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投稿者:山崎貴
[YouTube:jGhRxsYaYvM:R] アルキメデスの大戦(邦画) 2019年 邦画年間興行収入ランキング11位 昭和8年(1933年)、第2次世界大戦開戦前の日本。日本帝国海軍の上層部は世界に威厳を示すための超大型戦艦大和の建造に意欲を見せるが、海軍少将の山本五十六は今後の海戦には航空母艦の方が必要だと主張する。進言を無視する軍上層部の動きに危険を感じた山本は、天才数学者・櫂直を軍に招き入れる。その狙いは、彼の卓越した数学的能力をもって大和建造にかかる高額の費用を試算し、計画の裏でうごめく軍部の陰謀を暴くことだった…… 監督 山崎貴 代表作 『ALWAYS 三丁目の夕日 シリーズ』『永遠の0』『寄生獣 シリーズ』 脚本 山崎貴 音楽 佐藤直紀 代表作 『海猿』『ALWAYS 三丁目の夕日』『OVER DRIVE』 主演 菅田将暉(櫂直) 代表作 『王様とボク』『溺れるナイフ』『銀魂 シリーズ』 原作 三田紀房 漫画 『アルキメデスの大戦』 上映時間 130分 登場人物 櫂直: 東京帝国大学数学科の学生。 山本五十六: 第一航空戦隊司令官。帝国海軍少将。(舘ひろし) 代表作 『暴力教室』『あぶない刑事 シリーズ』『免許がない!』 田中正二郎: 海軍省経理局の特別会計監査課所属。(柄本佑) 代表作 『美しい夏キリシマ』『素敵なダイナマイトスキャンダル』『きみの鳥はうたえる』 尾崎鏡子: 尾崎財閥の令嬢。(浜辺美波) 代表作 『エイプリルフールズ』『君の膵臓をたべたい』『センセイ君主』 【起】 昭和20年4月7日、鹿児島県の坊ノ岬沖にて、戦艦「大和」はアメリカ軍の航空機による集中砲火を浴び、なすすべもなく転覆、そして爆発を起こし沈没しました。この闘いで3,000余名の人命が失われました。 さかのぼること12年前。海軍少将 山本五十六は、これからの海戦は航空機を中心とした戦いになると考え、造船少将の藤岡喜男に新たな航空母艦の設計案を作らせていました。しかし、新型戦艦建造計画会議の場で、“大艦巨砲主義派”の嶋田繁太郎海軍少将は巨大戦艦の建造を推してきます。造船中将 平山の提案するその戦艦の美しさに、議長である海軍大臣の大角も目を奪われてしまいます。どちらを作るかは、半月後の会議で決定することになりました。 その夜、山本、藤岡、そして彼らを支持する海軍中将の永野の三人は、料亭で今後の作戦を練っていました。議論も煮詰まり、芸者衆を呼んで楽しもうとしましたが、その夜はひとりの客が芸者全員を独占していて一人も来られないというのです。何人か譲ってもらおうと山本たちがその部屋を訪ねると、そこにはいたのは学生服を来た青年で、芸者の胸囲や投扇興の扇子を投げる高さなどを計りながら楽しんでいました。軍人が大嫌いだというその青年は、尾崎財閥でお嬢様の家庭教師をしながら帝大の数学科に通わせてもらっていましたが、あることがきっかけでクビになり退学させられたのだといいます。もらった大金を使ってしまおうと芸者全員を呼んで遊んでいた彼は、山本たちを追い返します。 自分たちの部屋に戻った山本は永野に、平山案の見積もりは虚偽の数字ではないか、こちらで計算し直して彼らの嘘を暴こうと提案するのでした。 【承】 山本は、部下の田中を伴って先日の青年、櫂直の下宿を訪れました。アメリカに留学するという櫂に山本は、アメリカと戦争になると告げます。驚いて「勝てるわけがない」という櫂に山本は、嶋田たちが推し進める巨大戦艦の建造をやめさせる手伝いをしてほしいと頼みます。そんな戦艦ができたら、国民は日本が負けるはずがないという幻想を抱いてしまう、と。しかし櫂は拒否しました。 櫂は過去に、尾崎に連れられて海軍の嶋田に会っていました。そこで戦艦の建造について話す二人に、いかに戦艦の砲撃が非効率か、そんな建造は止めた方がいいと言ってしまい、彼らの逆鱗に触れた櫂はその立場を追われたのでした。 日本を発つ日、港には尾崎の娘 鏡子が見送りに来ていました。彼女の背後に戦火の幻が見えてしまった櫂は船を下り、山本が待つ車へと向かうのでした。 山本は“少佐”の地位で櫂を迎え、二週間で平山案の見積もりを計算し直すよう依頼し、部下の田中を助手につけました。 海軍省に着いた櫂は永野に会い、でっち上げでもいいという彼の冗談に困惑しますが、あわてて山本が撤回するのでした。 櫂には日当たりの悪い北側の、雨漏りのする部屋があてがわれ、資料といえば藤岡が記憶を頼りに書き起こした書類が二、三枚あるだけでした。 櫂が海軍省内で資料を見ようとしても軍規によって断られ、見積もりを計算し直すための資料は何ひとつありません。 櫂は本物の戦艦を見たい、と横須賀港に向かいます。そこには“長門”があり、運良くそれに乗船することができた櫂は、田中に艦長を連れ出させて機密である設計図を盗み見ることに成功します。そして艦内のさまざまな場所を、巻尺で測っては手帳にメモしました。 