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投稿者:はっちん
新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)  テレビでは語られない世界の最新情報を独自に分析  正しい情報を偏りなく 今週の新情報 (2023.9.18) Q 病理解剖を行っても因果関係の証明はできない? A 新型コロナのワクチン接種を受けたあと、不幸にして亡くなられた人は、決して少なくありません。ワクチンと死亡との因果関係を証明してほしいとは、多くの人々の願いです。今回は、亡くなった人に対して行われる病理解剖が、因果関係の証明に有効なのかどうかを考えます。 病理解剖は、医学の発展を目的として、病気の原因や進行状態を調べるために行われるもので、主治医の判断により遺族の同意を得て行われるのが一般的です。ほかに司法解剖と行政解剖という言葉もありますが、国によって定義も異なるため、本文ではとくに区別せず、まとめて病理解剖と呼ぶことにします。 報告例の紹介  新型コロナのワクチン接種が始まったばかりの2021年9月、早くもこのテーマに取り組んだ論文が、ドイツから発表されていました(文献1;当ホームページQ1(7)※1でも紹介)。ファイザー社、モデルナ社ほか全4社のワクチンを接種後に死亡した18例のデータが記されています。 (※1:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ1 の(7)を参照) (※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3708#3743 ) うちファイザー社とモデルナ社のワクチン接種者は8名でしたが、いずれも因果関係の証明はできなかったと結論しています。1名は心筋炎が死亡原因と判定されましたが、やはりワクチンとの関係は証明できないと結論しています。さらにワクチン接種後、1日以内に発生するアナフィラキシーについても、死因に結びつく証拠は得られなかったとのことでした。 同じころ、ドイツから、もう一つの論文発表がありました(文献2)。ファイザー社ワクチンの接種を受けたあと死亡した3名についての報告でしたが、やはり結論は同じでした。 2022年の初頭、シンガポールでワクチン接種後に死亡した33例の病理解剖データが発表されています(文献3)。対象は、ファイザー社かモデルナ社のワクチン接種を受けてから3日以内に死亡した人たちで、まず全員に対し、死亡後にCT検査が施行されました。その後、担当の病理医は画像や臨床データを調べた上で、検視官と協議し、病理解剖を行うかどうかを決めたとのことです。結果的に33名中の28名に病理解剖が行われました。 血液サンプルを分析した結果では、炎症やアレルギー反応を示した例もあれば、そうでない例もあって、一定の傾向は認められなかったこと、そして死因が心筋梗塞、肺炎、脳血管障害、極端な肥満などによるものであって、ワクチン接種との直接的な関係は証明できなかった、との記述が繰り返されていました。「すでに重い病気を有している人たちであり、ワクチン接種は、単なる偶然だったのではないか」とさえ述べています。 この論文発表には、いろいろな疑義があります。まず病理解剖を行うかどうかや、どのような分析を行うのかなどが、すべて担当者の主観に委ねられていて、データに統一性がなく、著しく信頼性を欠くものだったことです。とくに気になるのは、論文を書いた医師がシンガポールの政府機関に勤務する人たちであり、「ワクチン接種をためらう人たちを安心させることが大切」と論文中に言明していたことです。 一方、国内でも病理解剖例の報告がなされています(文献4,5)。論文は、確認できた範囲で2つあり、合わせて5例のデータが公開されていますが、いずれも因果関係は証明できていません。うち1例は新型コロナの血液検査も行われ、抗体価の著しい上昇が認められていました。これは、比較的、最近になってコロナの感染があったことを意味しますので、いくら詳細に調べても、ワクチンの影響を判定することは、当然、できません。 唯一、核心に迫った論文があります(文献6)。これもドイツからの報告ですが、ワクチン接種後、心臓に不調をきたした15名に対して、カテーテル検査に合わせて心臓組織の一部を採取したという内容です。15例中の9例で心臓の細胞内にトゲトゲ蛋白(スパイク蛋白)を認めたとし、実際の顕微鏡写真も掲載しています。 トゲトゲ蛋白の映像化  トゲトゲ蛋白は、あまりに小さく顕微鏡でも見ることができません。そこで、ある特殊な方法でトゲトゲ蛋白に染料を付着させ、顕微鏡で観察すると、トゲトゲ蛋白の有無を間接的に確認することができます(免疫組織化学染色)。次の図(画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/immunohist.jpg )は、この手順をイラストで示したものです。検査に使う材料は、すべてネットで購入できるものばかりで、大きな病院の臨床検査技師やバイオ系の大学院生などであれば、誰でも簡単にできる程度のものとなっています。 次の写真(画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/histopatho.jpg )は、トゲトゲ蛋白ではありませんが、以前、私が細胞内の異常物質をこの方法で処理し、顕微鏡カメラで撮影したものです。 