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「重量級トーナメントで、一番強かった相手…?」 先に行われたORGOGLIO(オルゴーリョ)主催の 搭乗者の動きをトレースするロボット・修斗(シュート)による、 重量級トーナメント…ッ!! そのトーナメントで優秀な成績を収めた出場者ッ! “ザ・ジェノサイド”ユージン・ロジャースこと、 『壊撃(かいげき)のユージン』はこう答えるッ!! 「そりゃあ『鷹泰山(たかたいざん)』さ…ッ。」 「試合に賭ける心根(ハート)も凄かったし…ね。」 で も ね 「一番印象に残ったのは『マサイマン』だ…ねッ。」 「俺は色々運が良かった…ッ。」 「色々…ねぇ…ッ♪」 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・・・ ○クロガネの賛歌 亜種 『黒の伝説re:write』 外 伝 「 野 人 と 巨 人 」 作者・REO=カジワラ ・・・・ 『BIG FIGHT!重量級トーナメント ー デ カ さ は 強 さ だ ! ! ー 』 1回戦の最終試合である、第4試合にて、 彼女と機体が出場(あらわ)れたッ! “マサイの戦士”『マサイマン』ッ。 顔の上半分に、 『ウルトラマサイの仮面(アフリカの部族のような仮面)』 に似た皮膚に食い込んでいるマスクをした“仮面の女”…ッ。 大きな乳。くびれたウェスト。 一見女性らしい身体をしているが、 大柄な体格は重量級トーナメントにおいて、 相応しい体躯(たいく)であり、 その身体能力は、アフリカ大陸南部の僻地(へきち)にて、 戦士としての生き方を定められた鍛錬(たんれん)によって、 培(つち)われたモノと言うッ! ああ、それはッ!! 常人を超えた運動神経と体幹の強さに裏付けられた能力でッ! この強者(つわもの)揃いの重量級トーナメントの参加者中でも、 1~2位を争う肉体的(フィジカル)の強さを持っていたッ!! 搭乗機体は『ニャミニャミ』だッ! ケープタウン(南アフリカ共和国西ケープ州に位置する都市) 辺りに伝わる蛇神であり、マサイマンの修斗デビューに使われた機体名ッ! 見た目のデザインは大会にギリギリ間に合ったが、 DTS(ダイレクト・トレース・システム)は未調整との事…らしいが、 影響は如何に? 対するは『壊撃(かいげき)のユージン』ッ! 金髪碧眼(へきがん)の短髪…ッ! 岩石のような顔面をした…ッ! 肉の…ッ!巨壁が如き『巨人(おとこ)』ッ!! 搭乗機体は『TYPE-C(タイプ・シー)』ッ!! 数ヶ月前行われた 『ORGOGLIO(オルゴーリョ) 最 大 ト ー ナ メ ン ト 』 にて、嵐(ストーム)が如くの猛威を奮った事は、 記憶に新しい…ッ!! 両機体…ッ!! 闘技場中央であるッ!! ユージンはマサイマンに語り掛ける。 「君、本名は『ムチャウちゃん』って言うんだっけ?」 「君、良いねぇ…ッ。俺さ。 身長(タッパ)と尻(ケツ)がデカい女が 好みなんで…ねッ♪」 マサイマンはちょっと無関心に。 「そうか。アタイは好みか。」 ユージンは熱っぽく。 「モチのロンさ…ッ!!」 「アーティ(当て馬クン)も良いケツ してたけど、タッパがなあ。」 マサイマンは聞いた事を答える。 「アーティ。お前の事、嫌がってた。」 「好みじゃないなら…願ったり。では?」 ユージンはシミジミと。 「男の時はもっとタッパがあったのに…な。当て馬クン。」 「アフリカのロストテクノロジーだっけ?」 「女体化(モテモテボディ)になった理由(ワケ)…は??」 