海軍省に戻った櫂は、それらのメモをもとに一から長門の図面を書き起こし、そこから平山案の見積もりを計算するつもりです。味方の協力は得られず、平山陣営から嫌がらせを受ける中、二日で初図面は完成しました。 次は、見積もりを出すために必要な、材料費や人件費の根拠となる資料探しです。田中の提案で民間の造船会社にあたるものの、海軍からの命令でどこも取り合ってくれません。困った櫂は鏡子を呼び出します。父親の尾崎は家に仕事を持ち帰らないため役に立てない、とがっかりする鏡子でしたが、幼い頃出入りしていた大里という男のことを思い出して櫂に伝えました。大里はいま大阪で小さな造船会社を営んでいて、彼なら協力してくれるかもしれない、ということでした。 櫂と田中は大阪へ向かいますが、大里にあっさり断られてしまいます。貴重な時間を費やして翌日も待ち続けますが、全く脈はなく、あきらめて東京に戻ろうとしたそのとき、なんと鏡子が現れたのです。 【転】 すごい剣幕で詰め寄った鏡子のおかげで、大里は櫂に協力してくれることに。彼は、過去の資料が置いてある倉庫に案内してくれました。あと一週間でこれらを検証すれば平山案の嘘を暴ける、と櫂たちは安堵しました。そして櫂が、なぜ尾崎造船が大損を覚悟してまでこの平山案の戦艦造船を引き受けるのか、と疑問を口にすると大里が、他の巡洋艦と抱き合わせで受注するのだと教えてくれました。尾崎造船はそうやって大きくなった会社なのだと。 そのとき、田中宛てに永野中将から電報が届きました。なんと、決定会議が明日の午前11時からに急きょ変更になったというのです。計算していたのでは絶対に間に合いません。 櫂は、設計図をハサミで切り刻み、鉄の量だけ計算してほしいと皆に頼みます。切り分けた紙にびっしりと鉄の量を書き写し、最終の夜行に乗り込んで櫂たちは東京へと向かいます。列車内でも櫂、田中、鏡子の三人はずっと計算をしていました。 東京について会議の部屋に着いてもまだ、計算は終わっていません。 会議が始まり、藤岡は若干の減額を申請しましたが、議長の大角は決定に影響しないと取り合いません。それどころか、永野たちに対して「私の顔を立てると思って…」と平山案の採択を受け入れるように迫ってきます。櫂は、計算を田中に託して立ち上がり、黒板の前で説明を始めます。グラフを書き、さらに時間を稼ぐために数式を書き始めます。その数式に船の鉄の量を当てはめれば、正しい見積もり金額が出せる、と豪語する櫂に対し、嶋田は資料を持ってきて確かめてやるといきり立ちます。 水雷艇千鳥、重巡洋艦妙高、と立て続けに正解を導き出す櫂。そして、ついに平山案を計算すると、なんとその額は提案された見積もり額の2倍近い金額でした。 その事実を突きつけられた平山はしばしの沈黙ののち、「真実?そんなものが何になる?」と開き直り、他国に見積もりが漏れた場合、正式な見積もりが知られれば列強はさらに強い戦艦を作ってくる、敵をあざむくにはまず味方からだ、と持論を展開します。その言葉で場の空気は一変し、大角は平山案を採用すると決定します。 櫂は、貼り出されていた平山案の設計図をじっと見つめ、「この船には重大な欠陥があります」と声を上げました。最大級の横波に対して構造的に耐えられないという櫂の指摘に、平山は再度設計図を見直し、そして自分の非を認めました。自ら提案を取り下げ、結局藤岡の提案した空母が採用されたのでした。 【結】 一ヶ月後、櫂は平山に呼び出されました。そこには、20分の1の戦艦の模型がありました。そして平山は、この案を復活させたい、と言うのです。一度はこの船の図面を起こしたことのある櫂に、これが完成した姿を見たくないはずがない、と技術者として揺さぶりをかけてきます。 「ちがう!」 否定する櫂に平山は、こう言います。「日本人は負け方を知らない。最後のひとりまで戦おうとするだろう。だが、国を象徴するような巨大戦艦があったらどうだろう」と。つまり平山は、あえて巨大戦艦を作り、それが沈むことによって戦意を喪失させ、国民に負けを認めさせるための“よりしろ”にしたいのだというのです。そして、その意図にふさわしい名前を平山は考えていました。 その名前は「大和」。 9年後。 日本軍の真珠湾攻撃から2ヶ月後のこの日、戦艦大和の船上に、山本五十六はいました。両脇で敬礼する海軍の軍人の間を、意気揚々と歩いていきます。そこには櫂直の姿もありました。 船を下り、岸から戦艦大和の姿を臨む櫂の目には涙が。その理由を問われた櫂は、「この国のようだ」と答えます。その意味もわからずに、質問した軍人は、「そうですね。まさに大日本帝国の象徴です」と誇らしげに返すのでした。 The End_映画ウォッチ みんなの評価 4.11/5.0 最高 (^0^) 原作越えをしてしまった珍しい実写化映画ですね。 最低 ( ` 3´) 敗戦した戦争をいつまでも美化して映画にする国民性は、世界を知らない日本の島国根性がよく分る。
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