この簡単、かつ重要な分析法が、これまでの「病理解剖の報告例」では、なぜかいっさい行われてきませんでした。これでは、せっかくの病理解剖も役に立ちません。トゲトゲ蛋白の存在証明は、心臓に限ることなく、腎臓、肺、脳などあらゆる臓器の細胞や血管で行うことが必須要件なのです。 この分析は、病理解剖に限らず、病院で検査として受けるバイオプシー(生検)で採取したサンプルでも行うことができます。もしパラフィン包埋と呼ばれる方法でサンプルが保存されていれば、ずっとあとになってからでも分析が可能ですから、被害に遭われバイオプシーを受けた方は、ぜひ主治医に保存を依頼しておいてください。 【参考文献】 1) Schneider J, et al., Postmortem investigation of fatalities following vaccination with COVID-19 vaccines. Int J Legal Med, Sep 30, 2021. 2) Edler C, et al., Deaths associated with newly launched SARS-CoV-2 vaccination (Comirnaty). Leg Med, Apr 17, 2021. 3) Yeo A, et al., Post COVIC-19 vaccine deaths - Singapore's early experience. Forensic Sci Int, Jan 19, 2022. 4) Baumeier C, et al., Intramyocardial inflammation after COVID-19 vaccination: an endomyocardial biopsy-proven case series. Int J Mol Sci, Jun 22, 2022. 5) Murata K, et al., Four cases of cytokine storm after COVID-19 vaccination: case report. Front Immunol, Aug 15, 2022. 6) Nushida H, et al., A case of fatal multi-organ inflammation following COVID-19 vaccination. Leg Med, Mar 20, 2023. 【参 考】 免疫組織化学染色で2つのステップを必要とする理由:  抗体と呼ばれるたんぱく質は無数に存在します。幸い、どの抗体にも骨格となる共通構造があり、その部分を「抗原」として認識できる「抗体」を人工的に作ることができます。それぞれ、前者は「一次抗体」、一次抗体の抗体は「二次抗体」と呼ばれます。  色素をくっつけた二次抗体は、いわば万能試薬であり、どの検査室にも、どこの実験室でも頻繁に使用するため、必ず常備されています。かつて私の実験室の引き出しにも、この試薬の入った小瓶がゴロゴロありました。大量生産されていますから、安価なのです。また色素の代わりに蛍光物質を使うなど、メーカーのアイデアが詰まった商品ともなっています。  一方、たとえばトゲトゲ蛋白のように、この世に新たに出現した抗原に対する一次抗体は、大変な手間と費用をかけて自分で作るしかありません。幸い、新型コロナウイルスが蔓延した直後、米国のある検査試薬メーカーがこれを製造し、研究者向けにネット販売を開始してくれました。世界初ですから、最初は値段も高額でしたが、これさえ手に入れば、あとは図示したとおり、引き出しに入っている試薬で間に合います。  通常、1個の抗原には複数個の抗体が結合します。たとえば、その割合が1対10だとすると、ステップ2ではそのさらに10倍ですから、合計100倍も鮮やかな染色ができることになります。これが、極小物質を見つけるために必要な、もうひとつの理由となっています。     **************************************************************************************************** 【関連記事】 Covidワクチン傷害:ドイツの病理学者の発見 > Covidワクチン傷害に関する新しい病理組織学的洞察(元記事⇒ https://www.transcend.org/tms/2022/03/covid-vaccine-injuries-the-german-pathologists-findings/ )  COVIDに関する議論 - ワクチン、14 Mar 2022  顕微鏡画像:以下の顕微鏡画像は、ドイツの病理学者によって撮影された。青い点はlmphocite浸潤(すなわち炎症)を示し、茶色染色はワクチン誘発スパイクタンパク質である。記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page2944#3089 を参照 新型コロナウイルスワクチン接種後に致死的な多臓器炎症を起こした一例(元記事⇒ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10027302/)  2023 年 3 月 20 日にオンラインで公開。 PMCID: PMC10027302 PMID: 36990036
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