マサイマンは答える。 「アタイ。詳しい事。解らない。」 「でも…理由。それしか。ない。」 ユージンはニヤニヤしながら。 「ロストテクノロジーで、TS(ウハウハボディ)になって…さ。」 「その際、テクノロジーが暴走して結果、借金背負って…さ。」 「大変だ…ね。俺と援交するなら、少し借金肩代わりしても良い…ぜ?」 マサイマンはその言葉を切り捨てる。 「この大会で優勝する。その方が実入りが良さそうと考えてる。」 ユージンはおどけながら。 「あちゃあ~。フラれちまったか?」 「こりゃあ、腹いせに当て馬クンのケツを、 撫でくり回すっきゃあない…ねぇ~ッ♪」 マサイマンは突っ込む。 「だからアーティ、お前の事嫌がってる。」 ユージンはニッシッシと笑いながら。 「そう言うトコロが可愛いから、からかっちまうンだよなあ♪」 マサイマンはちょっと引く。 「お前、いじめっこだな。」 ユージンは真剣な眼差しで。 「まずは、ムチャウ…ちゃん。この試合、君をイジメ倒す…ねッ。」 と、言い。 マサイマンもまたそれを受け取り。 「アタイ。負けない。」 と、言い放ったッ!! 程 な く ッ ! ドォォオ オ オ オ オ オ ン ! ! 闘いの銅鑼(どら)が鳴り響くッ!! ・・・・ TYPE-C(タイプ・シー)は、 腰を深く落とし、両腕を広げるッ! 搭乗者のユージンはこう言い放つッ!! 「ムチャウ…ちゃんッ!」 「君は…新人(ルーキー)ッ!!」 「先手、譲ってあげる…よッ!!」 対 し ! ムチャウこと、マサイマンッ!! 「うぉおおおお!!」 咆哮(ほうこう)をするッ! こ・これは!意味する所は!! ッ ッ マサイマンは、 聞いちゃあいないぃー!! ド ン ッ ! そして全力で持って跳び上がるッ!! ヒュォォオオオ オオオオ───ッ!!! 「…なッ!?」 ユージンは驚愕するッ! それはッ! それはッ!! それはッ!!! 『 跳 躍 力 』だァーッ!! この重量級トーナメントに置いて使用されるは、 大型の修斗(シュート)ッ!故に動きは鈍重ッ!! かように身の軽い動きが出来る訳が無いッ!! ビ・ビリリッ!バチバチバチバチッ!! マサイマンの搭乗機体『ニャミニャミ』が、 放電をするッ!意味するトコロは、 『 限 界 突 破 』ッ!! 機体の限界を超えた動きをしていると言う事だッ!! 故にDTSに負荷がかかり、オーバーヒートを、 していると言う訳だッ!! 「ぉぉおおおおおおおおおお!!!」 マサイマンは尚も咆哮(ほうこう)するッ!! ユージンッ! 「驚いたなッ!」 「でも跳び過ぎだねッ!」 「TYPE-C(おれ)を 通り越すよ?それッ??」 マサイマンッ! 「そうかな?」 グルッ(『頭部』を“下方”に向けるッ!) ルルッ(すなわちは、半 回 転 だ ッ!!) ユージンッ!! 「通り…越す?い・いやッ、そうじゃないッ!!」 「何ィッ!TYPE-C(おれ)の頭部でッ!!」 ビタァ──────────ッ!! マサイマンッ!! 「右手・人差し指で相手の頭部に逆立ちをするッ!!」 「アーティが、ユージン(お前)に勧められたと言う、 『キン肉マン』って電子書籍で知ったシーンだッ!!」 ユージンッ!!! 「何と言う事だいッ!まるでッ!! ロビンマスクvsキン肉マンマリポーサの如くッ!!」 マサイマンッ!!! 「そして、今ッ!あの必殺技を再現だッ!!」 す な わ ち そ れ は ! 「『 偽 マ ッ ス ル ・ リ ベ ン ジ ャ ー ! ! 