投稿者:レジティマ派無名議員
大戦が近付く中、スウェーデンの郊外では伝統的な邸宅に変わって英国様式のカントリー・ハウスの建築が進んでいた。
これらの邸宅は、相次ぐ経済的成功によって豊かになったレジティマ派の議員やその関係者によって建築されていた。
英国ではWW1の発生により貴族階級の没落が発生しカントリーハウスの多くが手放されたが、
大戦に関わらず経済的な余裕も生まれたスウェーデンにおいて一種のステータス・シンボルとして、英国のカントリー・ハウス様式を取り入れる層が現れた。
中産階級がある程度裕福になったこと、ドイツ占領によってヨーロッパの貴族階級が挙ってスウェーデンに亡命した事も影響した。
この時代においてフランスが「進歩的欧州様式(装飾の全てを廃した現代建築様式)」を強く推し進めた事で、保守的な大衆が反発した事も影響した。
これら一連の懐古主義の流行は、一種の愛郷運動として捉えられた。
勢いを失ったレジティマ派は幾つかの内部派閥に別れて四散したが、彼等が残した「復古主義への愛敬」は、フランスへの抵抗という形で地方に残り、
民族主義と結び付いてスウェーデンの上流階級に取り込まれていった。