たった一人の親父ですから。 - (仮)『一 彩 庵』日常の瞑想空間〜みんなの幸せ日記帳〜
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たった一人の親父ですから。
邦彦 投稿日:2023年03月07日 06:36 No.553
私は生まれて一度だけ、死んだ親父を心から憎んだ
  ことがありました。

  45過ぎの頃、認知症の影響だったなんて、知る由も
  なく、余りにも情けない理不尽なやり方に、
  殴ってやろうと拳を握りました。

  しかし、如何せん、年老いた親父の迫力の威厳に、
  手が出ない、一歩も前に足を前に動かすことすら、
  できなかったのです。

  黙って、車で立ち去ることしかできません。

  それから、数週間後に、会わなければならない、
  ことがあって、親父に会うと、目が腫れていて、
  互いに絶縁状態に近い関係でしたから、用事が
  済んだら、挨拶も程々に別れました。

  家に帰ってTVを観ていると、親父のことが、
  無性に気になり、矢も楯もたまらず、親父の
  家に取って返し、連れて帰り、翌日眼医者に
  連れて行ったことがありました。




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