』」 ッ ッ ・『偽マッスル・リベンジャー』 敵者よりも高度から、フライングヘッドバットを、 相手の頭でバウンドするようにして繰り返し、 リングキャンバスに埋めてしまうと言う荒技ッ。 使用者である、キン肉マンマリポーサ曰くッ! 「無駄な肉を絞りに絞り、 全身をバネのように鍛え上げて、 初めて使えるようになる難技」との事ッ! 常人を超えた運動神経と体幹の強さを持つ、 ムチャウ・ザイネンだからこそ、 再現できた技と言えようッ!! ッ ッ ガァン!! ガァン!! ガァン!! ガァン!! ガァン!! ッ ッ 上方からフライングヘッドバットを、 何度も何度も打ち据える、 マサイマン駆る『ニャミニャミ』ッ!! ッ ッ ユージンは苦慮していたッ!! キン肉マン作中でロビンマスクは、頭部の鉄仮面に、 アノアロの杖を融合合体させ、額に一本角を生やした状態で、 上方にカチ上げる『ユニコーンヘッド』と言う技で持って、 この技を返したが、あいにく『TYPE-C(タイプ・シー)』 には、角が無いッ!故にその返し技は不可能であるッ!! ッ ユージンは打つ手なしだッ!! 「クッ!やるゥ!ムチャウちゃんッ!!」 「正直、宙空への相手への反撃方法は無いねッ!!」 そう!反撃方法は無いッ!! このまま、ユージン、敗北の屈辱にまみれてしまうのかァー!? け ど ね ! ユージンは雄弁に語るッ!! 「ムチャウちゃんッ!」 「君はミスを犯しているッ!!」 続けるッ!! 「マッスル・リベンジャーのかけ方がッ! 真の三大奥義とは違っていた為ッ!!」 「『フィニッシュ・ホールドの壁画』からの 『制裁の光線』を受け、黒焦げになって落下したッ!!」 「『キン肉マンマリポーサ』の如くミスを犯しているのさッ!!」 “ボ” “ン” “ッ” “!” それはッ!! 突如起こったッ!! 『 破 裂 音 』ッ!! ッ ッ マサイマンは驚愕したッ! 「え!?『ニャミニャミ』が!!?」 ッ ッ シューシュー!シューシュー!! 破裂音の後、煙を吹く『ニャミニャミ』ッ! ッ ッ ユージンは解説するッ!! 「限界を超えてる技なのさッ!DTS…のねッ!!」 「最初に跳んだ時点で、限界を超えていたんだッ!!」 「そんな荒技ッ!機体が持つワケ無いって事さァッ!!」 ド サ ァ ! 『ニャミニャミ』は地面に落ちッ!! マサイマンはッ!! 「お・起きる…!!」 起き上がろうとするがッ!! サ ッ ユージンッ!! 「決めさせてもらうぜッ!!」 「 カ ッ コ 良 く ね ッ ! ! 」 ガ シ ィ ッ 「 捻( ひ ね )り 式 バ ッ ク ド ロ ッ プ だ ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ あ あ ! ! 」 ッ ッ ・『捻り式バックドロップ』 “獄門鬼”「マサ斎藤」や“革命戦士”「長州力」を使い手とする、 相手を真後ろではなく横抱き気味に胴クラッチし、腰の瞬発力で 相手を高く持ち上げると同時に捻りながら落とす『バックドロップ』。 ブリッジを利かせない為、バックドロップ開祖のルー・テーズは、 バックドロップとして評価していないが、相手は真後ろではなく 横方向になった状態で落とされるために受身が取りにくく、 受 け る ダ メ ー ジ も 大 き い ! ! ッ ッ ドォォ ォォォ オオ オオオ オオ オオ オオオ オ オ ン ッ ッ ! ! ! ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ したたかと…打った頭部に衝撃走る『マサイマン』。 渾身(こんしん)の捻り式バックドロップを、 受け身をせずに喰らったのだ。