伊那下神社献詠歌まき

山人投稿日：2012年01月08日 14:53 No.70 【Home】

昭和１１年　　雪中竹

小夜ふけてふりしく雪の静けさに夢おどろかす折れ竹の音

積もりては又ゆれてちる呉竹の葉末をすべる春の泡雪

撓みてもみさを汚さず起き上がり雪に埋れし庭の呉竹

竹むらの中の庵に雪積みて煙のみ見ゆ今朝の山里

風たえてふりしく雪に夜をふかみ心おかるゝ庭のわが竹

降りつもる中にふしたる雪の竹さからはぬこそ真直なりけれ

雀なく声もしらめる窓の外にしげるなよ竹雪おもげなり

朝日かげ雪しつれする窓の外のたわむくれ竹起き上がりつゝ

風なきに聞ゆるものはなよ竹の葉末の雪のしつれちる音

ふりつもる雪の中なる呉竹は千代も栄えむ色ぞ見えける

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