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投稿者:アルフレッド・ヒッチコック
[YouTube:cb2Ey0bxk-A:R] 白い恐怖(原題: Spellbound 米国) 1945年 全世界年間興行収入ランキング6位 新しく病院にやってきたバランタインという医師は、白地に縞の模様を見ると発作を起こすという奇癖を持っていた。やがて、彼の代わりに来るはずだったエドワーズ博士が、行方不明になるという事件が起こる。バランタインが疑惑の渦中に立たされる中、病院の女医コンスタンスだけは彼の無罪を信じ、発作の原因を追究するが…… 監督 アルフレッド・ヒッチコック 代表作 『バルカン超特急』『裏窓』『サイコ』 脚本 ベン・ヘクト、アンガス・マクファイル 音楽 ミクロス・ローザ 代表作 『深夜の告白』『緑の火・エメラルド』『ベン・ハー』 主演 イングリッド・バーグマン(ピーターソン) 代表作 『カサブランカ』『誰が為に鐘は鳴る』『秋のソナタ』 原作 フランシス・ビーディング 『白い恐怖 The House of Dr. Edwardes』 上映時間 111分 登場人物 コンスタンス・ピーターソン: 精神科女医。 ジョン・バランタイン: 記憶喪失者。(グレゴリー・ペック) 代表作 『ローマの休日』『白鯨』『アラバマ物語』 アレックス・ブルロフ: 医学博士。コンスタンスの師。(マイケル・チェーホフ) 代表作 『ラプソディー』 マーチソン博士: 精神科病院の所長。(レオ・G・キャロル) 代表作 『嵐が丘』『愛の調べ』『見知らぬ乗客』 【起】 アメリカのバーモント州にある精神病患者のための施設「緑の園」。そこで働く女医コンスタンスは同僚から、恋愛過多の患者の診察は無理だとからかわれるほど仕事一辺倒だった。 ある日、診療の合間に尊敬する所長マーチソンが訪れ、自分の後任が決まったと告げる。彼は体調不良を理由に理事会から退任を求められたのだった。 ほどなく後任の所長となるエドワーズが着任、若くハンサムなエドワーズを一目見た途端、コンスタンスは彼に惹かれてしまう。ところが、同僚医師たちを交えての食事の最中、話の説明でコンスタンスがテーブルクロスにフォークで縞模様を作ったのを見てエドワーズは凍り付き、素知らぬ風を装ってその縞模様を消そうとする彼を、コンスタンスは見逃さなかった。 【承】 ある時、コンスタンスの患者ガームスがエドワーズの部屋にきているという知らせを受けた彼女は、父親を殺したと信じ込んでいるガームスに幼少期の罪悪感がもたらす妄想だと話して部屋に戻らせる。それを聞いたエドワーズは一瞬考えこんだあとコンスタンスを散歩に誘う。 ある晩、眠れないコンスタンスは図書室を訪れてエドワーズの著作本を手に取ると、灯りのついている所長室へ入って行く。エドワーズに激しく惹かれるコンスタンスは初めての感情に戸惑うが、同じく彼女に惹かれていたエドワーズに抱擁されキスを交わす。 しかし彼女が着ていたガウンの縞模様にエドワーズは動揺、ちょうどその時、ガームスが喉を切ったという連絡が入る。すぐさま手術室へ向かった2人だったが、そこでエドワーズは発作を起こして失神する。 部屋に運ばれたエドワーズに付き添っていたコンスタンスは、手元にあった彼のメモに書かれたサインと、著作本に書かれたサインの筆跡が違うことに気づく。何者なのかと問い質されたエドワーズは、自分がエドワーズを殺し、彼になりすましたことを思いだしたと告げる。 記憶を失っていた彼は、持っていた煙草入れのイニシャルから自分の名は”J・B”らしいということが分かるが、思い出すきっかけになることがあると発作を起こしていたと聞いたコンスタンスは、エドワーズを殺したというのは病気による錯覚だとして、彼の無実を信じる。 しかし彼はコンスタンスに迷惑がかかることを恐れ、ニューヨークへ行くという書置きを残して施設から姿を消す。 翌日、エドワーズの助手が施設を訪れて、新所長が偽物だったことが皆に知れる。