投稿者:美銀座美人
「こんちわぁ、外で珍しい車が目に止まったんで突然ですんませんが寄っちゃいました」
「兄さん何処から来なすったんだぁね? そうかい、〇沢からかいねぇ、
ところで、あんでこの車が気になんの?普通の人ぢゃまず知らねぇ車だんべよ」
「いえ、昔この車のカッコ良さにメロメロになっちゃったもんですからつい懐かしくて」
「そうかい、兄さん血が熱いやね、ま、立ち話もなんだから中にお入んなよ」
「すんません、お仕事ちうに突然お邪魔しちゃいまして」
「あ~に、いいってことよ、ま、茶でもいれっからそこらへんに座んない」
「兄さん、コーヒーでいいかや?」
「はぃ、有難うございます、是非いただきます」
修理工場の隅にあったガス台に年代物の焦げたヤカンを乗せて熱いコーヒーをいれてくれた。
インスタントだったけどこの時はとっても美味かったなぁ。
「このルーチェロータリークーペっちゅう車はよ、そんなに売れねえけんどカッコいいから
根強いファンがいるもんで、じつはもう1台うちへ入院してんだわぁ」
「あ、そうなんですか、僕もじつは大好きで最初に晴海で見て以来ずっと痺れてました」
「嬉しいこと言ってくれるじゃねぇかよ、俺も直し甲斐があるっちゅぅもんだわさ」
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「今日はホントに突然すいませんでした、とっても楽しかったです」
「あ~に、いいってことよ、兄さんもこれから運転にゃくれぐれも気を付けておくんなよ」
突然の訪問を詫びたうえでお礼を述べて修理工場を出ようと気が付くと
今がレストア中だというRX-87 ルーチェロータリーク-ペの美しい体がもう1台ありました。