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投稿者:つくば・あべ
 左のグラフ、ムネアカオオアリは、筑波山でクロオオアリとの比較をしようと始めた観察の一環です。その延長で伊那通いが始まりました。初期営巣は、以前に書き込みました。「蟻」にも投稿しました。伊那の営巣密度は高かったです。筑波山は低いです。残留農薬の影響か、倒木数か……両方でしょうね。樹種かもしれません。  観察コロニーは、広葉樹の倒木営巣で、周辺は落葉や草本で覆われます。そこから下がって斜面を切った林道があります。その先、行き止まりなので、車通り、人通りはありません。  この林道の営巣場所側に、採餌活動個体達の出入口がありました。これは、巣口ではないので、出入口としか表現が出来ません。まあ、「巣口の定義」も難しそうですがね。  以前、北山公園で説明しましたが、ムネアカオオアリは同じ場所を歩くので、地表面が固まり、ヒトで言えば「道」、哺乳類では「獣道」、かといって「蟻道」と呼ぶと別物なので、困ったものです。でもまあ、蟻道ですね。草地や林内では「アーケード」と呼んでいます。裸地では堅くなった地表面が有ると言えます。  ムネアカオオアリの初期営巣は、地中ではなく、枯れた樹内や樹皮下、竹中などで行われます。初期コロニーでは、ウメマツオオアリのように倒木の穴から出入りします。そして、成熟コロニーは、地表面下の上記のような「アーケード」を通路としします。営巣の中心も枯れた樹内……ケアリの倒木営巣と同様です。伊那でも1本持ち帰って採集しましたよね。さらに倒木と地面の接地面にあります。材木置場の地表面に営巣している本種を観たこともあります。地中の浅いところまで営巣場所を広げるようです。観察例が少ないので、明確には言えませんがね。北海道では、街路樹の根元に営巣しているようです。まるでクロオオアリです。確認したいものです。伊那でも地表面の穴から出入りしているムネアカオオアリがいたと土生さんが言っていました。  そして、そこから腐葉土層と落葉層の間に「アーケード」を拵えて、行列を作って餌場がへと向かいます。そして、樹木を昇降する個体が少ないのです。皆無ではありませんが、出入数を考えると、あまりにも少ないのです。根に付くアブラムシが怪しいと思っていますが、さすがに許可無く掘るのは駄目でしょう。掘る自信ないしさ。クロクサアリ掘るのも大変だったよね。  それと、クロオオアリに比べて、餌を咥えて戻る個体が少ないのが特徴的です。数的に比較できるデータは拵えていませんが、明確でした。安部さんが、草地の3種、クロオオアリ、クロヤマアリ、トビイロシワアリの餌の大きさによる採餌行動を比較していましたが、ムネアカオオアリでは、そのような競合種がいないことで、体内に入れる時間的余裕があるのだろうと考えています。  以上なのです。この先の観察は出来ていません。伊那で浮気をしていたら、観察していた2コロニーがいなくなりました。その後、クロナガアリに集中することになり、中途半端なままです。  ということで、営巣場所からの通路1本の計数データということです。コロニー規模は、2千超えでしょう。  写真は、倒木営巣のムネアカオオアリ 林道裸地の蟻道横一線、写真だと分からないが実際ははっきり分かる 録画風景VHSカメラをビデオデッキに接続して録画している。パイプを組んでるね。直射が当たると識別が困難になるからです。
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