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投稿者:ムラーリ・K・タルリ
[YouTube:1vqPb1HUQUY:R] 明日、君がいない(原題:  2:37 豪州) 2006年 全世界年間興行収入ランキング100 ランク外 成績優秀なマーカスと妹メロディなど、一見悩みとは無縁そうに見える6人の高校生たち。しかし、時間が経つにつれ、それぞれが誰にも言えない悩みや問題を抱え、今にも押し潰されそうになっている現実が明らかになってゆく。そして、午後2:37、1人の生徒が自殺を図る…… 監督 ムラーリ・K・タルリ *19歳 初監督作品 脚本 ムラーリ・K・タルリ 音楽 マーク・チャンズ 代表作 『ファイトクラブ・レディズ 』  主演 ―――― 上映時間 99分 登場人物 マーカス: 成績優秀な男性学生。(フランク・スウィート)  メロディ: マーカスの妹。(テリーサ・パーマー) 代表作 『魔法使いの弟子』『アイ・アム・ナンバー4』『ハクソー・リッジ』 ルーク: 体育会系の男子学生。(サム・ハリス) スティーヴン: 障害がある男子学生。(チャールズ・ベアード) ショーン: ゲイの男子生徒。(ジョエル・マッケンジー) サラ: 恋愛に夢中な女子学生。(マルニ・スパイレイン) ケリー: 優しい女子学生。(クレメンティーヌ・メラー)  【起】 オーストラリアにある某高校の敷地内。ここで、とある女子生徒が異変に気付きます。 目の前の教室の扉の下から、何者かの血が、まるで水たまりのように溢れ出てくるではありませんか。彼女は教室を開けようとしますが、扉には鍵が閉まっており、開けることができません。 やがて先生がやってきて、「開けろ!」といって扉を叩きますが、やはり反応はありません。合鍵を持ってきて扉を開けるのですが、既に手遅れ。部屋の中にいた人間は、既に死んでいました。 状況的に、自殺したと考えられます。 メロディ ・精神が安定せず、朝から既に泣いている。 マーカス ・学校でピアノを弾いていると、ケリーがやってきて隣に座る。そこで、マーカスが学校に課題として提出した空想の物語について、「ヒロインのモデルは誰?」などとケリーから質問を受ける。しかしマーカスは、けんもほろろの対応で相手にしない。 ・先生から、提出した創作の物語について「おまえ、恋をしてるのか?」と聞かれるが、答えない。マーカスは「なぜそんなこと聞いてくるのか?」と聞くと、先生は「例えば銃乱射の物語を書いてきた生徒がいたら、俺はそいつのことを一応調べる。それと同じだ。」と答える。さらに先生は、「じゃあ、この作文を父親に見せてもいいか?」と聞くと、マーカスは「No」と答える。 ・作文の内容については明らかになっていないが、マーカスが創作した架空の物語で、エロティックな内容となっているようだ。 ルーク ・いつもつるんでいる仲間3人で廊下を歩いていると、ショーンを見かける。3人でショーンを取り囲み、「おいゲイ野郎、、ケツにぶっ込んでやろうか?」などとからかい始める。 ・友人に「俺はサラのア○ルに挿れたいんだ」などと突然言い出す。友人はちょっと困る(そりゃ当然だわな)。 スティーブン ・授業中、女子生徒が後ろでクスクス笑い出す。どうもスティーブンは、お漏らしをしてしまったようだ。先生からも「情けない」などと叱られる。廊下を歩いていても、他の生徒はスティーブンを見て「不潔」「最低」などと陰口を言う。 ショーン ・ルークとその仲間達からゲイネタでからかわれるが、あまり相手にしない。いつものことなので、既に慣れているのか? サラ ・ルークと付き合えていることに大満足。他の生徒から、羨望の眼差しで見られていることに快感を覚えている。しかし、ルークは友達とばかりつるんでいて、どことなくおざなりにされている感じを受けている。 【承】 メロディ ・トイレで妊娠検査薬を使って調べたところ、陽性。誰かの子供を身ごもってしまった様だ。誰にも相談することができず、絶望に叩き落とされる。 ・泣きながらトイレから出てきたところを、サラの友達に目撃され、妊娠検査薬が「陽性」だったことがサラにバレる。 マーカス ・テストの結果が発表され、マーカスは87点。間違いなく上位の点数だが、マーカスは納得できず、先生に「あと3点上げてください」と直談判する(認めてもらえず)。90点いかないことで、厳しい父親に怒られることを恐れている。 ルーク ・友達から「メロディかわいいよな?」と言われ、「おまえもしかしてもうヤったのか」と聞かれる。