マーチソンはガームスの死を見て記憶が蘇ったことで発作を起こしたのだろうと、彼をエドワーズ殺害犯として警察に通報すると、彼の身を案ずるコンスタンスはニューヨークへ向かう。 彼が滞在するホテルへやって来たコンスタンスは、ホテル専属の探偵に、口論した夫に謝りたいと嘘をついて彼がいるらしい部屋を突き止め、そこで彼”J・B”に再会する。 治療して真相を突き止めるというコンスタンスにJ・Bは、犯罪者を庇って医師の立場を危うくさせたくないというが、彼女の決意は固かった。 【転】 新聞に共犯者としてコンスタンスの写真が載ったため、2人はすぐさまホテルを出て、コンスタンスの恩師であるブルロフ医師の元へ向かう。 その道中、彼は医療部隊としてローマ上空を飛行中に、戦闘機に銃撃されて火傷を負ったことを思いだし、おそらくその後脱走したのだろうと言うと、その罪悪感が肥大化したのだとコンスタンスは分析するが、そんな彼女にJ・Bは怒りをあらわにする。 ブルロフ宅を訪れると、そこにはエドワーズの友人であるブルロフに事情を聞こうと刑事が訪れていたが、無関係だと言って追い返されていた。新婚旅行中だがホテルがとれなかったというコンスタンスの偽りに気づきながらも、何も聞かず快く滞在を許す。 そしてその晩、ベッドカバーを見て発作を起こしたJ・Bに、コンスタンスは、彼の恐れの原因が縞模様にあることに気づく。そして夜中に目が覚めたJ・Bは髭を剃ろうと入ったバスルームで、一面の白に恐怖発作が起こり、剃刀を手に部屋を出る。 ブルロフは会った時からJ・Bの異常に気づいており、夢遊病者のように剃刀を手に現れた彼に鎮痛剤を与えて眠らせていた。彼の無実を主張するコンスタンスにブルロフは、愛は判断を鈍らせると戒め、J・Bは危険な精神分裂症だとして警察に通報するという。 それでも医者として真実を追求したいという彼女に負けて、通報を数日待つことを約束する。 【結】 ブルロフがJ・Bの夢を分析した結果、全ての原因はガブリエル・ヴァレーで起きたらしいこと、縞模様は雪の上についたスキーの跡だということを突き止めたコンスタンスは、J・Bとともにガブリエル・ヴァレーに向かう。そして雪の斜面を滑降中、崖から落ちそうになったところで、彼はすべてを思い出す。 彼の名前はジョン・バランタイン、負傷で除隊し静養のために訪れていた山荘でエドワーズに出会い、2人でスキーをしている時にエドワーズは崖から転落するが、ジョンは幼い頃に弟を事故で死なせてしまった罪悪感からエドワーズを殺したと思い込んでいたのだった。 事故だったと安堵する2人だったが、遺体から銃弾が発見されたことで、再びジョンに疑いがかけられ、彼は勾留されてしまう。 コンスタンスは施設に戻り、彼を救いたいと思いながらも悲嘆に暮れる。施設はマーチソンが所長に残留となったが、彼の「エドワーズはただの知り合いだったが好きではなかった」と言う言葉に引っかかるものを感じたコンスタンスは、ジョンの夢の内容を見直す。 そこで彼女はマーチソンが所長の座にとどまりたいがためにエドワーズを脅し、スキー中の彼を背後から銃撃したことを突きつけると、逃げ切れないと悟ったマーチソンはエドワーズを撃った銃で自殺する。 コンスタンスは容疑が晴れたジョンとともに、駅でブルロフに見送られて今度は本当の新婚旅行に出発するのだった。 The End_映画ウォッチ みんなの評価 3.4/5.0 最高 (^0^) 今でこそ精神分析というテーマに古臭さを感じてしまうのが勿体無いところではあるが、二転三転するサスペンス、見るものを離さない巧みなカメラワーク、「ヒッチコックらしさ」と呼べる要素を惜しげもなくすべてつぎ込んだ中期の傑作だと思う。 最低 ( ` 3´) 製作された年代を考えるとすごいのかも知れませんが、いかんせんコレと言って盛り上がりは欠けてました。
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