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投稿者:リワキーノ
私の顧客、K.ユミさんが出演する教会でのコンサートに行ってきました。 会場の浪花教会は創立147年。今の会堂ができたのが97年前という古い教会です。 K.ユミさんは彼女が小学生のときから調律に行っています。 歌曲、ピアノソロ、ピアノ連弾、クラリネットとバラエティに富んだ演奏会でしたが、 何と言っても素晴らしかったのはK.ユミさんの「リゴレット・パラフレーズ」の演奏 でした。 決して私の顧客ゆえの贔屓目ではありません。 それまでにピアノ連弾で演奏されたハンガリー舞曲の3曲が高音の音が耳に突き刺さるよ うな音の連続で家内共々、浪花教会の音響の悪さに辟易していたのですが、K.ユミさ んの演奏もフォルテやフォルテッシモの多い激しい曲相なのに、つんざくような高音の 響きは無く、しかも常に緊張感を漂わせる構成を持った盛り上がりを何度も見せる演奏 であり、ハイテクニックの技巧面だけが表に出やすいこのリストの作品を叙情的にさえ 感じさせるものがありました。 これはきっとリハーサルで他の人たちの演奏を聞いて高音が響きすぎることを察知し、 高音の強打鍵を抑え気味にし、その代わりにピアニッシモの小さな音をより小さく奏で させるという、いわゆるダイナミックレンジ(音の強弱の幅)を小さい方に移動させて の演奏なのではと思ったのです。 K.ユミさんが意識してそうされたのかは不明ですが、恐らく響きすぎる高音を強く意 識しての演奏が自然にそのようになったのではと思いました。 私以上にハンガリー舞曲の演奏に耐えがたい思いをしていた家内の感動ぶりは凄く、演 奏会後、K.ユミさんをつかまえて延々と自分の感じた感動を述べていました。 [リゴレット・パラフレーズ]についてはYou Tubeに出ている演奏を参照ください。 https://youtu.be/cqH3a9F7gv0 私はこのところ、立て続けに私の顧客たちが出演する演奏会がつづいていますが、いず れのときも私の顧客が際だった演奏をされるのを見て、調律師冥利に尽きる思いです。
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