ルークは答えない。この態度を見て、友達はルークがメロディと性的関係を持ったものとして盛り上がる。 スティーブン ・再びお漏らし。イジメを苦痛を感じているが、家族には決して言えない。そんな苦悩を漏らしている。しかし、卒業まで90日を切り、あと少し我慢すれば苦痛から解放されるはず、それだけが心の拠り所となっている。 ・ルークがサッカーをしている様子を見学。スティーブンの趣味はサッカー観戦で、運動神経抜群のルークに自分の姿を重ね合わせ、自分があたかも一流のサッカー選手になったかのような空想にふける。 ショーン ・カウンセリングルームで、カウンセラーに悩みを相談。ゲイであることをカミングアウトしてから、友達からも相手にされず、家族もどことなくそっけない。 ・精神的ストレスから逃げ出すためか、校舎の裏でマリファナを吸い出す。 サラ ・友達から、「メロディが妊娠した」ということを聞かされ、メロディの相手が自分の恋人であるルークだと思い込む。サラは、メロディに「このヤリマンめ」と吐き捨てるなど、冷たく当たるようになる。しかし、ルーク本人にはメロディとの関係を直接聞けない。 【転】 メロディ ・実はメロディは、兄のマーカスからレイプされていたという衝撃の過去が明らかになる。妊娠したもの、マーカスとの性行為がきっかけであった。メロディは、13歳の頃からずっとマーカスに体やお尻を触られていた。 マーカス ・サラの友達から、「メロディが妊娠した」ということを聞かされる。メロディが自分の子供を身ごもったことを悟ったマーカスは、メロディに対して激怒し、「こんなことになったのはお前のせいだ!」と、学校の廊下で怒号を飛ばす(最低野郎ですね)。 ・このことから、マーカスが作文として提出した創作物語のモデルは、メロディだったということが解ります。 ルーク&ショーン ・ルークがトイレで小便をしていると、ショーンが突然乱入し、二人は突然抱き合ってキスをする(!?)。そしてショーンは、「いつまで俺を避けるつもりだ!」「皆はおまえのことをゲイだと思っているぞ」とルークに怒鳴る。 ・実はルークはゲイで、ルークとショーンは恋人同士であった。そのことを隠すため、ルークはあえてサラと付き合い、ショーンを日常いじめることによって誤魔化していたのだった。映画序盤で自慰行為をしていた時も、”おかず”は男性ものだった。 ・ゲイであることを隠したいルークは、逆に「黙れ!」と怒鳴る。 スティーブン ・便器でお漏らしの後処理をしている時、ルークとショーンをやり取りを聞いてしまう。便器室の扉を開けると、ルークからいきなり殴られ、「バラしたら殺す!」と脅される。 ・殴られ、鼻血を出しながら廊下を歩いていると、ケリーから「大丈夫」と声をかけられ、ティッシュを貰う。ケリーは、学園内でもスティーブンを気遣うことができる数少ない存在だった。 サラ ・ルークがゲイであることを知らないサラは、ルークに近づいたところ「俺に触れるな!」と怒られてしまう。イマイチ相手にしてくれないルークの態度と、メロディの妊娠相手がルークだという不信感があいまって、その場で泣いてしまう。 ・しかし、それでもサラは「ルークを信じる」と心に決め、決して叶わないであろうルークとの結婚の夢を追い求める。 【結】 最後に自殺したのは意外や意外、「ケリー」 ケリーは、泣きながら教室をのたうちわまり、ハサミを取り出して、自ら手首を切ってしまうのです。 The End_映画と漫画についてとことん考察するひまつぶしブログ みんなの評価 4.03/5.0 最高 (^0^) この監督の次回作が心配です。 本作はそれほどのエッジの効いた傑作です。 最低 ( ` 3´) 陰鬱かつ退屈。 【考察】 「なんでケリーが自殺するの!?」と誰しもが疑問に思うはずですが、劇中ではケリーが自殺した理由は明らかにされません。 これには理由があります。そもそもこの映画の日本版キャッチコピーは「追い詰められても、SOSが届かない」となっています。 人間は、結局自分のことで精一杯なので、他人のことを気遣うことができない。 従って、悩み追い詰められている人間がいても、周囲はなかなか理解してあげられない。これが、この映画で最も伝えたかったことなのです。 主要登場人物のことばかりに意識が向いてしまいますが、全くノーマークだったケリーが、実は自殺を図るほど苦しんでいたということなのです。
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