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投稿者:はっちん
 高齢者の肥満は認知症になりにくいという報告が日本老年医学会よりありました。痩せすぎよりも小太りのほうが健康で長生きするそうです。65歳以上のシニアはデブでいいのです。  高齢者の肥満が認知症の発症リスクを下げることは、2018年12月に日本老年医学会が公表した「高齢者肥満症診療ガイドライン2018」で示されています。認知症と、心血管疾患(心筋梗塞や狭心症など)の項目を見てみると、  ●高齢者の肥満は認知症の発症リスクにならない。むしろリスクを下げる。  ●反対に、BMI(肥満度を示す指数)が低かったり、体重が減ってきたりしているケースは、認知機能の低下や認知症のリスクになるので注意。  ●高齢者の肥満は、心血管疾患のリスクになるかどうかはわからない。 つまり、シニアでは痩せているほうが問題で、太っていることはむしろメリットになるようです。  肥満度を示すBMIは、「体重(キロ)÷<身長×身長(メートル)>」の数値です。日本の場合、BMI22が標準で、25以上が肥満、18.5未満が低体重としています。例えば、身長が160センチなら、56.3キロが標準体重、64キロ以上は肥満、47.3キロ以下は低体重といった具合です。 高齢者は太めがいいというのは、次の調査結果※1からも明らかです。(図参照) (※1・・・日米共同プロジェクト「JAHEAD(長寿社会における中高年者の暮らし方の調査)」は、国内に住む健康な60歳以上の男女6千人を対象に、約19年間の追跡調査の結果、日本人の高齢者のBMIは大きく分けて四つのパターンを示すことが明らかになった。その各々のパターンと死亡率との関連をみると、「BMIが標準で、かつ年々痩せていくグループ」に比べて、「BMIが高くて(平均28.7)、かつその体重を維持しているグループ」は、死亡リスクが大幅に低下。反対に最も死亡リスクが高いのは、「BMIが低くて(平均18.7)、かつ年々痩せていくグループ」だった。)  脳卒中や心筋梗塞といった病気は、肥満がリスクだったはずですが、シニアでは痩せているほうがリスクとなるようです。  その理由は、脳卒中や心筋梗塞の大きな原因は動脈硬化ですが、シニアの場合は高血圧のほか栄養不足も原因となります。例えば、高齢者に多い脳卒中の一種『ラクナ梗塞』では、脳にある細い血管が詰まります。それは高血圧のストレスで血管の壁が硬くなって動脈硬化を起こすためですが、そのほかに、血管壁が栄養不足に陥ってもろくなることでも起こると言われています。細い血管は血液から栄養をもらっているので、太っていて全身の栄養が足りているシニアほどリスクが低くなるというわけです。 シニアになったら標準よりも太めが理想で、その体形を維持していくことが大切なようです。  どんな太り方が理想なのか  筋肉も脂肪もついた状態です。脂肪には体のさまざまな機能を調整するために必要なホルモンや、脂溶性ビタミンが蓄えられています。コレステロールも細胞膜やホルモンの材料になる成分です。転倒したときにクッションの役割を果たすのも脂肪。いずれも高齢者にとって重要なものです。  しかし、脂肪に変わり体重を増やしてくれるご飯などの糖質だけの摂取では、筋肉が減って脂肪だけがついた「サルコペニア肥満」になりやすく、このサルコペニア肥満では普通の肥満に比べて転倒や骨折をしやすくなり、要介護や死亡リスクを高めます。肉や魚、卵などさまざまなタンパク質をしっかり摂って、筋肉と脂肪がバランスよくついた太めシニアになることが理想です。  ただ、シニアでは肥満か痩せているかということに関係なく、年と共に体重が減っていく傾向があることは明らかです。シニアは意識しないと体重が維持できません。そこで、 【BMIを健康的に上げる5カ条】  その1 食欲がないときはおかずから食べる  その2 いろいろな種類の肉や魚を食べる  その3 牛乳を毎日飲む  その4 緑黄色野菜や根菜類は火を通して食べる  その5 油脂類を十分に摂る    体重は焦らずゆっくり増やしていくことが大切で、急な体重の増減は、かえって死亡リスクを上げてしまいます。 【体重を増やすためのポイント】  その1 動いて、食べる  その2 食べものの健康情報に惑わされない  その3 週に1度の体重測定  体を適度に動かせばおなかもすきます。活動量が増えることで代謝も上がり、食事が栄養になりやすく、結果的に食事の量が増え、体重増に結びつきます。  食の情報については、ちまたに流れる「よい食材・よい食事」は、おおかた痩せるためによいもの。シニアにとって必ずしもよいものとは限りません。 むしろ「おいしいと思うものを、たくさん食べる」ことだそうです。  その上で週に1度は体重を量り、増えていたらその食生活を続け、減っていたらさらに工夫をすることで、理想的な"ぽっちゃり体形"を目指しましょう。   【元記事】痩せるのはリスク! “逆ダイエット”で長生き&認知症リスク低下?: http://topics.smt.docomo.ne.jp/article/dot/life/dot-2019030800015?fm=topics
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