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伊那下神社献詠
山人 投稿日:2012年02月17日 17:30 No.81 【Home】
昭和二十一年  献詠

海辺秋

松にふく風の音清し濱の辺の木すゑに高く月のかかりて

しら浪のしふきにぬれて浜松のみとりをてらす月のすゝしさ

浪の上にかけをうつしててる月のひかりあまねし大和田の原

秋風に海士の小舟はかけもなく磯うつ波のひびきのみして

はれわたる秋空高く磯波の並木の松に紅葉ましなり

みとりこき浜松の枝にかけうつし小波よする松崎のうら

高砂の松うく風の音さえて秋のみ空のはれわたるけな

ふしの山さやかに見えてはれ渡るなかめゆかしき秋のみうら

海の上ふきくる風もあれめきて阿妻とま屋の夕は悲しも

千町田の稲穂わこりてふく風にかげもこほるゝ野の夜の月

仲秋

雨はれて月は昇れりもちの夜の山も海路もさやにてりつゝ

山田に穂なみ野へに千草の露ことに秋のも中の月そやとれる

天の原月かけさやに望の夜のつゆも匂ひて見るめあかれす

かけ高くはれ渡りけり秋の夜のも中の月のすみに澄みつゝ

すみ渡る大空高く望の夜の月の光りもいよゝさやけし

仰き見る月のかつらの中そらに高くかゝやき光あまねし

波の上に光うつして中空になかめうるはしもちの夜のそら

あまの原すみわたりたる秋の野の千草にやとる望の夜の月

時事所感

あひともにすなとりするも海士の子は今朝も寒けきいさみ声する

晴わたる秋の日和に野辺みれはすすきの浪にうかふ菅かさ

少女らのよそひうるはし野の夜の月にをとるもおもしろきかな

はま松につきはかゝりて匂ふまてさやにてりたり今宵すゝしも

空はれて月かけさやに秋の夜の露は玉なす足穂ゆたけき

むしの音のよはる野末の夕くれにまねく尾花の風そさひしき

たたかひにやふれしあとを身にしめて秋の実りに力そかむ


菊におくつねをかくして月かけのひかりさやかに匂ひこそすれ

菊におく露も匂らて玉とてる月のかつらのさやかなるかな

戦にやふれし秋は月かけの光りもあはし伊那のみ社

戦にやふれて死せし兵百万木の葉みたるゝ伊那の上宮

詠史

七たひも生まれかはりて大きみにつくす誠は千代もつらぬく

父の教母のみちひき正行のゆるかぬ誠残る失しりに

たらちねのをしへ守りて梓弓なきかすに入る君そたふとき

司人あらそひ草をなけすてゝ真のこころ国につくせよ

家をあげて七たひ生れかはりつゝみ国守れる楠の一むら

みなと川高く立てたる石ふみは朽ちぬいさをと千代に残れる

桜井のうまやのわかれ学び舎の子等をみちひく鏡とはなる

仇なみの扇のまとはゆるくともこめし心はいさを高しも

ふみ見てもあはれおもほゆ八島潟弓矢とる身の心くみつし

吹き来たる風にみたれしすすき原みねをしつかに白雲はゆく



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