいいん)!!」 白髪デカ鼻片メガネの国籍不明の52歳。 “毎度ぉ!敏腕スカウトでゲスよ!!” 『ダンチョ・タンチョ』もまた…ッ。 「ウケェェェコッコッコッ!!」 「オゥウケェエエエメケケケケケ!!」 「とんでもないぃぃいいい~~~!! とんでもない決勝だったゲスよぉぉおお!!!」 そして、日伊のハーフ45歳。 オールバックの髪型に、大柄な体格。 “ORGOGLIOイベントプロデューサー”、 『ルンバルト・タニヤマ』も盛(さか)った 男子高校生の如くッ。 「ハァ…!アハァ…!!コーフン!!コォーフン!!!」 「すっごいの見ちゃった…ッ♪すっごいのッすっごいのッ♪」 3人が3人とも、絶頂状態だッ!! そ ん な 中 ! 「入るぜッ?」 鍛(きた)え込まれた体躯(たいく)を持つ…ッ!! “大男”が『VIPルーム』に入室するッ!! そ の 男 と は ! 3人は3人とも、こう叫んだッ!! 「「「しゃ・社長ォォオオオオオオオオオオ!!!」」」 ッ ッ 〇“アルティメット”『ダン・ブライ』 世界に名だたる大会社…ッ! オシリス社傘下(さんか)のッ!! そ う ! 格闘団体『ORGOGLIO』の社長ゥ!! そ の 名 も ! 『ダン・ブライ』ッ!! コードネームは“アルティメット”ォ!! 口癖は『ORGOGLIOだけはガチ』ッ!! オシリス社の中でも強い発言力を持つ男!! ッ ッ ダンはこう言うッ! 「俺が推薦した3闘士ッ。」 「俺が独断をした、 機体破損による、生身での試合続行ッ。」 「上手くいったなッ!!」 「ORGOGLIOだけはガチッ!!」 続けるッ! 「これも、お前達の地道な下積みがあったからだッ。」 「そのおかげで、俺は、この手を思いつけたッ。」 そして、こう言い放つッ!! 「感謝するぜッ!お前達はガチだッ!!」 「ガチに最高の“部下”だぜッッ!!!」 ッ ッ 賞賛(しょうさん)であるッ!! ここまで頑張った者達へのッ!! その言葉を受けて3人はッッ!!! 「「「社長ォォオオオオオ オ オ オ オ オ ! ! ! ! ! 」」」 感激につき感涙ッ!! そうだッ!涙を流せッ!! 彼等もまたッ!! 選手達同様に『イカしていた』ッ!! ・・・・ 〇“ORGOGLIO(オルゴーリョ)ドーム”『女性用医務室』 ベッドでモニターを見る女性が1人。 膝。アキレス腱。顎。鼻。 それらに湿布が貼ってあり、 包帯が巻かれている。 その女性の名は『ジェーン』。 『ジェーン☆乙姫(おつひめ)』。 乙姫は涙を流していた。 “感動”したのだ。 戦友たる『ブラック少林』の勝利に…ッ。 そして心待ちにしていた。 彼が…。少林が。 この場に来てくれる事を。 コンコン ドアをノックする音がする。 乙姫は返事をしようとするが。 「ヒッグ…!ヒグ!!」 「ゴメン、今、泣いてて…。」 涙と高揚(こうよう)で、 上手く話せない。 何とか…。 気持ちと呂律(ろれつ)を制御して。 「…少林さんでしょ?」 「おめでとう。入って。」 と答えるが…。 「………………………。」 返事が…無い。 乙姫は。 「少林…さん?」 と問う。 すると…。 「私は…勝ってないのです。」 少林の声が返って来る。 「私は…。」 「私は…!」 思い詰めている。 それを感じ取った乙姫は。 ダッ! ドアまで走りッ!! ガチャ! ドアを開けッ!! グイッ!! 少林を部屋に引き入れるッ!! そ う し て ガシッ!! 乙姫は少林を抱き締めるッ!! そして…。 こう言う。 「少林さん…。」 「私ね。少林さんが今、 どうしてそうなっているのか解らない。」 で も ね 「少林さん言ったでしょ?」 「『泣けば…良い。』」 「『悔しくて。どうしようもなくて。無力が苦しい時。』」 「『人は…。泣けば良いんだ。』って。」 「 泣 き な よ 、 少 林 さ ん 。 」 そして…ッ。 少林は…ッ。 「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 声を挙げて泣いた…ッ。 先に倒れていたのは勝美であった。 しかしそれよりも先に、少林は負けを認めていたのだ。 自分は…『勝者』ではない。 それが苦しくて申し訳無くて…。 止めどもなく涙が流れるのだ…ッ。 「おぉ…!おお…!おおお!!」 少林は嗚咽(おえつ)をあげる度…。 ギュゥ…。 乙姫は強く少林を抱き締めた。 ズキリ…。 試合で負った傷が痛む。 でも痛みなど気にしてられない。 自分が勝美に敗れ…。 『仕方ない』で消化しようとした時。 少林は。 君が『新世紀プロレス』の道場で見せてくれた日本拳法の技の数々。 そのどれもが一朝一夕で、出来るモノではありませんでした。素晴らしいモノでした。 その技の一つ一つの為にも…ッ。