生めん「圧倒的自己による内在的内省的感情における既視感とは、存在に対する批判を断続的に行うものと定義した場合、感情の昇華が自己のイデオロギーと大きく異なることがあると推測される。」 畑「それなら我々が目を向けるべき世界というのは、超自我的な価値観によってのみ構成されており、その世界こそ真に我々が求めている世界であると言えるのではないだろうか。」 生めんはまた明日と言って奈落の底へ落ちていった。 畑は奈落には落ちたくなかったから、昨日へ行くことにした。 畑は生めんを救済するために、肉体を電子化した。電脳空間では空間性だけでなく、時間性もほぼ無制限の自由を得ることができるからだ。 しかし、誤算があった。電脳空間はネットワークで繋がれていたのだ。 結果として、懸念されていた空間性、時間性における魂の汚染は回避できたが、他者性における魂の汚染からは逃れることができなかった。 よって、肉体を電子に捧げた私はネットワークの一つに組み込まれ、生めんの存在自体が抹消された。 生めん vs 畑 |