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投稿者:坂本彰
ヒメミヤマスミレViola boissieuana Makinoは、フモトスミレの亜種Viola sieboldii Maxim. subsp. boissieuana (Makino) F.Maek. et T.Hashim.とする説を採用している図鑑もありますが、現在では牧野富太郎が1902年に発表した説が定説になっています。 ヒメミヤマスミレも山地のスミレで、先に紹介した「小深山菫」と同じく漢字で書くと「姫深山菫」となります。「小」と「姫」の違いは、何に基づくのでしょう? 記載は1902年植物学雑誌第16巻184号Observations on the Flora of Japan 127ページで、先のコミヤマスミレと前後して書かれています。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/16/184/16_184_125/_pdf/-char/ja 興味深いのは引用されている標本の採集地です。横倉山、長坂村(現在の仁淀川町長坂)、名野川(仁淀川町)、石鎚山と並んで潮江山(高知市)があげられています。潮江山は筆山か皿ヶ峰だと思われます。筆山・皿ヶ峰はよく足を運びますがヒメミヤマスミレは見たことがありません。標本が採集された1888年には生育していたのでしょうか? ひょっとして現在も見られるフモトスミレあるいはフモトスミレとシハイスミレの雑種?の誤認ではないかと勘繰りたくなります。
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