『仕方ない』なんて言葉で片づけてはイケナイ。 と、言ってくれた。 そして、今、自分が少林に、 促(うなが)したように、 泣けと言ってくれた。 今度は私が少林さんの支えになる番だ!! だから、私は少林さんを抱き締める。 この『黒の不器用さん』の為に…!! 「おぅ…!おう…!おおう!!」 泣き続ける少林ッ。 泣き続ける少林ッ! そ う し て ・ ・ 時間(とき)が過ぎ…。 少林の昂(たかぶ)りが 引いたのを感じ取った乙姫は。 こう、少林に告げるのだ。 「『真の護身を知らしめたい』んでしょ…?」 「あの場所において己を守りきったのは…。」 「少林さん。貴方だよ…?」 少林は。 「………。」 「はい…。」 と答え。 「まだ…。」 「申し訳ない。」 「まだ…。」 「気持ちに…整理はつきませんが。」 「乙姫…。」 そして少林はこう乙姫に告げる。 「『ありがとう』。」 ・ ・ ・ 乙姫は。 「こちらこそだよ。」 と応ずる。 ギュウウウ…!! 乙姫は少林を更に強く抱きしめる。 「ウ…ッ。」 少林が呻(うめ)く。 「乙姫…。傷に…響く。」 「ゴ・ゴメン。」 乙姫は少林を離す。 「乙姫。私の気持ちに整理がつき。」 「傷が癒(い)えたのなら、また…。」 「また…?」 「修練に打ち込みましょう…ッ。」 「…………………。」 「…ホント。バカ。」 「…バカ、ですか?」 「褒(ほ)めてんのよ、不器用さん。」 「格闘バカと言う事ですか。成程。」 「それで納得するんだから、相当よ。」 「相当…ですか?」 「良いんじゃない?」 「少林さん。」 「貴方は今夜『黒の伝説』になったんだよ。」 「黒の…伝説……?」 「スランプから、不死鳥のごとく復活して、 この強者ぞろいのトーナメントしたんだよ?」 「そりゃあ凄い『伝説』よ♪」 「大き過ぎるキャッチコピーですね。」 「ですが…。」 「ですが?」 「受け取りましょうッ。」 「『黒の伝説』…ッ!!」 「それで良いわ♪」 「はい!」 「さ、医務室に行って来たら。」 「せっかく復活しても、 再起不能になったらよ?」 「身体を大切に…ね?」 「はい!!」 そうして少林は部屋を後にした。 正直…。気持ちはまだグチャグチャな面はある。 あるモノも…。『真の護身を知らしめたい』。 『あの場所において己を守りきった』のは…。 自 分 ッ ! やるせなさの中…ッ。 確かにも私に勇気を与えてくれるッ。 そして…。 黒の伝説。 受け取ろう。 『黒の伝説』。 今夜の苦しさと申し訳なさ。 それと『栄光』を忘れぬ為。 心の整理はまだついてないが…。 少し。心が楽になって行くのを感じるからだ。 「ありがとう。乙姫。」 少林はそう小さく呟(つぶや)いた。 ーーーーーー ・・・黒の伝説re:write「最終話」へ続く。 |
>>春休戦さん 感想ありがとうございますー! 30話から最終回と続くと、勝利の栄光とか、ここまで関わって来た人達の描写が、 抜けているなと、前々から思っていたので、今回、その補足と言った感じに、 書いてみました!納得の感動モード、ありです♪ チンコは今後ガチファイトをしなくなるけれど、今回の結果を踏まえて、 自分の立ち位置を知ったと言う意味で影響を受けた気がしますね。 己はこう言う事をするタイプじゃないんだなと感じたのがこのトーナメントであると。 少林は不器用ですね。黒の伝説re:writeを書いてて、テッシンからの敗北から 立ち直るのにも回り道した感覚があるし、ストイックに護身を求める中、 自分の中に獣性を持ち、武道としての少林寺拳法と実戦として心構えの持ち方に 悩んだ面があるし、 そして、今回のように主人公とヒロインのシーンになっても、男性としては 応えられたか?と言うと「この朴念仁が!」と言いたくなるようなムーヴを かましていますからねー。 この後、ルルミーとの立ち合いに敗れ、ルルミーとの再戦を望み、戦場へと 向かう訳ですが、そこでも、求道性と朴念仁ぶりを発揮しますからねw でも、少林らしいっちゃあ、少林らしい気がしますね。 書いてて楽しいキャラの1人だったりします♪ |
>>フィールさん 感想ありがとうございます! ジャガられろww少林、アレ過ぎたのか!?アレ過ぎちまったか少林ンンン!!? いやまあ、アレ過ぎますね、少林。最終話へ向けてなので、ここで心のしこりが 完全になくなる訳にもいかないし、エピローグ2の状況も踏まえると、この時点で、 通じ合う訳にもいかない…とは言え、ジェーンにあそこまでさせて…と言う面は、 確かですねぃ…。 これは、もう一編、何か挟もうかなあ。ここまで、黒の伝説re:writeに置いて、 作品の“陽”の部分を支えて来た2人のシーンを大事にしたいですからね。 来年の目標が1つ出来たと思って、この2人の話を考えてみようと思いますッ!! |