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伊那下神社献詠
山人 投稿日:2012年02月17日 09:50 No.76 【Home】
昭和十五年 折にふれて

萬民(よろづたみ)一つ心になりぬれは如何なる事もとけさらめやは

大空のまもりかためて家事に業をきたへむ睦みあひつゝ

何事もきそひてすすむ世の中に心の紐の手つなゆるめそ

うつ太刀の音もはけしく益良夫のもゆる心を皇国にささけむ

ます鏡神代なからに幾代へて末の世まてもくもらさりけり

天地の神の恵みは生まれ来てためしなき世に逢そうれしき

國のためつくす心のます鏡かけてはけまん大君の御代

肇国の基にたちて日本のくにの姿のあらたなるかな
席上題
   閑談 往事
一年をゆめと過こして故の宿に宇屋語りする今日そ嬉しき

思うことなすへきこともいたつらにあとなくすきし七十の春

こころまで若かへりけり友かきと昔をかたる春の長閑けさ

つくつくと過ごすしあとの偲はれてまた来む春の花そまたるる

変わらさる友のかんはせ色ましてむかしをかたる言葉うれし○

忘れ得ぬその奉天の友かきの戦語りに夜そふけにけり

寒かしき世にしあれとも敷しまの道ゆく己か心しつけき


田家烟
夕まくれ時雨は晴れて山里は霧とみたれて烟り立つみゆ

夕月は山の端出て黄昏の田つらの庵にけむりたなひく

垣内田の稲穂ないきて夕餉たく烟り豊かに立昇るみゆ

鶏の声も聞こえて朝餉たく烟り賑ふ小山田の里

にはとりの声も響きてあけやらぬ田つらの里は烟り立ちころ

露の玉たり穂に光り朝明けの烟りたなひく千町田の里

みのりよき秋を迎えて軒高く田中の庵は烟り賑ふ

夕月のかすむはかりに烟り立ちみのりのしるき小田の伏庵

海辺朝
西ふけは波音高く朝明けのしほけなひきて千鳥しは鳴く

真砂路も苫屋もわかぬ朝霧にあみ引く海人の声のみそする

ほのほのと明るをまちて海人の子か舟こき出る浦そにきはし

朝つくり真帆を照らして沖遠くかをる潮気のあまきらひつつ

夜釣りして朝にかへる釣り船の獲物豊かに濱辺賑ふ

天城嶺の雪はわかれて朝日かけ海辺さやかに鴎むれ飛ふ

霧はれてそれと数ふる七島の朝けさやかし伊豆の海原

戦場月
ますら夫の露おくのへに月を見ていにしえかたる軍ともとち

あすをしらぬ露の命の武士の荒野の床に月そ宿れる

銃のひびき剣の光静まりしいくさの場に月のみそ照る

荒れはてし軍の場のたまのあと月はかりすむ支那の大空

ますら雄や血しほに染めしあら野原すみたりし月の光さひしも

ますら夫の屍埋めし草むらの露にやとりて月は照りたる

小夜ふけていくさの場に照る月の光もすごし支那の大空

戦ひのつかれをやすむ武士の夢いかならぬ野の夜の月


菊薫久
皇国のみいつあまねく栄えつつ遠くにかおる白菊の花

長月のなかにもかをる白菊の花たのもしく見えにけるかな

これをのみ老せぬ友とめてはやしかさすも久し庭の白菊

かずかずのをしへをこめて世の中にかをりも高き白菊の花

なが月のなかく栄えて霜おけとかをり久しき白菊の花

咲きしよりちることしらぬ白菊のかをりあやに久しき

昭和十五年 海上月
寝むりぬる鴎の数も読むはかり海原さやに月そ照りたる

汐さゐにかへりをいそくつり舟の帆の上てらす秋の夜の月

いさり火のいつしかきえて江奈の浦浪間をてらす有明の月

野菊
露ふみてとふ人もなき野へなからゆかしく匂ふ白菊の花

すみにすむ月のかつらのをち水や露とおきけむ野辺の白菊

ふまれつつかへり見られぬ野への菊時しきぬれは花にさきける

八千草もはた虫の音もかれはてて末野に匂ふ白菊の花

報国
かねてより君にささけしみ民我いかなる敵もなにかおそれむ

君のため火にも水にも入りぬへき時はきにけり振ひ立子ら

たまはりし業いそしみてみ民われ御国の恩にこたへまつらむ

千万の業をはけみて一つなるまことつくさん皇らみ民ら

み民われ心一につとめまし國に報ふる道とおもひて

太刀とらぬ女なれとも心して我が子をそだて君にささげむ

如何にして國にむくひん神代よりうけし皇国のふかきめくみに


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