ダメージは十分だ。 し か し マサイマンはまだ戦えた。彼女の耐久力は伊達で無いし、 ロストテクノロジーに体の自由を奪われた時と比べれば、 まだまだ体は自由に動く。 け れ ど も 機体が…もう「駄目」だった…。 最初こそ押していたモノの、DTSの調整不足で呆気なく逆転負け。 試合内容を見ればそうだし…。結果は『敗北』。それは変わらない。 だ が ・ ・ ユージンはこう言う。 「まるで『 野人 』だ。縦横無尽だったよ。」 「強いじゃん、ムチャウちゃん?」 「全く。俺は『色々運が良かった…ッ。色々…ねぇ…ッ♪』」 「また…。闘(や)ろうね…ッ!」 それを受け。 マサイマンはこう答えた。 「ああ!また闘(や)ろう!!」 「肉の巨壁の如くな…『 巨人 』!!」 こうして。 『ムチャウのリングデビュー』は終了した。 ・ ・ ・ ・ ・ BIG FIGHT!重量級トーナメント ー デ カ さ は 強 さ だ ! ! ー 1回戦第4試合 『マサイマン』 マサイ流・戦士闘法 乗機『ニャミニャミ』 VS 『壊撃のユージン』 プロレス 乗機『TYPE-C』 勝者:『壊撃のユージン』 ーーーーーー 外伝「野人と巨人」 ・・・完。 |
>>春休戦さん 感想ありがとうございますー! 納得の決着どもです♪今回は結果ありきなので、如何に「こうなるよなあ」と、 読んでて感じてもらうように意識して書いた感ありますね…ッ!! ムチャウの無茶ムーブは結構悩みました。普通の攻撃じゃ説得力に欠けるし、 あまりにも逸脱し過ぎるとそのまま勝ってしまいそうだしと色々考えた結果、 キン肉マンマリポーサの偽マッスル・リベンジャーが頭によぎり、 マリポーサが言ったセリフ的にこの技なら説得力あるんじゃないか?と考え、 水路を行く人が乗れるおわんの上で倒立するムチャウなら出来そうだと、 話を広げていき、このムーブとなりました! 機体がもたないのは正にそうだと思いますね。 ウルトラマサイの関係上、ウルトラマサイを使っていますが、 レゼルヴェの試験でDTSが反応し切れず脱落した経緯を持つムチャウだけに、 本来なら高性能なDTSを搭載機体の方が彼女の本領を発揮出来るんじゃないかなと、 考えています。 まぁ、せっかくのロストテクノロジーだし、借金の関係もあるから、 O.M.S.のチームとして活動する現状が良い落とし所だと思いますけど。 ユージンはピンチから逆襲する形が如何にもプロレス的で動かし易いですね。 それが安定した強さに繋がっている気がします♪ |
>>フィールさん 感想ありがとうございます! 素敵な作品嬉しいです♪こちらこそ、今回は「ムチャウのリングデビュー」を 元にしたSSの許可を頂いけて感謝ですよ~!書いてて楽しかったですーッ!! 偽マッスル・リベンジャーで行くと決意したキッカケは、やはり入隊試験の動きを 読んだからですね。ウルトラマサイで言うトコロの8話。案としては9話の、 DTSが反応し切れなかった際の動きを、この試合で無理やり再現すると言う 考えも頭にあったのですが、ユージンのファイトスタイルには噛み合わないと言うのと、 あと、アーティとユージンの関係もちょっと使いたかったので、プロレスで、 先輩後輩の関係だった時、「ちょっと読めよ、当て馬クン」みたいな感じに、 キン肉マンを勧めているのも、面白いかなあと思ったのもありますね。 また、ムチャウは原始的な生活の中、携帯を使っていた経験あったし、 ちょっと時代が進んで、電子書籍を読めても良いなと思いついたのも、 理由だったりしますね♪ |