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投稿者:Jet
ずっと昔に中古で購入したAi Nikkor 50mm F1.8Sですが,ヘリコイドのグリスが抜けて,動きがスカスカでした。多めに繰り出すと前部に少しガタつきもありました。 1980年頃製造されたものと見られ,正面の銘板に緑色の謎のMが刻印されています。 これまで経験がありませんが,ヘリコイドをバラしてグリスの交換をしてみました。 慣れないことに手を出して,組み付けにえらい苦労をしました。 ヘリコイドをバラす時には,外れた角度を正確に記録しなければならないことは聞いて知っていましたが,実際には上手く出来ませんでした。 ヘリコイドは二重ヘリコイドで,∞から最短撮影距離の0.45mまで120°ほど距離環が回転する間に外側ヘリコイドは0.45mm,内側ヘリコイドは7.49mm繰り出されます。 外側ヘリコイドの組み付けは一義的に決まりましたが,内側ヘリコイドは組み付きが始まる角度が沢山あります。 組み付けては正しく再組み立てが出来るかを試行錯誤すること4時間ほど,やっと正解にたどり着きました。 苦労の甲斐があって,ヘリコイドのガタつきは無くなり,適度な回転抵抗が生じ,ピント合わせが快適に出来るようになりました。 完了検査として実写でピントと画質の確認をしました。撮影に使用したボディーはD850です。レンズの機械的∞状態でボディーの合焦表示は「行き足りない(もっと繰り下げろ)マークが出ていますが,ライブビューで画面を拡大してみるときっちり無限遠に合っていますので,これはボディー側の測距誤差だと思います。 画面全体と,中央部,右下隅部分の原寸クロップを載せます。 F1.8 絞り開放ではコントラストが低く,画面全体に像が緩く,ハイライトの境界にはパープルフリンジが見られます。また,画面全体にハロが見られ,特に画面隅でハロが目立ちます。 F2.8 中央部の像は引き締まり,カラーフリンジが消えます。画面隅の像はまだ緩く,ハロが残ります。 F4 中央部の像は十分な画質となります。画面隅も像が引き締まってきますが,ごくわずかなハロが残ります。 F5.6 画面全体が十分な画質になります。画面隅のハロも完全に消失します。 F8で更に画面全体の画質は向上し,F11で最高の解像度になります。 F16では絞り孔による回折で,解像度が低下し始めます。F22では更に解像度が低下します。 まとめ 1980年頃の製品として製造当時の性能を維持していると結論できます。
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