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投稿者:安全環境委員会 堀晃浩
安全環境委員会 委員長 飯田毅 担当スタッフ 堀晃浩 アクシデントレポートのご提出ありがとうございました。 専用コースにおいて、コースブイ設置時に指(手)の骨折を伴う負傷事故が発生しました。けがをされた方は、手術・入院・通院が必要なほどの大けがであったとのことです。 大変な思いをされたと思います。心よりお見舞い申し上げます。 【事実経過】 場所:専用コース 日時:2023年7月21日金曜日18時30分頃 関係する艇:和船A(操縦者a(大学4年)、作業者b(大学3年)、c(大学3年)、d(大学3年)) 人的損害:和船を桟橋につける際、aが桟橋に手をつき、その手が船外機と桟橋の間に挟まって負傷。 物的損傷:なし。 【状況】 横張りワイヤから引っ張ってきたワイヤーを0m発艇ポンツーンに固定されている調整ロープに接続するため、着岸しようと試みた。その際、惰力に対してカウンターとなる前進が足りなかったことに加え、風の影響により和船を完全にコントロールできないままポンツーンに近づいた。惰性で着岸する際、ポンツーンに右手を着いた結果、船外機とポンツーンの間に右手親指を挟んだ。速度は微速から若干速い程度だった。なお、事故の発生前後で船外機や和船の故障・不具合は発生していなかった。 【事後対応】 18時30分ごろ:事故発生 同時刻:状況を目撃していたB艇操縦者がA艇の乗船者にトランシーバーで119番通報と管理事務所への移動を依頼。aからbに操縦者を変更し、cが止血の補助。dが船の上の荷物を降ろし、119番通報。 18時40分ごろ:B艇操縦者がA艇の乗船者に状況をトランシーバーで確認し、状況把握・確認を実施。bの操縦する船はcがコースで練習しているクルーに声を掛け(注意喚起)、減速せずに公園管理事務所まで向かった。 aからaの所属する大学ボート部に連絡し、管理事務所に到着した際には既に大学ボート部のマネージャーが到着していた。 管理事務所到着後:体に力が入らなくなったaをb,cが介抱しながら管理事務所裏のロータリーに運び、救急車を1-2分ほど待った。 【事故防止策および安全対策】 [概要] 1.操縦者には乗船前に体調チェックを実施する。また、操縦中も適度に休憩を挟む。 2.乗船と操舵、学連作業の練習機会を設け、一定の頻度で練習を行なう。 3.研修会の必須参加によって学連員の習熟度の底上げと維持、担保を行う。 4.操縦できる者を幹部と一部の水路要員に絞る。 5.水路作業を行なう前に陸上で役割分担や作業の内容を説明する。 6.幅広い学連員の習熟度の底上げを図る。 7.学連員の血液型と緊急連絡先を把握する。 8.水路作業を行う学連員に対しては地域漕艇学生連盟としてスポーツ保険に加入する。 9.学連に体験参加するかつ水路作業を行う学生に対してワンデー保険に加入する。 10.水路作業の練習会・講習会を実施する際、対面式の安全講習会を併催する。 11.水路作業にて従来着用している装具に加え、ワイヤーやアンカーを扱う作業を行う場合、皮手袋を着用する。 [詳細] 1.学連の作業に慣れている者であっても今回の事故が発生してしまったため、体調不良による注意力散漫を防止する。 2.操舵の感覚や作業工程を学連員が均質的に把握し、久しぶりの操縦とならないように、月に複数回開催の研修会を行なう。 3.月1回の研修会参加で学連員全員の習熟度を上げることで安全性を担保することとする。なお、先月と今月の二か月参加できていないものに関しては次回の研修会参加まで水路には出さない。 4.操縦を行うことが出来るのは操縦者研修会で認定を受け、毎月の研修会に参加しているものに限る。 (なお、2023年8月現在の男子幹部に関しては例外的に認定を行う側とする) 5.水路作業を行ないながらの作業説明や作業指示は、指示をする側も受ける側も負担が大きいため、陸上で役割分担や作業説明をしっかりと行ない、皆が作業の流れを把握できるようにする。 6.講習会や練習機会を設けて、学連員全体の作業習熟度の底上げを図る。 7.不測の事態が発生した場合に備え、本人の血液型、各大学ボート部とご家族の緊急連絡先を集める。 (その場合は個人情報の取り扱いに関する同意書に同意してもらう、個人情報はExcelに集約した上でパスワードをつけて保管する) 8.保険は水路学連員として加盟する場合はスポーツ保険に加入する (手続は本人と副理事で行なう、参考:スポーツ安全保険) 9.ボートホルダーなどは委託元で加入している大会保険下で活動し、体験で水路作業を行う学連員に関してはワンデー掛け捨て型のスポーツ保険に加入した上で活動する(参考:三井住友海上スポーツレジャー保険、楽天スポーツ 保険) 10.水路作業の練習会・講習会を実施する際、管理事務所等で対面式の安全講習会を併催する (水路作業のマニュアルを学連員に説明し、危険箇所や過去のヒヤリハットを共有、注意を促す。ヒヤリハットや声掛けなど安全管理に対する意識を持ってもらえるように講習を行なう。) 11.従来から着用している救命胴衣、長ズボン、安全長靴、軍手に加えて、ワイヤーやアンカーを使う作業の場合は革手袋を着用する。 【安全環境委員会より】 学生漕艇連盟の作業時のアクシデントです。 これまで、大学やクラブ、ローイング協会などの単位での安全担当者の選任依頼等を行ってきたところですが、 例えば学連のような連合体の安全管理について抜けがなかったか見直しが必要かもしれません。 レポートでは詳細にこれから取り組む課題を上げていただいているので、 ぜひ、今回のことを教訓として後輩たちに伝えていただきたいと思います。 他の水域の方々にとっても今回のアクシデントと今後の対策・計画を参考にしていただきたいと考えます。 ・学連作業のような場合、参加者の緊急連絡先の管理などなかなか大変かとお察しします。 一つの案ですが、作業参加者は緊急連絡先を記載したカードを持参し、当日、封筒などに集め保管する方法もあるかもしれませんね。もちろんどちらの方が作業負荷が減るかはやってみないとわかりませんが、一案としてご検討ください。 ・また概要の8のように活動する主体(本件では学連)として保険に入っておかないと、大学で入っているから保険がきくと考えないようにご注意ください。スポーツ安全保険は活動主体で掛ける保険なので、学連活動時には、大学ボート部での保険は効きません。今入っている保険のカバー範囲を今一度確認することをお願いいたします。 貴重なレポートをありがとうございました。
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