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投稿者:小心者
東海地震または東海・東南海・南海トラフ連動型巨大地震で、当地域に震度6弱以上の地震が発生した場合、その後も住み続けることは可能でしょうか? 塑性化した構造躯体の補修にはどの程度の信頼性があるのでしょうか? 1981年(新耐震基準施行)以降の一般的なRC造建物が弾性変形領域を超えると、各接合部位が(梁 ⇒ 壁 ⇒ 柱の順に)塑性化(破壊)されていき、軸組をグラグラにすることで、それ以上の外力をやり過ごせるように設計されているそうです。いわゆる倒壊を防ぐことが目的です。 ・許容応力度設計の一次設計では、建物に加わる地震水平力を0.2G(≒200ガル)として計算※1します。 (現行の耐震基準は、300 ~ 400 ガル程度(目安で旧震度6程度)の地表の揺れに対して終局強度設計(ある程度の構造的損傷を許容し人命を守る設計 = 即座には崩壊しない設計)するという最低基準になっています。) ・二次設計では、建物に加わる地震水平力を1.0G(≒1000ガル)としていますが、実際には1.0Gを弾性領域に設計する※2のではなく、一次設計で想定した外力を超えていけば建物が塑性化していくので、前述の如く外力は減殺されその結果、建物への入力(応答加速度)は一般的な建物で1/3~1/2(≒400ガル)程度になります。そして、この「健全な壊れ方」を検証することこそが二次設計での目的です。 上記のことを言い変えると、一次設計で建物に加わる地震水平力を0.2G(≒200ガル)※1として設計された建物は、応答加速度≒400ガル程度で限界(終局強度)に達するということです。これは、一次設計の0.2G(≒200ガル)に対して約2.0倍です。 これを、大雑把に言えば材料強度に対する許容応力度の安全率(余裕率)ということになります。この一次設計での水平力0.2G(≒200ガル)が基準ですので、この基準数値を変えない限り終局強度も変わりません。67年前に0.1G(≒100ガル)から現行基準の0.2G(≒200ガル)に引き上げられましたが、そろそろ、0.4G(≒400ガル)程度で限界(終局強度)に達するという現行の最低基準(一次設計基準の0.2G)を見直さない限り震災被害は減ることが無いように思えます。 よく分からない乍らも、以上のことを踏まえて、近年起きている巨大地震の揺れの強さ(震度ではなく加速度[ガル]の数値)を見てると、不安は増すばかりです。 ◆巨大地震が来るまでの寿命なのでしょうか?・・・。神のみぞ知る、ことです。 ※1:建築基準法制定時( 1950 年)からの基準。  建物の 1 階に作用する水平力を、建物の全重量の 20% と考えます。これは結局、「 2 階の床位置での応答加速度が約 200gal(ガル) である」としていることになります。(重量 = 質量 × 重力加速度( 980gal )から、 0.2 × 980 = 約 200gal ) ※2:原子力発電所建屋では1.0G以上で弾性設計されています。
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